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日本初で最大級の同人作品DL販売サービス『DLsite』成長の裏と次なる一手

著者: 株式会社エイシス

株式会社エイシスが運営する、マンガやゲーム、ボイスドラマなど多彩なジャンルの作品を60万点以上を取り揃える二次元コンテンツダウンロード販売のECサービス『DLsite』。サービス開始以来右肩上がりで成長を続けるサービスの裏側と今後の展望について、マーケティング部ゼネラルマネージャー谷島貴弘に話を聞きました。



-『DLsite』とはどんなものなのでしょうか?-


『DLsite』は日本で初めて同人作品のダウンロード販売を行ったECサービスです。同人作品とは同じ趣味を持つ人が集まって製作した漫画、イラスト集、ゲーム、音声作品など、プロアマ問わず製作されたインディーズの作品です。驚かれる方もいらっしゃるかと思いますが、『DLsite』の歴史は古く、サービス開始はもう26年も前のことになります。クリエイターさんたちが自分の好きな作品を作り、その作品をユーザーさんが求めて双方が出会う場所としてスタートし、本質は変わらずにこれまで続いてきております。


私はそんな『DLsite』を独立しているプラットフォームだと思っています。世の中の多くのコンテンツはgoogleやAmazonなど別のサービスに依存したり、左右されたりすることがある中、『DLsite』は独自でかつシンプルな構造でこれまで続いてきている。これが大きな特徴だと思います。





-谷島さんがサービスに魅力を感じているところは?-


私はこれまでマーケターとしてBtoBの業界に身を置いてきまして、毎回どうやって他社と差別化をするのか、強力なプロダクトを持つ強みということを常々考えておりました。そんな時に代表の明石から声をかけていただき、エイシスに入社したのが2年前です。私は転職を決める前にサービス内容や市場などを徹底的に調査・考察するのですが、そこでとても面白いことに色々と気がついたのです。


例えば、『DLsite』をマーケティングの基本である4P分析に当てはめてみましょう。


まず「Product」。

日本初の同人作品のダウンロード販売を行ったECサービスであり、同人作品を中心に60万点以上を取り揃える日本最大級という存在。これがすでに唯一無二に近い、強力な「Product」でありました。


一般の市場にはなかなか流通していない同人作品をこれだけ取り揃えて販売しているため競合が少なく、「Price」は価格競争をしなくても良い。さらに「Place」もダウンロード販売なので、リアル店舗を構えず、在庫を抱えるリスクを負うこともない。といった具合で「Product」「Price」「Place」の3つはすでに理想に近い形でクリアしていたのです。マーケターとして私からするとものすごく魅力的でした。なので、このサービスを伸ばすのはしっかりとした「Promotion」だけで、これに注力すればさらにサービスを伸ばせると思い、入社し、現在に至っております。




-入社されて想像の通りに会社は成長していったのですか?-


私がジョインして最初に行ったことが、広告配信の見直しでした。それは、私より前に入社していた広告担当も当時同じように考えていたのですが、リターゲティング広告の予算を削減し、新規ユーザー獲得に大きく舵を取る、ということでした。ただ、月次で数千万円の予算をリターゲティング広告に投下していたので、反動を考えるとどれだけ削減するか決めかねていたので、私の方で全部止めて新規ユーザー獲得に振り切ろうと判断をし、実行しました。もちろんリスクも伴う大きな方向転換でしたが、広告担当も代理店さんもスピーディーに対応してくれました。


これが功を奏し、近年の急激な売り上げ増につながりました。あまりにも急増だったため、前期の広告予算は広告予算の回収率等を考慮して設定し、OKRの目標値を定めたのですが、期が変わったばかりの2日目で代表の明石と「年間の目標達成できてしまうので上げますかね?」と話し、上方修正をする決断をすぐできたくらいの伸びでした。結果、売上高は100億を超えてもなお成長し続け、直近の25期は131%成長の118億円、翌26期は136%成長の161億円となり、毎年更新しております。

もちろんこれには、多くのクリエイターさんやユーザーさんがサイトを楽しんでくれていたという証拠でもあると思っております。




これまで以上に大きく広告予算を伸ばした前期ですが、すでにその広告予算は新規ユーザーの売上で回収できている状況です。なので、その分はクーポンやキャンペーンの予算に回せたりするので、クリエイターさんやユーザーさんが更に楽しんでもらえるように、マーケティング予算の活用を色々と考え、実施しております。



-クリエイター、ユーザーに楽しんでもらう、ですか?-


そうですね、楽しんでもらうということでいえば、例えば、会員様にメルマガを配信しているのですが、クーポンの割引率を30%など高くしてメルマガを配信してもあまり効率が良くないということがありました。なので、ちょっと面白いタイトルにして、画像も遊んでみたら?とデザイナーもアサインし、メンバーらと話してみました。



当時、2019年5月は平成から令和に変わるタイミングだったので、ユーザーさんと一緒に新元号を楽しみたいという想いからダジャレで“れいわ”の 18%オフにしてみました。すると驚くほどメルマガの開封率も上がり、過去最高の売り上げを達成することができたのです。


その後も調子に乗って父の日には88%(パパ)オフなんかもやりました。ただ全員88%オフをしてしまうと完全に赤字になってしまうので、未購入のユーザーさん限定で88%オフ、購入経験のあるユーザーさんには88%で購入できる12%にしました。そうするとSNS上で「88%オフクーポン来た!」、「自分は12%オフだった」などと単純なクーポン配布が面白コンテンツ化して話題となりました。こちらも4日間で最高の売り上げを達成することができました。




 単にお知らせをするだけでなく、ユーザーさんにいかに楽しんでもらえるか?そんなメルマガを目指して、メンバーたちの熱意も高まっています。もう今では私に確認どころか相談にも来なくなりました(苦笑)。メンバーたちそれぞれが真面目に楽しみながら業務にあたってくれているおかげで、メルマガ開封率は高い水準を維持していますし、効果も上がってきているので、私も信頼して任せており、配信後にSNSでユーザーさんの反応で確認する、といったのが私のルーティンになっています。「DLsiteのメルマガがキレを増してる」なんてSNSで投稿されるほどなので、楽しんでいただけているようで嬉しいです。



-メンバーもチームとして楽しみながら仕事をしているのですね。そんな『DLsite』、エイシスの今後の展望は?-


メルマガだけでなく、広告チームや分析担当も自走し、効果が出ているので、こちらもチームメンバーに任せています。なので、私自身は今後の方針や戦略を決めることに専念できるようになってきています。


そのうちの1つとして、今後はクリエイターさんが更に売り上げを伸ばす、たくさんのユーザーさんから反響がより多くもらえる作品づくりに協力できるよう、情報提供をしたいと思っております。そのためには商品開発、作品開発といったこれまで実践できていなかったレベルの分析が必要になってきています。


前述のとおり、「Promotion」に力を入れておりますので、ユーザーさんはもっと増えます。増えるということはその分趣味趣向が広がるということです。クリエイターさんも作品も今まで以上にサイトに集めていかないといけない。ただ、じゃあ何が売れるの?どうしたら反響が上がるの?という壁に今後必ず突き当たってしまいます。何がウケているのか、今後何がウケるのか、そういった趣味趣向の領域までの分析を深堀し、クリエイターのみなさんに開示できるようにしていきたいと考えています。


おかげさまでエイシスは『DLsite』サービス開始以来ずっと右肩上がりで成長を続けられてきております。この成長は、25年以上かけて蓄積されてきたクリエイターさんの熱い想いが詰まった作品の数々や、真剣にユーザーさんクリエイターさんを想ってサービス運営をずっと続けてきたメンバーが築いてきた賜物です。『DLsite』が常に成長しつづける、その裏側には沢山の想いの蓄積があります。

弊社エイシスは、コンテンツを生み出すクリエイターさん、そして応援してくださるユーザーさんにとって最高の楽しみ方を常に提供していきたい、そんな想いを持っています。


常に最高の形のサービスを提供するために、やりたいことは沢山あります。しかしエイシスは『DLsite』だけでなく、コンテンツの制作や「ZOWA」等他のサービス運営もしております。




さらに、我々が対象としている二次元コンテンツ市場は、同人業界はもちろん、出版業界、ゲーム業界、アニメ業界、音楽ソフト業界と多岐に渡っております。そして総売り上げは5兆7000億以上と非常に巨大で、まだまだ事業を拡大させる伸びしろが多くあると思っております。





その中で、2021年3月には『Clock over ORQUESTA』という豪華な声優陣とクリエイターさんらが集結する「SNS連動型キャラクターソングプロジェクト」を始動させます。12人の主人公たちの戦いを描いていくストーリーですが、誰が勝利するのかをユーザーさんにSNSなどで投票をしてもらい、結果によりその勝敗や物語がリアルタイムで変化していくといった新感覚プロジェクトです。SNS、公式HP、CD、ボイスドラマ、漫画、様々なメディアで展開していきますので、新鮮な気持ちで楽しんでいただけるものだと思っておりますし、我々にとっても新たな分野での挑戦にもなります。


公式サイト:https://clockoverorquesta.com


エイシスでは、こうした新たに成長させるべきコンテンツやサービスが多く控えておりますが、その1つ1つを現在のメンバーだけで見ている状況です。私たちが想い描くジグソーパズルをより大きくしていくためには、マーケターはじめ、ブランディング・プランナー、リサーチャー、アナリストといった様々な経験を有した新しい仲間が必要です。そういった仲間が加わることで、サービスや会社の成長はさらに加速できると思っています。


今後も、クリエイターさん、ユーザーさんらと楽しみながら、新たな仲間と共に売上高500億、700億、1000億円目指して邁進していきます。



【会社概要】

会社名 :株式会社エイシス

コーポレートサイト:https://www.eisys.co.jp/

所在地 :〒101-0022 東京都千代田区神田練塀町300住友不動産秋葉原駅前ビル12階

代表者 :代表取締役社長 明石耕作

事業内容 :インターネット関連事業




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