SEO内部対策のみでビッグワード1位を達成した話
新規ドメインで1年以内にビッグワードで1位を目指すことに
ウチの会社で定期的に開催しているWeb集客の勉強会。
(↑セミナー会場として利用することがある、紀尾井フォーラム)
2012年11月の出席者の中にひときわ上品そうな男性がいた。
聞くと「レンタルサロン」なる事業を始めたいとのこと、その集客をWebでやりたいということで勉強会に出席してくれたようだった。
ただ、テナントを借りてお店を持つとなると最初に結構なお金が必要になりますよね。
貸し会議室のサロン版ですね。
貸しビルのオーナーさんが借り手が居なくて困ってるんですね。そういうオーナーさんから格安でビルを借りて、貸し会議室などにするケースが流行ってるんですよ。
この人、結構経済事情に詳しいな。やり手って感じだ。
今、所有している自社ビルの数フロアをレンタルサロンに改装してビジネスを始めようと思っていまして。
え?自社ビル持ってるの?この人何者?
それで、今度ご提案をいただきたくて。
具体的には「レンタルサロン」というキーワードで検索結果1位にしたいと思っています。
ビッグワードで1位か。。
ヒアリングの過程でクライアントさんがSEO・SEMの知識を結構持っていることが発覚
ヒアリングの結果はこうだった
・2013年の春に自社ビルの改装を終えてレンタルサロンをオープンしたい
・想定稼働率や損益分岐点を考えるとオープンから半年で会員数100名を集めたい
そして
・「レンタルサロン」「シェアサロン」というビッグワードで上位表示をしたい
とくに「レンタルサロン」というワードでは1位を目指したい
この人、SEOの事結構知っているな
というのが正直な感想だった。
その上で「レンタルサロン」というビッグワードで1位という条件。
アドワーズで「レンタルサロン」というキーワードの推奨入札単価を見てみると70円ほど(2014年2月現在で118円)
競合ページ数も300万ページ以上(2014年2月現在で520万ページ)
アドワーズやYahooリスティング、SEOの外部対策や内部対策などかなりの知識を持ってるな。
当然他社にも見積もりを出しているだろうし、納得ができる提案書を作らないと
後でわかったことなのですが、このクライアントさん別事業でECサイトを運営されており
同時にAmazonと楽天にも出品していました。
そのため、ネットでのビジネスに詳しかったようです。
見積書を出すと森さんの目に「!」マークが
提案書の内容はこんな感じ
・スマートフォンの利用者が急増している
そのため、スマートフォン対応は必須だ
そこで、Googleが推奨構成としているレスポンシブWebデザインという手法で作成する
・SEO対策は継続して行わないといけない、そのため保守運用契約も同時に締結してほしい
・ブログなどの運用はクライアントさんにご協力していただく必要がある
・新規ドメイン、新規サイトということで検索結果上位表示には時間がかかるのでこの点は理解してほしい
サイト作成後4か月目からアクセス上昇、検索順位上昇する見込み
・1年以内にTVキー局に何らかの形で取り上げられるようにする
Web上に露出させることによって、番組制作会社さんの目にとまるようにいたします。
目に「!」マークが出た理由は見積金額だった
ウチはWeb制作会社としては他社に比べて金額が高い。
これにはそれなりの理由があるのだが、クライアントが”見積もり時”に気にするのは「金額」「納期」そして「品質」
Web制作会社としてはクライアントが求める「品質」を達成するための「金額」「納期」なのだが、クライアント側からは「品質」より「金額」「納期」への質問が多くを占める。
これは当然で、できてもいないWebサイトの「品質」はわからないが、「金額」や「納期」については見積もり時点で理解できるためだ。
Web制作会社はWebサイト完成時の「品質イメージ」を描いているが、このイメージをクライアントと共有するのが難しい
ここで温度差が発生する。
当社のような小さなWeb制作会社は全員技術者、やり手の営業マンのようなアプローチはできない。
このような温度差が生じた場合は徹底してデータで説明することにしている。
理詰めという手法だ。
御社の場合、新規ドメイン、新規サイト開設ということもあるのでこちらの事例同様の対策をとることでSEOの効果が見込めます。
この質問は良く受ける。
そして、受け答えに困ってしまう。
同業の事例がある場合はいいのだが、Web制作会社の場合さまざまな業種を対象に仕事を受けている
同じ業種の制作事例が無い場合も多いのが現状だ。
・・・
営業マンがいない当社はほとんどの仕事を紹介で受けている。
こちらのクライアントも別のクライアントからの紹介だ。
当社が信頼されているのではなく、別のクライアントさんの信頼の上で受注が確定した。
これもいつものパターンだった。
信用はコツコツと積み上げていくしかない。
画像素材が全くないまま制作を開始することに
それでは現時点できる作業を進めておきますね。
この時点で2013年1月。
素材が無いのはつらい。
記事はこれこれこういうルールに基づいて書いてください。
そのため、周辺地域の飲食店や施設を紹介する記事、そして、サロンが出来上がっていく過程を赤裸々に書いていただけますか。施工工程や備品やオブジェなどの選定についてです。
森さんとの距離が少し縮んだ感じがした。
納期直前まで素材がほとんど無い地獄の状況
時間の経過と共に問題が浮上した。
工事がいつまでたっても開始されないのだ。
Webサイトの設計は完了してブログの細かいコンセプトも確定している。
工事が始まらなければ次のステップに進めない。
検索エンジンにバレると、検索順位の下落などのペナルティを受けるので、当面は内部対策のみで進めたいと思います。外部対策をするにしても意図的なリンク設置はおこないません。
どうやら森さんは多少工事の日程がずれこんでもいざとなれば外部対策をして即効性のあるSEOをすればいいと考えられていたようだった。
ウチの説明不足もあったのだろう。
せっかく縮んだクライアントとの距離がまた少し開いてしまった。
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