朝、目が覚めると密室でした。

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次話: 朝、目が覚めると密室でした。 後編
これは嘘のような本当の話である。
最近、酒をのむと記憶がとんでしまう。
どうにかこうにか器用に
家まで帰ってきているのだけれど
記憶が曖昧なのである。
おそらく帰りはしっかりしているのだけれど
寝ると忘れるのかもしれない。
渡り鳥がなんとなく何万キロと飛んだり
シャケが命がけでなんとなく激流をのぼったり
それとなんとなく似ている。
人間の生き方なんて惰性だ
心臓がなぜ動くのか
なぜ受験して就職してるのか
分かったふりをしているだけで
だれもわかっちゃいない。
ただ流れるままに本能のままに生きてる。
知ったかぶりがうまいことを
世の中は大人と呼んでいる気がする
前フリが長くなったので話をもどす。
前フリが長いと趣旨がつたわらないし
基本的に嫌われる。
小学校の遠足前に長々とスピーチしている校長は
全児童の虚ろな目や疎ましげな視線の中でもスピーチをする
あのスピーチは誰に向かっているのだろう
晴天の云々、楽しく云々、学習の一環云々
児童だろうか保護者だろうか教員だろうか
いや、きっと校長自身に向けているのだろう
前フリが長くなったので話をもどす。

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