メンヘラ目線の「いい精神科医」

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私は今まで「ドクターショッピング」を繰り返し、10人の精神科医のお世話になった経験があります。

その経験から、私目線の「いい精神科医」を紹介します。


◎落ち着いて会話ができる

これは、時間的な面でも雰囲気的な面でも一番重要なことだと思います。

1時間待って3分診察なんて、正直論外です。

「精神」というと堅苦しいので言い換えて、「心」という目に見えないものを

治療してもらうわけです。

外科だったら目で見たりレントゲンを撮ったり、手術したりする。

内科だったら聴診器をあてたり血液検査をする・・

不調をきたしている部分をハダカにする方法が「科」によって違っていて

精神科では、会話が大きな役割を持つと私は思っています。

(心理検査の結果や甲状腺に関わる数値、血圧等、目安になる数値はあるようですが。)


“あの人の悲しみは60、この人の悲しみは30”というような絶対的な比較ができないように

「心」の状態は目には見えないし、絶対的な数値で表すことはできません。

でも、医師にどういう状態で困っているかを知ってもらわなければ

適切な処置をしてもらうことはできません。

だから、自分の言葉を使って症状を伝える必要があります。

その手段が会話です。



◎質問に対して的確に答えてくれる

例えば、薬のこと。

「なにか副作用はありますか?」という質問に対して

『副作用?無いと思うから大丈夫』と答える医師と

『眠くなるとかだるくなるとかかなー。あるとすれば。少ない量で始めてるから無いと思うけど』

と答える医師がいました。

どちらも“副作用は無いだろう”という点は共通です。

前者の医師は、不安を持たせないように配慮してくれたのかもしれません。

しかし、「なにか副作用はありますか?」という私の質問に的確に答えてくれたのは後者の医師です。


◎自分の中で大切なことを話したタイミングで手が動く

「手」というのはカルテの記録のことです。

カルテは紙媒体の場合も電子媒体の場合もありますが、それは私にとって重要ではなく

そこに内容が記録されるタイミングが重要でした。

(中身が重要なのは言うまでもありませんが、中身までは見えない場合が多いので)


一生懸命話しても、ほとんど何も書かずに毎回同じ薬を出す医師には

診察に通う意味があるのかな?と思ってしまっていました。

「いい先生」は、目を合わせて会話をしながら要所要所で手を動かし

私の言葉を記録してくれました。

もちろんそれを別の診察時に振り返って見ていることもありました。


そんなの当たり前でしょ!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが

ほとんど記録しない医師も、つらつらとみみずのような文字を並べるだけの医師も実際にいたんです。



◎すぐに病名をつけない、すぐに薬を出したりすぐ増やしたりしない

※これは特に、病状によることだと思います。


ある先生がこんなことを言ってくれました。

『重要なのは病名じゃなくて、どういう症状があるか』

『これをどうしていくかってなるんだけど、どうしてそうなったのかって話になるんだよね』


それまでかかっていた医師の多くが

病名→薬

というスタンスだったので私には“目からウロコ”でした。


また、私が薬に対して抵抗があることやその理由を話したせいかもしれませんが

いわゆる「西洋薬」は最低限にしてカウンセリングや漢方を活用して治療を進めてくれる

医師もいました。

私が「もう少し夜よく眠れるようになりたい」と生活リズムやその時々の体の状態、心の状態を

含めて話したところ

『睡眠薬は増やさない』と言われたことがありました。

その時の私の問題は「不安」からくる精神的な不安定さでした。

眠れない時は睡眠薬、ではなく、眠れなくなっている原因は何か、それを改善するためにできる

生活のアドバイス、必要に応じてそれをサポートする薬を出してくれました。

少し具体的に書くと

私の問題は、起きていると不安になってしまうからと早めに寝てしまい、

夜中や明け方に目が覚めてしまうことでした。


まだ外が暗いうちに目が覚めてしまうことにより“今日もまた眠れなかった”と思ってしまう

→夕方暗くなってくると“今日は眠れるかな”と不安になる

→不安な時間が辛くてまた早く寝てしまう

という悪循環に陥っていました。

よく眠れるようにと、昼間散歩をする、夕飯は軽めにする、寝る1時間前には入浴を済ませる、

夜は液晶を見るのを控える等、自分でできることは実践していました。

ところが、「いい先生」は一言

『いいじゃん、ゲームでもしてれば。まぁゲーム勧める医者もどうかと思うけど!』

と、さらっと言いました。

そして、頓服の抗不安薬を処方されました。

不安で辛くなってしまう時には薬を使いながら、ネットやゲームをしたり音楽を聴いたりして

少しずつ寝る時間を遅くできるようになったら、夜中や明け方に目が覚めてしまう日は減りました。

それが“眠れないんじゃないか”という「不安」を取り除いてくれたようで

頓服薬を飲む頻度も減ってきています。


もちろん、これだけでは根本にある「心」の症状がなくなったわけではないので、

それはカウンセリング等で和らげていっています。



◎手元に薬の辞典がある

直前に書いたことと矛盾するような感じもする話ですし、たまたまかもしれませんが

私の回復がぐっと進んだ3人の医師に共通していたことです。

「いい先生」は診察時、薬の辞典を私からよく見えるところに置いていました。

本の正式な名称は分かりませんが、同じものでした。

毎年発行されているものなのか、数年に一度発行されているものなのか分かりませんが

西暦が書かれており、2013年版は水色だったと思います。

診察中に、それを見せて説明をしてくれた医師もいました。


薬のことが頭に入っていない医師なんて恐ろしい!と思う方もいらっしゃるかもしれませんが

物凄い数が存在し、新たな薬も開発され続けているので

それを取り入れようとしてくれる医師の方が私は信頼できました。

飲むタイミングや副作用まで全部把握できている医師がいたら、

それはそれで怖いな、と思ったりもします。




◎泣ける

医師からしたら迷惑なだけだと思いますが、

ここまで書いてきたような「いい先生」の診察中は、泣いてしまうことも少なくありませんでした。

わんわん泣くのではなく、話しながら、もしくは話を聞きながら涙が流れてしまうんです。

その時はいっぱいいっぱいでなんの余裕もありませんが、終わって落ち着いてから

話せてよかった、聞いてよかったと思ったり、この先生のこと信頼できるなと思ったりしました。


“この先生のこと信頼できるな”と思えることが、なにより大切なことだと思います。

ここまで書いてきたことと重複しますが「心」という目に見えないもの、

それも病んだ状態のものをハダカにして、治していくためです。


病気を治すのは自分で、医師はそれを助けてくれる存在だけれど医師の影響はとても大きいです。

私は、うっかり医師に寄りかかりすぎて

『医者が柱になっちゃったらダメだよ。医者はあくまで大工』

と言われたことがあったほどです。




このストーリーを読んでくださった方の中には、「心」の治療の真っ只中の方、

「心」がお疲れの方がいらっしゃるかもしれません。

そういう方に対して、こういう医師がいい!なんて主張するつもりは全くありません。

医師と患者と言っても、人間同士。好みや相性があると思うからです。


ただ、精神科やメンヘラの実例を発信してみたくて書きました。


弱っている方、闘っている方、またはそれを支えている方、どうか無理の無いよう、

お大事になさってください。










読んでよかった
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◎手元に薬の辞典がある
ある心理学のコラムにも、しったかぶる医師より、確実に正確に判断するために、手元に本をおいて確認する医師の方が信頼していい医師、って書いてありました。
信頼できる医師を探す大きなポイントだと思います。

Hr Atsukさんご意見ありがとうございます。
メモを書いて診察に行くと、書いている段階でも自分の頭の中や
症状を認識し直せますし、医師に伝えもらしてしまうことが減るので
良いですよね。
わたしの場合はメモを少しずつ書き溜めておいて、行く前に整理する程度で
レポートやカルテのようにまとまっていないことがほとんどですが、
日によって体調は変わりますし、医師を説き伏せようと思っている
わけではないので、そんな程度でいいかなと思っています。

自分の思いを一意見として認めてくれた上で、医師自身の見解や意見も
一意見として提示して、選択権を与えてくれる医師も「いい先生」だと
思います。

会話はどれだけ相手のことを思えるかが大切なんですね。

そうですねー。
そして、そのまま伝える、そのまま受け取るというのも
大切かなーと思っています。

川畑さん、コメントありがとうございました。

私の選んだ先生はまさにここに書かれているような人で、ドクターショッピングしなくてもすんだのは奇跡的でした。不幸中の幸い。だからといって、すぐ治るわけじゃありませんが、安心して診療に通えます。

平野さんコメントありがとうございます。
お大事になさってくださいね。

いい医師が自分次第でもありますが、安心して診察したいです。

医師と患者も人間同士なので相性もありますよね。
コメントありがとうございました。

石原さんコメントありがとうございます。
信頼できる主治医に感謝しつつ、自分自身も要所要所で
原典にあたるということを今後も大切にしていきたいと思います。

私自身も心療内科や精神科受診してましたし、今でもお薬は頂いています。
社会人となった娘が同じ先生にかかっているのですが、どうにも改善されなくて、色々検索してここに辿り着きました。いわゆる「介護鬱」なのです。
介護福祉士として働いている娘が「こわいこわい」と泣いている。
私の鬱経験とは違うし、先生が嫌な訳じゃない。これからを模索中ですが、大変勉強になりました。

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