母を自宅で看取り天涯孤独になった瞬間の話。⑤

1 / 2 ページ

前話: 母を自宅で看取り天涯孤独になった瞬間の話。④
次話: 母を自宅で看取り天涯孤独になった瞬間の話。⑥

2003年8月20日 last 21 day


今日で俺が函館に来てから1週間たった。
今日は親の体調がよかった。
下肢の浮腫も俺がきてから連日マッサージしてるせいか、だいぶ良くなってる感じ。
俺自身はちょっと疲れてきている。
祖母が来ていたけど、やっぱりじっとしてられない。
なんかしなきゃって焦ってる。

不安からくる焦りでそれが伝わるから、母も嫌な気分になる。
自分が悪いのかって。
なのでしばらく来ないでもらうこととなる。
それが母のためであり、祖母のためでもある。
祖母がややかわいそうだが、仕方ない。
それにしても母は体調良さようだけど、実は数日全く食べていない。
大丈夫じゃないんだけど、大丈夫なもんなんだね、人間って。
すげーわ。
そして、なんか久しぶりに親子でTVみて笑った気がする。
何気ないそんな時間がありがたい。
ありがとう、神様。

2003年8月21日 last 20 day


今日久しぶりに親の好きなバラの花束を贈った。
小学生の時に母の誕生日プレゼントとして贈って以来だ。
なんか懐かしい感じだ。
人に花を贈ったこと自体久しぶりだ。
とっても喜んでくれていたので、単純にうれしい。
「私は死んでからは何もいらないよ」と常日頃言うので、生きてるうちに良い思い出を沢山作ってほしいと思ってのことだ。
職場の看護師長からも電話があった。
今月いっぱいは年休使ってくれるらしい。
ありがたい。
シフトも急に変わってしまい、皆に申し訳ない。
ごめんなさい。
でも、気持ちを汲んで、年休で休ませてくれること事態はホントすげー。
感謝。
今まで勤務表に文句ばかり言ってごめんなさいって感じだ。
すいませんでした、師長。
自分の友人にも少しづつ電話できるようになった。
それだけ自身の気持ちが落ち着いてきたのか、しんどくなって声が聞きたいのか。



今日の日中は家を離れる時間が多かった。
それだけ親の体調も安定してたってことだろう。
今日も一日生きてくれてありがとう。

2003年8月22日 last 19 day



毎朝緊張する。
朝方居間のほうに寝てる母の動く音を聞くとまだ生きてると安心する。
朝も早くに目が覚め、夢もよくみる。
緊張してる分眠りが浅い。


今日の母は日中はそこそこ調子がよかったようだ。
ジュースなんかも結構飲めていた。
初めてレモンティーを作った。
飲んでくれたのでよかった。
けど、状態の変化が予測できない。
夕方から吐き通しだ。
ちょっと食べたら全部もどす。

著者のTakai Reiさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。