【投稿テスト】シミ。

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プロローグ





『ユキは浮気されたらどうする?別れる?』



…別れる、簡単に。

そう答えていた。


幸せだった頃の


傷を負った事のない


自分は。


01出会い。


『あ、ねぇ!…前会ったよね……?』



いとこと二人で来たカラオケの駐車場。

深夜1時。



ナンパにしてはあまりにもベタな台詞だな…と思いながら

私、ユキは『たぶん違います。』と答えた。


いとこは

『ナンパですか。』

と、面白そうに笑っていた。


彼らは二人組で、いとこの台詞に一瞬硬直したものの、すぐに答えた。


『ナンパ……?

いや、まじで会った事あるよ!ちょっと俺の顔見て!』


そう言われ、チラッと彼の顔を見ると

確かに見覚えがある……。


『会った事ある……かも……。』


私は、思った事をそのまま口に出してしまっていた。


『ほら、ナンパとか失礼な!

でも、どこだっけ?』


確かに見覚えはあるものの私も思い出せず

そのままいとこ達も交えてしばらくああでもない、こうでもないと話して


それから全く違う話題に変わったりと何故か話は盛り上がり、気付いたら朝方になっていた。



正直、この夜の会話は楽しかった。

不思議な程に会話が弾んだし、よく笑った。


結局、その場では以前どこで会ったのかは解らないままだったけれど

朝方、解散の流れになった時

また話したいな……と、考えている自分がいた。


そんな時。


『ねえ、これはナンパだと思われても仕方ないセリフかもしれないんだけどさ……。


また話しない?電話番号聞いたら怒る?』


と、彼が言った。



彼を見ると

正直、見た目は軽そうな印象があったのに、その目には少し緊張の色がうかがえて

不覚にも、少し可愛い…と思ってしまい

私は


『いいよ』


と、答えた。


すると彼の目の色がパッと明るくなり


『まじで!うわ……、良かった!

なら近々ご飯誘うね!』


と、本当に嬉しそうに言うので


私もまた話したいと思ってる…って事はあえて表情には出さず


『おいしいモノお願いします。』


と、冗談っぽく返事をして、解散した。




2003年8月中旬

運命の出会いだった。


……色んな意味で。





それから3日程経ったある日。

初めてメールが来た。



……ちなみに

まだ名前すら聞いていなかったので、私は携帯に

“ナンパ”

と登録しており


【メール受信:ナンパ】


と表示された時はさすがに笑った。


内容は


【覚えてる?よね?今日暇ならご飯行かない?】


というシンプルなものだった。

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