"高齢者" のタグがついたストーリー

貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第50回)

記念の連載第50回! 『まいくばあの遺伝子を継ぐものたち(三) 方向音痴』 僕はひどい方向音痴で、いつでもどこへ行っても迷う。 奈良公園に歩きに行った時には公園を出て帰るつもりが、山へ山へと入っていって危うく遭難するところだった。妻に助けてもらったが、「公園で遭難」というウソみたいなことが僕ならじゅうぶんありうる。(妻はどうせ迷うだろうとにやにやしながら見ていたらしい) これは母親ゆずりの強烈な遺伝
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第49回)

『まいくばあの遺伝子を継ぐものたち(二) 笑いがやってくる』 不謹慎極まりなく顰蹙を買うこと間違いない話につき、次へ飛んでいただいてもかまいませぬ。失礼を承知で、書かずにはおれませぬ。 うちの家系は笑い上戸です。少しでもおかしなことがあると、たとえ法事に参列していても誰かがクスクスとする。するともう止まらない。 みんな肩が震えてくる。泣いているのでなく笑いをこらえている。まったく非常識極まりない連中
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第48回)

『まいくばあの遺伝子を継ぐものたち(一) ヘンなやつら』 平成二十三年九月四日、和歌山県南部大水害。 当日朝六時ごろ市内放送で「熊野川堤防から水が越え始めました。至急二階か、高いところへ避難してください」と避難指示が何回もくり返して流された。 前夜のうちに僕の家より海抜が高いまいくばあの家に避難していたのだが、放送を聞いて至急車で市内の一番高い丘に逃げたのだ。                    
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第47回)

第5章〔家族編〕 まいくばあの遺伝子を継ぐものたち この章では、まいくばあの強烈な遺伝子を受け継ぐ面々の、少々浮世ばなれしているかも、という話をお送りします。われわれみたいな間抜けな人間でも無事に暮らしているのですから、この国ではそれなりに一生懸命やっていれば結構生きていけます。 家族の中でも、初孫である長女Yちゃんは特にその遺伝子を色濃く受け継いでおり、骨格、性格、行動、生き方、考え方、そしてその
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第46回)

『まいくばあ語録』(3) ■「今度隣の○○さん所へ《大工》が入るらしいよ」(実はバイク) 隣の家の若主人が、「前沢さん、こんどバイク来るんで(買ったので)ちょっとうるさいかも知れません。すみませんけど」とあいさつしてくれた。それを大工と聞いた。  ・・・たぶんそりゃハーレーだ。びっくりするかもね。              ■まいくばあは最近足が痛い。病院が遠いのでうちの奥さんに車に乗せてもらった。
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第45回)

『まいくばあ語録』(2) ■「寿司食いに行くか」と誘えば、                       「背が低いからテーブルが苦しい。よそで食べてもうまない(うまくない)。行かん」   ・・・そんな理由かい! ■温泉に誘えば「あんな暑苦しいもの好かん」  旅行どうだ?と誘えば「テレビであちこち見る」   ・・・でも一理ある。  ■電話をかけてきた。「あれ、声が小さいぞ。もしもーし」と言って怒ってい
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第44回)

第4章 〔語録編〕  つい言ったぁー 前章のドタバタの口直しに(ならないか)ばかばかしい語録をお届けします。 まいくばあは別段「おもろいこと言ってやろ」と思っているわけじゃありません。つい言ったー、まさにTwitter、ことばが笑いと驚きを与えてくれます。 上質な品性を感じさせてくれる巧まざるユーモアとは似ても似つかず、こちらは動物的本能的なにおいが噴出しております。 それではヤツの言動の一端をごら
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第43回)

『○○のアニィ』この章のあとがきにかえて この本は我が母まいくばあの自由に生きるさまを通じて、人生は「おカネはなくても老後は楽園」になるということと、「愉快に生きるコツ」を知っていただければと思って書いたものです。 本章「騒動編」は母・父そして僕のおマヌケ三人組がくり広げるドタバタ劇を活写しましたが、父については「悪いヒトではないがナマケモノでパッとしない人」という感想を抱かれるかも知れません。いや
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第42回)

二~三時間はじゅうぶんに経過した頃でしょうか。それは神仏のお導きか、たしかに川のちょうど真ん中あたりに小ぶりの岩がある。祠こそなけれどなんだか神々しい雰囲気の岩であります。見ればなんと穴あきの石がいくつもお供えしてある。 うわさどおりの耳島様がそこに鎮座しておられたのです。 (前回ここまで) (今回ここから) 三人は歓喜勇躍。 「着いた着いた、これじゃこれじゃ!ここじゃったー!ここなのじゃー!」ひと
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第41回)

そのつるっとした形状は川原にて何万年も磨かれ続けた銘石の風情。よし、これだと見つけてきた母親の愛情ってやつでございます。  (今回ここから) 母は老婆に言われたようにその石の中心に五寸くぎで丸くこするように穴を開けはじめた。木ではなく石ですから、それは固い。ハンパではない。厚さ一センチ以上ある石に穴を手彫りする。今では街なかで石を拾うなどできませんからその形や硬さなど想像できないでしょうな。しかし母
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第40回)

『耳島さま物語』 このお話しは先の騒動記とは異なり、詩情豊かな農村の「少年耳を病む」の一席。しかしやはりお馴染み三人組が動けばその道中はお間抜けの顛末となる。題を「耳島さま物語」と銘してお届けします。 はるか昔、僕が小学三年生のころの、十才手前でしょうか。まさしく「シゲマサ騒動」「ブラジル騒動」と時を同じくします。 考えてみればいつもまいくばあはパワフルでした。シゲマサ改名一直線→頓挫、ブラジル移住
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第39回)

相方の方は「こんどはぶらじるかよ」と冗談ではないぞという面持ち。今回は、名前を変えた、いや変えられたときのような「かかあが言うから」では済まされません。なんせ「日本を捨てる」のだから。 (今回ここから) 自由気まま、辛抱性のない人間にとてもそんな海外渡航などできるわけがない。どうしたものかなあこの一直線ヤロウを、と思ったかどうかは不明ですが、 「おれはやっぱり、ぶらじるはいやじゃぁ」と、この時は乗り
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第38回)

『ブラジル騒動記』 「シゲマサ騒動」に続いてそのころ勃発したのが「ブラジル騒動」でございます。 相も変わらぬ夫の行動、つまりすぐ仕事をやめる、酒に逃げる、甲斐性がない、などの行いに業を煮やしたまいくばあが、次に取った手段は・・・ なんと「ブラジルへ移住しよう!」でございました。国を変えりゃ、この人は立派な人になる!と思ったのでしょう。大胆も大胆、なんせひとつのことを念じると突っ走るイノシシのようなも
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第37回)

お礼を申し上げ、幾ばくかの謝礼を払って帰途につく頃にはまいくばあの心は晴ればれ。 「よしよし。明日から、いやたった今からあんたはシゲマサじゃ!」と相方に何度も繰り返すまいくばあ。相方のほうは反応に困ったような複雑な顔だったような気が・・ (本日ここから) さて、家に帰って母が行ったことは、まず手当り次第あらゆるものに新しい名前を書きつけ、縫い付けていくことでした。何もそこまでというくらい、シャツや下
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第36回)

そこで考えた。「そーだ、名前が悪いんだ。名前を変えよう!」 自分のでなく、相方の名前を変えることを思いついた。思いつかれた方にすればとんだメイワクであります。 (今回ここから) 捜したのであります、姓名判断してくれるその道のプロを。人伝にたどり着いたのがバスで一時間と少しの小さな町。そこにとてもよく観る霊媒師的なおばあさんがいらっしゃる。今で言うすぴりちゅあるなお人。なんせひと昔を十年と数えればイツ
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第35回)

第3章〔騒動編〕 おかしな三つの物語 世の中にマヌケな人間は多けれど、 まいくばあを筆頭とする前沢家の面々はじゅうぶんに その有資格者、いや有段者、いや師範代?かも知れませんぞ。 マヌケなヤツらのすることは当然のごとく間が抜けた顛末となるもの。 ここに書き出したる騒動三題は、 古き良き時代のニッポンを彷彿とさせて(させないか) 家族愛に満ちた(愛なのかな?)物語となっております。 人様から見れば「お
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第34回)

『実母の祈り』この章のあとがきにかえて まいくばあが産まれてすぐ養女に出されたのは先に書いた通りだが、やはり実の母の我が子を差し出す苦しみは推して余りある。 実の父の弟、つまり叔父さんのところへ養女に出されたのだが同じ村の中。おさな子は成長する過程でもらわれ子であることを知るだろうが、母にしてみれば、ふだんから村の中で見かけるだけに胸が痛んだことだろう。 そのころからまいくばあは実父母のことを「本家
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第33回)

『まいくさんがくれたもの』 この章では、裸やら麻雀やらブルーフィルムやら、ヤツの独走ぶりを書いてきましたが、少しは良いことも書かなけりゃ、というかそれを書かなきゃただのアホ家族の話にすぎず、この本を書いた意味がありません。 さて、その天衣無縫ぶりはともかく、母は「自より他」の人です。自分のことはほっといてあらゆる人の幸せを願う。いつもそれだけを祈っています。 熱心な仏教徒で「自分はどうなってもいいで
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第32回)

『貧乏神』 この本では「お金がなくても老後は楽園だ」ということを言おうとしています。 それはわが母、まいくばあが体現しているからであります。                                        養女に出された先はお金に不自由しない家でしたが、若気の至りか十九才で結婚して、それも相方が二十二才で遊び人ではないが、とりたててしっかりした人物でもなかったゆえ、どうもそのころからあ
前沢 しんじ
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貧乏こそ神 我が母まいくばあの話(第31回)

『まいくばあの日記』 まいくばあは昔から断続的に何種類かの日記をつけている。あるものは日記というよりは金銭出納帳、いや小遣い帳か。家計簿的なものではなく金額とともに自分的感想を書き連ねてある。「二百円。橋で拾う。通りかかったやすしに百円やった」、「五百円○○さんに返す。ありがたかった」とか(五十年以上前の大昔のこと)。若い頃から書いていてたまに昔のものを見返すらしい。 先日我が家に来てそんな話になっ
前沢 しんじ
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