女子高校生の私が「女性起業家」を増やしたいと考えた4つの理由
みなさん、こんにちは。「令和志塾」代表の西田将浩と申します。
私は19歳から約20年間、「高校生への進路指導とはどうあるべきか」を問い続け、探究と実践を行って参りました。これまで高校生のキャリア教育にまつわるあらゆる教育プログラムを高校の課外授業に組み込んで頂き、継続的に実践して参りました。
活動の一つに、提携先の高等学校で、放課後希望者に集まってもらい、授業を行うもの(OCES 寺子屋事業)があります。少人数を対象として、建設的にプログラムを提供し、一人の生徒の発達成長に寄り添うことを目的とした事業です。2018年7月に福岡県立香椎高校での導入を皮切りに、同年9月に北九州市の自由ヶ丘高校(私立)で開講。2021年7月、福岡市の博多高校(私立)で3校目を開講。2021年度中にカナダ オンタリオのフォードアカデミー(中高一貫・私立)で4校目の開講を予定しています。
これまで、寺子屋事業では多くの高校生を対象とし、社会課題を解決する人材の発掘・育成を行って参りました。そして多くの塾生と触れ合い、塾生たちの自ら学びを求め、課題の探求や解決のためのアイデアを創出する姿に大変刺激を受け、この度、2021年秋、寺子屋事業のオンライン版「令和志塾」をスタートすることを決意しました。
ここでは私がどのような高校生達と出会い、刺激を受け、「令和志塾」スタートを決意するに至ったのか。そのきっかけとなった一人の高校生をご紹介したく思います。
ジェンダー問題と向き合い、行動する一人の女子高校生
『女性起業家を増やしたいんです。』令和志塾(一般社団法人 進路指導・キャリア教育支援機構)の塾生、福原学園自由ヶ丘高等学校(北九州市八幡西区)3年の上甲真里花は、落ち着いた表情で語る。単なる思いつきの発言ではない、彼女にとって真剣に「ジェンダー」という問題に向き合った上での最善の結論である。
彼女(以下、上甲)はこの想いを実現するために、2021年7月10日には全国の高校生、大学生、主婦を対象に起業の方法を考えるイベントを予定している。高校生でありながら、同世代の高校生のみならず、大学生、主婦までをターゲットにしているあたりに本気度が伺える。なぜ上甲はここまで本気でジェンダー問題に向き合い、行動をするのか。その背景を探っていきたい。
社会課題の解決に向けたプログラムを実践する高校生達と西田
「女の子は大学に行かなくても良い」。え、なぜ?
かつて一斉を風靡した宇宙のテーマパーク「スペースワールド」(2017年に閉業)からほど近いところに位置する北九州市八幡西区で上甲は育った。上甲が「ジェンダー問題」に向き合うに至った原体験は高校1年生の夏頃、登校中の電車内での出来事だった。
上甲が席に座って英単語を覚えていると、隣に女性が座ってきた。
自然と声をかけられ、話の流れの中で将来のことについて聞かれた。
上甲は「まだ、考えていないが、大学には行きたい。」となんとなしに答えた。
すると、その女性から「女の子は、大学に行かなくても良い。 高校を卒業したら働いた方がいい。」という趣旨のことを言われた。
上甲は、その時なんとも言い表せないような気持ちなった。そして、何故、「女の子だから大学には行かなくても良い」と言われなければならないのか、頭の中は疑問でいっぱいになり、そして僅かに悲しさと、怒りの気持ちがあった。言われる前の上甲は、ジェンダー問題については 知ってはいたが、あまり問題視をしていなかった。他の人からすると、些細な一瞬の出来事かもしれない。ただ、上甲にとっては心にズシンと響き、忘れられない出来事となった。
「女性起業家」を増やしたいと思うに至った4つの理由
上甲はこの電車内での出来事を契機として「ジェンダーに問題意識を持とう」と思い、探求を深めていくこととなった。そして、上甲にとって忘れられない出来事から2年の月日が流れ、上甲はある想いを抱くことになった。
「女性起業家を増やしたい」。
上甲は、この2年、ジェンダー問題について様々なことを探求し、学んだ。
その結果、「女性起業家」を増やしたいと思うに至った理由は大きく4つある。
社会課題を自分ごととし真剣にディスカッションを重ねる高校生達
①:日本のジェンダー問題を解決する糸口となる
「Gender Gap Report 2020」より、日本は153 カ国中121位 G7 の中では、最下位
この結果は 4つの分野からなっている ( 経済・政治・教育・健康 )。その中で、特に、経済分野の評価が低く115 位である。
②:日本の女性の管理職を増やすことができる
役職別管理職に占める女性割合の推移は、 ( 企業規模 100 人以上 ) ・課長級以上 7.5%・部長級 5.1%・課長級 8.5% ・ 係長級 15.4%となっている。
その主な理由は下記。
・採用時点で女性が少ない
・女性の多くが役職者になる前に退職する
・能力の要件を満たしても、女性本人が希望しない
管理職の話がきたら、女性はまず、できるかできないかを考え、出来ないと思ったら断る傾向にある。一方男性は、とりあえずやってみる傾向にある。
会社の社長が男性の場合、女性はやる気がないとみなされ、男性を管理職につける。
会社の社長が女性の場合、同性の立場から考えことができるため、同じ立場から説得をしたり、女性が働きやすい職場を作ることができる。
つまり、女性がトップに立てば、働いている女性が管理職につきやすくなる。
③:女性の就業を増やせる
平成 25 年の女性雇用者数は2,406万人。雇用者総数に占める女性の割合は 43.3%。 女性の年齢階級別就業率は M 字カーブを描いている。そこで就業率と潜在的労働力率の差は大きく、就業を希望する女性の数は315 万人いる。
④:政治の分野にも、影響を及ぼすことができる
以下はその一例。
女性起業家が増える
↓
政治は経営者の意見が反映されやすいため、女性経営者が増えれば政治に影響を与えられる
↓
女性の活躍のための政策が増える(または、中身が濃くなり良いものとなる )
↓
子供たち(女の子)の進路選択の幅が広がる
↓
女性が活躍する社会となる
地元の女性政治家の話に真剣に耳を傾ける上甲
フィールドワークに出かけ、足を使って学びを深める高校生達
今できるアクションを行う。将来のために。
上甲は高校3年生。これから「女性」として、多くの出会いや学び、経験があるだろう。それにより、今抱える想いやビジョン、志は更に磨きがかかるだろう。もしかしたら、大きく方向転換をするかもしれない。しかし、上甲が属する「OCES 寺子屋事業」を運営するOCES理事(兼 令和志塾代表)西田将浩は言う。
「これから上甲さんの志が変わっていくことはむしろ歓迎すべきです。それはすなわち彼女の成長なのだから。夢は何度でも描きなおして良い。それが我々が生徒たちの未来のためにつくるべき社会であると思っています。」
女性起業家育成のための上甲のプロセス案(写真の書記担当は別の生徒)
上甲は2021年7月10日、志を果たすために「高校生である今」その第一歩を踏み出し、ワークショップ開催を決意した。
以下概要。
■セミナー概要
日時:2021年7月10日(土)13:00〜
場所:ZOOM
(お申し込みいただいた方に、ZOOMのURLなどの情報をメールでお送りいたします。)
参加対象者:起業に興味がある主婦 / 高校生・大学生
起業家の講話:村上宏子氏(Complex Concierge 株式会社 代表取締役社長)
■プログラム内容
1、起業における不安解消のためのワークショップ
2、起業の成功談を聞き、自分自身の起業方法を考えるワークショップ
■参加費
高校生:無料
大学生:1,000円
大人:2,000円
■お申込
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSe7ffXnXONnPqH50uTue1v32un0N788nSOfUY7_0X8VBIE2zQ/viewform
高校生が志を育む学び舎、令和志塾とは
上甲がジェンダー問題を探求し、深めるに至った思考の成熟に欠かすことの出来ない場あった。
現代の志士を発掘育成し、高校生が志を育む学び舎「OCES 寺子屋事業」(後の「令和志塾」)だ。上甲は、高校の課外授業の一貫として寺子屋に参加。週に一度、寺子屋が提供する社会問題探求プログラムを受講する中で、同年代の仲間たちそれぞれの成長途上の志を聞き、意見を交えることで自身のジェンダー問題に関する志も磨いてきた。
上甲は言う。
「私は、このプログラムに参加することで自分の興味がある探求を、自分一人で探求する以上のことが出来ました。今回の女性起業家の育成ワークショップも、考えついたとしても、実行には移せませんでした。自分自身がやりたい・探求したいと思っても一人だと限界がありますが、この寺子屋(後の令和志塾)でジェンダーに関するたくさんの方々とお話する機会があったり、大会に出るときも、大人の方のアドバイスをもらったりしました。また、ジェンダー以外のことも、同時に学ぶことが出来ました。ビジネスについて、ワークショップの企画について、インタビューの仕方についてなどです。だからこそ、私は後輩の子達にも是非、プログラムを体験して、様々な社会問題を探求することで、自身の志を発見するきっかけにしてもらいたいと思います。」
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プログラムにて探求した内容を発表する高校生達
令和志塾とは?
・Mission
令和志塾は、高校生が志を育む学び舎です。未来の社会問題を解決する人材を、発掘育成するために、高校生向けのプログラムを提供しています。塾生一人ひとりが真に自分に合った進路選択、職業選択できる状態を目指します
・Program
高校生が社会問題を解決する
当塾のプログラムでは、高校生が社会問題を探求し、課題の特定から解決策の策定、さらにはアクションまでを行います。このプロセスを通して、志を醸成します。
・Curriculum
学習の先端研究機関と共同開発した独自のカリキュラムです。Problem-Based LearningやLearning Through Discussionほか、複数の学習メソッドを組み合わせることで、生徒のマインドとスキルを多角的に養成します。
・Coordinator
専門のコーディネーターが、塾生の探求活動を支援します。また、キャリアカウンセリングやコーチングなど、塾生の課題にあったサポートを行います。
・Social
地域や大学、民間企業や官公庁といった実社会と交流します。自分たちのアイデアをプレゼンテーションする機会、トップランナーへのインタビューを行う機会があります。
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