アドウェイズ社長交代、その理由と今後の展望
株式会社アドウェイズは、2021年2月16日開催の取締役会において、取締役会の任意の諮問機関である指名・報酬委員会の答申を受け、下記のとおり代表取締役の異動等について決議いたしました。
2021年6月下旬開催予定の当社第21期定時株主総会で、岡村陽久の取締役選任する議案及び当社定款第22条(代表取締役及び役付取締役)第2項に「取締役会決議により取締役会長1名を定める」ことを追加する議案が承認された場合に、同日開催予定の取締役会で新役職が正式に承認される予定です。
決議の内容
代表取締役 社長 山田 翔(やまだ しょう) (現・取締役 新規領域担当)
取締役 会長 岡村陽久(おかむら はるひさ)(現・代表取締役 社長)
就任予定日:2021年7月1日
2001年のアドウェイズ設立から社長を務めてきた岡村陽久が、なぜそのバトンを山田に引き渡すのか。異動の理由、山田が引き受けた思い、今後の岡村の会社への関わり方、そしてアドウェイズが次に目指していくフィールドなど、そのいきさつを岡村陽久、山田翔の対談にてお伝えします。
異動の理由について
岡村:2021年6月の株主総会と取締役会での決議をもって、アドウェイズの社長が僕からやましょーへ交代することになる予定です。この突然のお知らせに、驚かれた株主様・取引先の方もいるかもしれませんし、アドウェイズは今後どのような経営体制になるのか気になる方もいるかもしれません。ですので今回はこの場をお借りして、どのような経緯で社長交代を進めるに至ったのか、私から理由を説明したいと思います。
山田:はい。よろしくお願いします。
岡村:話を始める前に、そもそも最初に皆さんにお伝えしておきたいのですが、私は社長から会長に就任をするからといって、決して引退をするわけではありません。“会長に就任する”と言うと、隠居をすると思われるかも知れませんが、これまで通り仕事は続けていきます。そこは、安心してください。
山田:一見、アドウェイズから岡村さんが離れると思われそうですもんね。
岡村:そこだけはきちんと伝えた上で、社長交代をするに至った理由について話をしていきたいと思います。
山田:はい。
岡村:理由としては大きくひとつ。アドウェイズの経営理念は「人儲け」、そして大事にしている価値観を表しているスローガンは「なにこれ すげー こんなのはじめて」です。
この二つの言葉を今後も形にし続けて、世の中に新たな価値を提供していくには、自分よりもやましょーの方が非常に適任だと思いまして。
やましょーは会社全体の事業戦略を決めて、大きな目標に向かって、今までにない柔軟な発想で価値を提供していくことが得意。よって、やましょーが社長になる。アドウェイズがこれからもっと成長していく上では、この判断が一番必要だと思ったんです。
アドウェイズの社長になることは一切思っていなかった
山田:そういえば岡村さんは、どれくらい前から社長交代を考えていたんですか?
岡村:3年くらい前からかな。言葉に出していなかったけれど、自分の中ではやましょーには自然に伝わっていると思っていて。結果、伝わってはいなかったんだけど。
山田:全く伝わってなかったですね(笑)。その時期は社長に就任することは全く想定をしていなかったし、そして社長になりたいとも考えていませんでした。また子会社(UNICORN株式会社)の社長もやっているため、立ち上げ当初のその頃は、結果を出すために注力をしていた時期で……。
でもそういえば、当時ある事件が起きましたよね。
岡村:“天井突き破れちゃった事件”だ。
山田:そうです。2017年、僕が執行役員の時でした。日増しに会社全体の方向性や事業戦略を示していく必要があるなかで、岡村さんへの比重が大きくなっていて。
それである時、客観的に見ると、岡村さんは孤独なのではないかと感じたんです。自分も含めて各取締役・執行役員は、担当している領域に対しては責任を持って経営・事業推進をしているけれど、会社全体を見て、考えて動いている人は岡村さんしかいないのではないかと。
以前に比べて会社の規模も大きくなり、市場も変化をしていく中で、パートナーがいない状態は誰だってキツい。それはもちろん、会社の成長にも繋がらない。このままでは岡村さん自身の天井が突き破れてしまうかもしれないと思い、直接話をすることにしたんです。
岡村さんの天井を突き上げ続ける人間ではなくて、これからは一緒に考えていくパートナーになりたいと思う。他の役員がどう感じるかはわからないし、立場も違うけれど、岡村さんもパートナーがいる方が、会社の経営がよりうまくいくのではないか、といった話をしたんですね。そしたら岡村さんが……
岡村:いやいや、天井なんか壊れちゃったよ!
山田:と言ったんですよ。だから天井を高くして、一緒に作っていこうとなりました。
岡村:あの時は本当に大変だった。まあ、一番いろいろ突っ込んで意見をしていたのはやましょーなんだけどね。
山田:あれ、そうでしたっけ(笑)。でもそのきっかけで、僕は会社のことを改めてきちんと、自分ごととして深く考えるようになり、アドウェイズを岡村さんと一緒に成長させていくことに決めたんです。元々UNICORNもアドウェイズの次の柱を作るために起こした事業でしたが、さらにグループ全体として、大きく成長させていかなければならないとも思いました。
社長交代のタイミング
山田:今年はアドウェイズの20周年、そして昨年末の東証一部への市場変更など、いろいろなイベントが重なっているため、社長交代もこれに合わせたと思われるかもしれませんが、本当にたまたまだったんですよね。
岡村:そう。やましょーの実力を社員のみんなが理解してくれるタイミングで社長を交代しようと思っていました。やましょーが打ち出した経営方針「人と機械の共生」に沿って動きだした事業も結果が出てきたし、UNICORNも成長して組織としても強くなっている。要するに、やましょーに心の余裕が多少でき、社長業の方に集中できるタイミングが来たんじゃないかなと。
山田:1年くらい前、具体的な時期は言われていませんでしたが、“そのつもり”でやってみてよと急に言われたんですよね。「え? 僕がやるんですか? 本当に? 岡村さんはどうするんですか?」とびっくりしました。
ただ、言われたからにはとりあえずその気持ちでは頑張るけど、僕もやるかやらないかは早めに結論づけたいなと思っていましたね。
岡村:確かにびっくりしてたし、やりたくないとも言ってたよね。
山田:はい。個人的な感情ではやりたくないなと。岡村さんが作った会社なんだから! と思っていました(笑)。その時は、もっとUNICORNを大きくしていく必要があると考えていたし、アドウェイズ本社の社長になることは、全く想像していなかったので。
ただ、そんな自分の個人的な感情を差し置いて俯瞰して考えたとき、誰が会社を引っ張っていけるのかと考えた時に、自分だったらやれるんじゃないかなという気もしていたんです。あとは求められたステージで、全力のパフォーマンスを出すだけなのかな、と。
そして、岡村さんが役員たちに「やましょーに社長を交代しようと思っているんだけど、どう思う」と聞いてくれて。意外とみんな、二つ返事で「良いかもね」と言ってくれた。これは僕としてはとても大きかったことで、みんなが期待してくれるなら、最大限応えたいと感じたんです。
岡村陽久、そしてアドウェイズの次なるフィールド
山田:他に気になることとしては、今後の体制だと思います。
岡村:そうだね。最初に言った通り、私はアドウェイズから引退をしないので、これまで通りに仕事を進めます。管理の仕事だったり、会社機能を担保するような人事、関連会社の運営、やましょーのサポートなど、そういった部分でアドウェイズに携わって行く予定です。
山田:岡村さんの業務に関しては、何も変わりはありませんよね。株主様とのコミュニケーションや、株主総会での発表なども、岡村さんに引き続き担当してもらいます。
岡村:はい。実は一年前から、交代後を見据えた体制で仕事を行っていましたからね。また、やましょーが社長になることにより、アドウェイズのカラーがガラッと変わるんじゃないかという印象があるかもしれません。ただこれも2年前くらいから準備をしていて、経営の仕方をすでに変化させてきています。
これまで以上に企業の存在意義を見つめ直し、赤字事業を整えて、もう一度事業の価値に向き合って勝負をしようと切り替えた。新しい価値観を持ったやましょーが率先して行ってきたことのひとつです。
山田:はい、その頃はあくまでも岡村さんのパートナーとして経営をしていたつもりでしたけど。
岡村:そうだね。まあ実のところ私自身も、事業において“価値”が大事であり、提供をしたいと昔から心の奥底では思っていて。でもついつい、短期的な目線で経営をしてしまう……。これは癖なんだよね。利益や価値も求めたいし、全体のバランスも整えたい。
簡単に言うと、やりたいことが多かった。それゆえ長期戦になればなるほど、効果を発揮できなくなっていく。それに比べてやましょーは“価値ファースト”。顧客に対してどういう価値を提供するかを一番大事に思っていて。
山田:単純に好き嫌いはありますからね。岡村さんはわかりやすく目標を見据えて、全力でまっすぐ突き進むことが好きなタイプ。
岡村:そうなんです。アドウェイズが今後どのように変わらなくてはならないかを考えたとき、やはり“価値ファースト”になっていく必要があると思っていて。価値を作った上で、会社全体の事業戦略を決めて、それに向かってきちんと進んでいく。
だからやましょーが上に立てば、自分が本来作りたかった価値を提供する会社、そして経営理念である「人儲け」、スローガンである「なにこれ すげー こんなのはじめて」が大きく実現できるということに繋がります。
ですので、私はアドウェイズを諦めたわけではなく、引退するわけでもなく、会社の設立当初から掲げていた目標を実現するためにベストな決断をしたまでなんです。
山田:はい。
岡村:今回の決断をどう受け止めるかは人それぞれかも知れません。ですが、私も他の役員も、やましょーも、「人儲け」や「なにこれ すげー こんなのはじめて」をさらに多く実現できると思って、とても前向きです。
もちろん、やましょーには不得意なところもある。それは私が今まで以上にサポートをしていきますし、取引先の皆様に対しても、ご理解・ご協力をお願いしたいと思います。これまで以上に価値を提供してまいりますし、ステークホルダーの皆様と共に新しいアドウェイズを歩んでまいります。
山田:最後にひとつ、この場を借りてお伝えしたいことがあります。僕はアドウェイズに新卒で入社をしたのですが、役員になりたい、社長になりたいと考えて入社をしたわけではありません。自分の会社をもっとよくできないか、もっとこうあるべき、という思いを、常に大事にしてきたんです。
今回の話も、自分がアドウェイズの社長になりたいという一心で引き受けたのではなくて、もっと良い会社にしていきたいと思っているから引き受けました。「良い会社だな」とアドウェイズの社員みんなに思ってもらいたいし、働いている社員も、現実や枠組みなどに対して諦めるのではなく、叶えていきたい思いを心に強く持って、実現していってほしいとも思います。
そして、新卒で入った会社でも東証一部上場企業の社長になれるという事実もある。ぜひ、励みになれば嬉しいなと思います。
そして皆様、今後ともアドウェイズグループをよろしくお願いいたします。
岡村:これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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