学歴フィルターを無視してFラン大学の学生に内定を出した話

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「うちはマーチ以上しかとらん!」


人事室室長が顔を真っ赤にして罵声を浴びせてきました。

営業を数年経験した後に、人事部に配属になった私は、はじめこそ上のやり方に従って採用活動をしていたものの、次第に会社のやり方は間違っているのではと疑問を持つようになっていました。

いつも人を見下したような態度をとる東大出の人事部室長は、学歴差別主義者で「学歴と仕事の出来は比例しとる」という考えの持ち主でした。大阪出身できついなまりが特徴的です。

間違ったことは言っていないと思いますが、例外があるのは確かです。

色々な学生と面接をする中で、とある偏差値40台の大学の学生「高橋君」に出会いました。彼は高い志とモチベーションをもって学生生活を送り、社会人としてはばたきたいと目を輝かせていました。

優秀な受け答えをするのに大学がいまいちな学生は、大抵はなにかしらの事情があって無名大学に入学しているものです。

「親の会社がつぶれて高校時代は勉強せずにずっとバイトをしていました。大学にはいってからはこれではダメだと思い、公認会計士の勉強をするためにダブルスクールを始めました。ビジネスの世界を知って結果をだしたいと強く願うようになり、必死に勉強しています」

面接対策をばっちりして模範解答を言う高学歴の学生より、ハングリー精神をもっていて自分の頭で考えた言葉で話す学生のほうが頼もしくみえます。

面接の合否を決める責任者であった私は評価シートに「入社後、高い成長性が期待できる。学歴こそ低いもののポテンシャルは高い。」と記入し、最高評価のAランクでの合格として上層部に提出しました。


私は上司の命令を聞くだけのロボットなのか


呼び出しを受けたときに、「あ、やっぱりか」と思いました。

人事室長は低学歴の者を嫌っており、採らない方針で有名でした。そのことを分かっていながら、逆らうように合格をつけたのです。


「こいつ何で採るんや!こんなカスとるな!」

「でも優秀だと思うんです。うちで育てましょう」

「あかん!うちはマーチ未満はとらん方針やろ。低学歴の奴は勉強する根性さえ身についていない怠け者や。そんな奴に仕事ができるわけがない。どうせすぐ辞めるのがクチや」

会社ではマーチ以上をターゲットにして採用活動を行うという方針の下、セミナーのお知らせは高学歴者に優先的に送っていました。


はじめにAランク大学の学生に送って、予約枠が6割埋まったところでBランク大学の学生にお知らせを送るというふうに学歴フィルターを使っていたのです。


予約枠が埋まらなくて、空きができたときはマーチ未満の学生にもお知らせを送ります。会場が空席だと格好悪いので埋め合わせ要因です。


高橋君はそんなぽっかり空いた枠に応募して面接にたどりついた学生でした。はじめは私も採る気はなく、20分ほどでサッと終わらせようと思っていたのですが、話を聞いてみると引き込まれるものがあり、絶対にとりたいと気持ちが変わりました。


「学歴で判断するのもいいと思うのですが、彼は事情があってそうなっただけで、チャンスをあげてもいいと思うんです」


「ダメって言ってるやろ!お前は人を見る目が備わってない!」

その後は本件とは関係ないことまで説教が続き、私は心の中で違うと思いつつも反論できず言いくるめられてしまいました。


所詮は現場の下っ端社員。何も権限をもっていない私は室長にかなうはずがありません。下手に逆らって評価をさげられるところまでいったら終わりです。


一度は諦めたものの、会社の不条理なやり方に腹が立ち、頭は学歴選別への怒りで一杯になり、その日はなかなか寝付けませんでした。そのうち消えるだろうと思っていた怒りは一向に消えず、次第に高橋君をなんとかしてあげたいと思うようになりました。


私の行動次第で彼の人生は大きく変わるのです。



敵の敵は味方



室長の弱みは室長より上の人間。私は思い切って全体会議で社長に進言してみることにしました。



「採用方針について提案があります」



学歴は低いが優秀な学生がいたと報告し、学歴選別をなくしましょうと提案しました。室長は一瞬、ギロリとこちらをにらんだ後、みけんにしわをよせていました。


「うん、いいね。いいんじゃない」

社長の反応は好感触でした。


「今回は社長がああいうようだから…」


不服そうな表情で室長は、外に目をやりながらポツリと言いました。やられたらやり返す。倍返しだ!


その後、高橋君は希望していた営業に配属になってから、入社後5日でばっくれ退社しました。


理由はおそらく、コピーのミスを怒られたことだと思います。11時頃に気がついたらいなくなっていて、それ以降電話にでないとのこと。


皮肉にも室長の「勉強する根性もない」と言う言葉通りだったのです。私は間違っていたのでしょうか。長年経験のある室長の言うことを素直に聞いていればよかったのでしょうか。


低学歴の学生でも活躍できる可能性はあるので、企業もチャンスを与えるべきというのが依然として私の持論ですが、コメント欄で「企業は学歴で採用すべきかどうか」についてみなさんのご意見をお聞きしてみたいと思っております。



人事部にいると、納得のいかない採用方法の毎日です。
・顔採用
・コネ入社
・興信所での調査
・雑談選別


このような理不尽な現状を知って頂きたいと思い、本を出版しました。電子書籍で、スマホやiPadで読むことができます。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/B00I6EMXC0/


就活に悩む学生が一般には公開されない情報を得ることで、企業に合わせた行動がとれるようになり、内定獲得に繋がることを願います。


読んでよかった
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職場の雰囲気についていけないと思ったのか。自分のことを高く評価しすぎていて、こんな仕事やってられるか!と思ったのか。

その室長の言うことは正しかったわけだ。やはり、学歴で採用不採用は決めるべき。

まさかのwwww

彼がバックレた時の宮下さんの心情を考えたら、自分のことではないのに顔を覆いたくなりました。

ただ、メリットデメリットの選択の問題だと思います。
私は、20人ほどの会社で、自分以外が高学歴という凄まじい状況の中仕事をしていますが、
やはり、高学歴に絞ってとる、というのは一理あると思います。

高学歴を獲得できたのには訳があると思いますし、確率的に無難です。
ただ、稀に、叩き上げや大器晩成型が低学歴にいることも確かだと思うので、ふるいにかけてみて、残ってきたなら、認めてあげてほしいとも思います。なにより、そういう宮下さんの感性を貫かれること自体が、宮下さんの人事マンとしてのやりがいにも寄与すると思います。

地道に働いてハッピーエンドかと思いきやまさかのどんでん返しw働きぶりには学歴だけが相関があると聞いたのですがどうなんでしょうね...?

学歴でスクリーニングして門前払いするのはその企業の自由
でも、同じFランでも十人十色ある
例えば国公立狙いだったので英数国や地歴理系は一通りかじったのにセンターでコケてダメだった学生なんて腐るほど知ってるし、私もその一人(駅弁大の理系受験で、二次はできたけどセンターで負けた)
こういう経験からするに、そのFランに推薦、特に指定校やAOで入った場合は門前払いで、一般入試や国公立併願なら20分くらいゆっくりと話しを聞いても時間の無駄にはならないと思う
逆にそういう時間をケチるならマーチ未満は全部門前払いすればいいけど、そんな方法で採用を決める会社の実力なんてタカが知れてる
実際、時価総額国内トップの某企業は、その学生に実力があればマーチはおろか駅弁大程度の実力しかない私立理系の学生でも積極的に採ってる
確かに確率論的にはスクリーニングした方が優秀な学生を採れる可能性は高くなる
でも、そういう閉塞感のある方法で企業がどこまで成長出来るのか、私には疑問

興味深く拝見させていただきました。私もやはり、コメントされている方と同意見で、学歴は重視するべきであると思います。
やはり学力試験で能力が保証されている方を採用するのが合理的だということなのでしょうね。
うちはIT企業で、私も人事経験があります。原則的に、MARCH未満ではなく日東駒専未満は採用しない方針ですが、大学時代に競技プログラミングの大会で良い成績を残した、Fラン大学生、面接のときもハキハキとしていて、志があるように思えました。その彼は、プログラミングの大会で実績も残しているし、もしかしたら…ということで、例外的に採用。しかし、仕事内容の理解が追いつかないようで、いざ仕事で大きなミスをして叱られると、不機嫌になり、理解する気があるのかは分からないですが、全く仕事をこなせないように思えましたた。残念ですが、その彼は1ヶ月もせずにすぐに退社しました。
これを機に、やはり専門知識ややる気、志を有していても、仕事内容を理解する頭がなければ、厳しいのではないかと、私も思うようになったのでした。

予想しなかった凄い展開だ……。

F欄大学に通う身としてはこの筆者みたいな方がいる事に感謝だし、凄くありがたい事だと思います。ただ室長の言う事は残念ながら正しくて、F欄大学にいるということは自分も含め皆何かしら問題があるからだと思いますし、苛烈な競争に晒されてないので根性もなく、学校に行けば学位が貰えるような有り様なのでなんの苦労もしてない。だから社会に出て少しでも辛いことがあったらすぐに挫折して辞めてしまう。なので、シグナリング理論に基づいて学歴で採用するのは残念ながら当然だと思います。
勿論F欄大学でも目を見張るような実績があるならば別ですが

学歴で採用するなら、採用担当でなくてもできると思う。担当者は、応募してきた人と話をして、一緒に働いていける人を採用する。これが力量だと思います。
登場人物の彼は、面接の巧者ですね。自分の語りに引き込まれる様子を見せる担当者…チョロかったことでしょう。
突然行方をくらまし、一切連絡を絶つ…面接前からそういう考え方をする人だったのだと思います。

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