私が変態になるまで STEP2 16歳 〜初めてのアルバイト 暴力スナック〜

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高校に上がり、アルバイトでも始めようかなと思っていた矢先、近所の元気な
Kさんのおばちゃんがやっているスナックを手伝いに来ないかと誘われた。
もちろん、16歳での水商売は不可。違法にあたるが、Kさんのおばちゃんは
「客に歳聞かれたら18歳ですって言えよ?酒飲む時はハタチです、だぞ?」
といつも男言葉を使い、ちょっと乱暴な言い方だが、いつも愛情溢れる川島さんのおばちゃん。スナックに行ってみると、働いている女のコはセーターとジーパン以外なら何でも可という自由極まりない服装で、皆、酒を飲む量がハンパじゃなかった。お客さんがひとくちぐらいしか飲んでいないのに女のコはワイン1本空にするというワイルドな店だった。
ここで、私は場末のスナックという人生の根本を教えてくれる舞台にふさわしい様々な人と出会うことになった。
大麻の密売人、ヤクザ、チンピラ、一般的に客層はいいとは決して言えなかったがお客さん皆、Kさんのおばちゃんの乱暴っぷりの中の愛情と似たような憎めない人達ばかりだった。
ある晩、常連客の1人とKさんのおばちゃん(ママ)が激しい口喧嘩になり、
「てめぇ!外、出ろよ!」と後ろを振り返ると割れたビール瓶を片手に持ち、
頭から血を流しているKさんのおばちゃんがいた(笑)
その光景は、私は秋田には行ったことがないが、なまはげ ってこんな感じなんだろうなと思わせるぐらい鬼気迫るものだった。
2人はその後、外に出て取っ組み合いの喧嘩をしていた。さすがに警察もくるのかなと思いきや、取っ組み合って気が済んだのか、ぞうきんで血塗れた頭を拭いてKさんのおばちゃんは何もなかったように店に戻ってきた。
とにかくこの店はスリルも溢れているが楽しかったのだ。
ホステスとして口を出したら血を見るかもなというポイントも学べたし、今、この人はどういうバイオリズムにいて、どういうことを言ってもらいたいのかということも学べた。
高校2年生の中頃まで、Kさんのおばちゃんが倒れるまで私はこの店で働かせてもらった。

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