"ばあさん" のタグがついたストーリー

貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第31回)

『まいくばあの日記』 まいくばあは昔から断続的に何種類かの日記をつけている。あるものは日記というよりは金銭出納帳、いや小遣い帳か。家計簿的なものではなく金額とともに自分的感想を書き連ねてある。「二百円。橋で拾う。通りかかったやすしに百円やった」、「五百円○○さんに返す。ありがたかった」とか(五十年以上前の大昔のこと)。若い頃から書いていてたまに昔のものを見返すらしい。 先日我が家に来てそんな話になっ
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第30回)

『弁当』 結婚する前、妻がまいくばあにこう言った。「毎朝弁当作るの大変で・・」 まいくばあは言った。「よっしゃ、わしが作ってやるよ」 それからというもの毎日毎日卵焼きだけ。ごはん&卵焼きオンリー! 一ヶ月で妻は音を上げた。「おかあさん、もういらん!」 「ほっぺたにそうじ機」 まいくばあはいつでも一生懸命ゆえに、孫と遊ぶときでも想定外のことをすることがある。 初孫である僕の長女Yちゃんが小さい頃、数時
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第28回)

『オープンすぎるぜ!(二)泊まってけ、のりさん』 まるで元祖裸族が如く、まいくばあの家は昔からあけっぴろげで風呂のあとはパンツ一丁で家中歩くようなそんな家族なのだ。その中で育ってきた僕にとってそれは日常の光景だったが、客人が来るときくらいは、ふつうはねぇ・・・ が、僕が卒業後地元のスーパーの入社テストを受けてその結果を知らせに常務殿が来てくれた時も、さらに、結婚する前に妻を初めて家に連れてきた時だっ
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第20回)

『米とフンドシ』  昭和二十年代の終戦直後、およそ六十年くらい昔の話。 きょうびでは終戦ってなに?と聞かれそうですが、太平洋戦争(一九四一年~一九四五年・昭和十六年~二十年)が終わったころ、そんな古い時代のことであります。 当時米は配給制でありました。戦後の動乱期は米不足で、買うには米穀通帳という身分証明書になるようなものが必要なくらい貴重品だったのです。 さて、まいくばあがまだ十六、七の頃でしょう
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第19回)

『作文』 まいくばあは十九才で僕を生んだ。今でいうヤンママというやつか。 本人が「わしはあたまはペケじゃ」というほどだから頭脳明晰には遠いのだが、けっこうな教育ママ(ママ?いちばん似合わん言葉ですな)で、小学一、二年の頃は先生との毎日の通信を熱心に書いていた。「家ではこんなふうに過ごしています」、「こんな勉強をさせています」みたいな。 さらになぜかPTAの役員もしていて、和服を着て他校の視察などに行
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第18回)

『パンパンの顔』 昭和四十年代、自動毛糸編み機が流行ったころのこと。 朝起きると母の顔がパンパンにふくらんでいる。腫れている。小学生の僕が、「どしたん?」と聞けば、「徹夜でセーター編んだ」 編み機は顔を下に向けて作業する。各色の糸を変えながら、手でジャージャーとハンドルを左右に動かして編んでいく機械だが、母は一晩中下を向いて一生懸命編んだよう  29 だった。 パンパンの顔で、「ほれ、あんたのや」と
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第14回)

『残酷&ワイルド』 まいくばあが昔、大きなムカデに噛まれてそいつを捕まえた。 火箸でつかんで外に持っていって、なんやら「こいつめ!」とか言いながらブッチブッチとしている。 長女Yちゃんが「ばあちゃん、何してるん?」と聞いた。 まいくばあは答えた。「こいつめ、切り刻まんとダメなんじゃ」 見れば小さい包丁で切り刻んでいる。ムカデはとてもタフな生き物だが、さすがに切り刻まれれば万事休す。 害虫とはいえ、ま
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第12回)

『葬式』 まいくばあはたいへん義理堅い。受けたご恩は決して忘れない。人に何かをしたり、あげたりするのは大好きなのだが自分がお世話になるのはどうも心地が悪いらしい。義理人間にとっては、それを果たすために見えない道を突っ走ることも多い。 ある葬式へ行った。地方新聞に訃報が出ていたらしく僕に電話してきた。 「あのね、○○さんが亡くなったらしい。名前調べてみたらうちの父ちゃんの葬式に来てくれていたようじゃ。
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第7回)

『へそ臭い』 まいくばあは孫にもひ孫にも人気がある。 別段、孫だからといって猫かわいがりをすることなどまったくないのだが、初孫である僕の長女ユウちゃんとは腐れ縁のようで、その不良時代からいつも一緒にいるような関係だった。今では長女もすっかり悪行?から足を洗って、すてきな旦那様と二人の可愛い女の子を持つお母さんとなって京都で暮らしています。 さて、長女が高校を中退してまいくばあとホテルの清掃係の仕事を
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第4回)

『着たきりスズメ』   僕はほとんど着たきりスズメというやつで、夏はTシャツと半ズボンが三枚ずつ、冬はフリースの長袖Tシャツとダウンジャケットと防寒ズボンが三枚ずつ。それを毎日着替えるだけ。たんすなどない。プラスチックの衣装ケースひとつに入る。仕事する時も、寝る時もほとんど変わりはない。寝るときはパジャマのズボンだけ履き替えて上はフリースのまま。朝起きてズボンだけを着替え、上はダウンジャケットをはお
前沢 しんじ
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