母から与えられた課題、女として、母として、一人の人間として

 70歳を過ぎて、それまでの生活とは全く違う生活を選ばなければならなくなった母は、夢を失い、失望し、私に聞いた。「これからの残りの人生をどう生きていったらいいのか教えてちょうだい。」明るく私たちを育ててくれた母のその言葉に、私は絶句した。答えてあげられるものが、なにもみつからなかったのである。そのあと、渡米した私のもとに、母の病気の知らせが届いた。

私はあの時、母を助ける力がなかった自分自身を恥じた。その頃の私は自分自身も迷いの人生にいた。文化の違う夫との考え方の相違、仕事、勉強、子育ての悩み、などなど、いろんな問題を抱えていて、その自分自身への答えもみつからないでいたからだ。

あれから、時がたち、私はもがきながらも、なんとか自分の足で立ち上がり、そして、まだたどたどしいが、少しずつ歩き始めている。自分の残りの人生をどう生きていこうかといつもいつも考えることをあきらめないで、目を背けたり、気を紛らわしたりしないように気を付けている。そして、常に学んでいる。その少しでも、前に進もうとする情熱こそが、生きている証ではないかとおもう。

母は私にあの時、課題をくれたのだと思う。怠け者だった私が、愛する母を精神的に支えられなかった自分のだらしなさに気が付いた時から、人生が変わった。100%で生きることを始めた。

これからは、いきることを見失った人たちの少しでも役に立てたら、小さなきずきを与えられたら、それが、私のこれからの課題なのである。お母さん(星さん、母の名前はそらの星です。)、やっぱりあなたにはいつもかないません。病気になってまで、私に教えてくれています。めそめそしないで頑張って生きていくことをあなたにちかいます。ありがとう。愛をこめて。



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