うつ positive. ④ 思うがままに過ごしてみたら…

マニュアル通り過ごす生活、というものが私にはハードルが高く再び引きこもってしまった。


外に出れない、というか 出たくない。

人に会えない、というか 会いたくない。

何かをしたい、というか 何も出来ない。


あまりにも無気力すぎて不甲斐なくて、ただただ一日の大半を泣いて過ごしていた。

去年の秋に産まれた姪と同じくらい、よく泣く。ならば、いっそ赤ちゃん返りしてみるか。


0歳児から人生をやり直そう


今日から私は0歳児だ、今日から人生が始まるんだ、と思いっきり泣く。
そして翌日、或いは翌々日には1歳児になって少し喋ったり、転んでもいいから少しは歩く。そしてまた3日後くらいには2歳児になって、ちょっとした主張をしたり。そうやって少しずつ成長し直して現在の年齢に近づくように出来ることをやってみる。子供の頃にやっておけば良かったと思っていた事をやってみる。
長年、実家住まいで掃除以外の家事など殆どしなかったのに、すっかり掃除や洗濯、苦手だった料理までこなすようになった。無気力だった日々に少しだけやる気が出た。

出来ないことを許そう


今まで出来たことが出来なくなった。例えば、買い物をするときに商品の合計が計算出来なくて所持金が足りないとか、時間が読めなくて病院の予約時間に遅れたり、毎日利用していた駅で迷子になり1時間も池袋ダンジョンから抜け出せなかったり。これらの度に泣きそうになって、いや実際に泣いてパニックになったのだが、深呼吸して落ち着いた一瞬のつきをついて
出来なくてもいいんだ!!
と強く心の中で言う。
そう、まだリスタートして間もない私は子供なんだから仕方ない。それに料理も出来るようになったし、かぎ編みだって出来るようになったじゃない。代償ですよ、代償。

かぎ編みを始めてみた


リビングでふと目に入ったかぎ編み棒と毛糸。母が趣味で作っているエコタワシの材料に手を伸ばし、やり方を教わって編み始めてみた。手芸をやるなんて15年ぶり、かぎ編みは人生初。
編むことに集中している間はネガティブな気持ちがなくなっていた。
色彩感覚やセンスはもともと無いので、出来上がった最初の作品はサイケデリックな鍋敷きである。

子供の頃の思い出の場所に行こう


ちょうど季節は桜が満開。
短時間なら電車に乗れるし、大きな駅でなければ迷子にもならない。子供の頃、何度か行った石神井公園へ桜を見に行こうと思った。
池の周りに桜がたくさん咲いていて綺麗だった記憶がある。少し気分も華やぐかな、と期待してカメラを握りしめて向かった。しかし、人の記憶というのは時間とともに美化されるとは言ったもので、期待していたほど桜の木がなく、公園もなんだか寂しい雰囲気で、しまいには雹に打たれるという、ちょっと残念な1日になってしまった。
けれど「行きたい」と思える場所があったこと、それが何よりの収穫だったかもしれない。

マニュアル通りに生活しても改善されない、と思って自分の判断で違う方法を試すのはかなりリスクが高いので、必ず医師やカウンセラーとこまめに相談しながら日々の過ごし方を見つけてください。

私はそれをしなかったので、心の振り子が壁にぶつかったときに苦しむことに…。

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