4月から成年年齢が20歳から18歳に!想定されるトラブルとは?~「弁護士ナビシリーズ」に掲載している弁護士に聞いてみた~
アシロでは、「アシロに関わる人を誰よりも深く幸せにすることで、よりよい社会の実現に貢献する」という企業理念のもと、法律問題にお悩みを抱える方と弁護士の最適なマッチングを図るリーガルメディア「弁護士ナビシリーズ」を主要事業として運営しており、2021年7月20日にマザーズ市場に新規上場を果たしました。
今回は、「弁護士ナビシリーズ」の一つである「離婚弁護士ナビ」に掲載している法律事務所エムグレンの武藏元(むさしはじめ)弁護士に、約140年ぶりに成年の定義が変更されることにより、何が変わってどのような影響がもたらされるのか、また何が出来るようになり、何が引き続き出来ないのかについてお話を伺いました。
■成年に達すると急増する相談件数
成年に達すると親の同意がなくても自分で契約ができるようになりますが、契約の知識や経験が少ないため、消費者トラブルに遭いやすくなることが容易に想定されます。
法律事務所エムグレンの武藏弁護士によると、
「成年の定義が18歳に引き下げられることにより、一人で契約を締結することができるようになります。そのため、18歳で携帯電話を契約する、ローンを組む、クレジットカードをつくる、一人暮らしの部屋を借りるなどができることとなります。このように早い時期から自立した大人として社会経済活動に参加できる一方、若年者の社会的経験の乏しさに付け込んだ契約をめぐるトラブルが増えることが予想されます。成年の定義を20歳とする現時点においても、未成年者をめぐる数多くのトラブルが存在します。国民生活センターなどによるトラブルの報告件数は、18歳~22歳までの年齢の契約当事者は多くはないものの、20歳を超えると相談数が急増するという特徴があります。また悪徳業者が20歳の誕生日の翌日を狙って取引を持ち掛ける事例も多く見られます」
とのことで、成年年齢が引き下げられることでより一層注意が必要になることが分かります。
■想定されるトラブルとは?
成年の定義が18歳に引き下げられることで、具体的にどのようなトラブルが増加すると想定されるのでしょうか?
武藏弁護士は、
「若年層に多く見られるトラブルはインターネット通販、マルチ商法、情報商材、学生ローン・クレジットカード契約、また最近多いのは暗号資産関係のトラブルです。特に注意が必要なのは、高校3年生で18歳となる点であり、高校内で被害が連鎖して広がる点にあります。現行法においては、特定商取引法によるクーリングオフ、消費者契約法により契約の無効・取消しなどにより、契約をした者の保護を図ることは可能ですが、現状の制度では不十分でしょう。そのため、むやみに契約を行わないことが一番の対策と考えられますが、若年者の社会的経験の乏しさに付け込んで取引等が行われないよう、取引の類型や若年者の特性に応じて事業者に重い説明義務を課したり、若年者の社会的経験の乏しさによる判断能力の不足に乗じて取引が行われた場合には、契約を取り消すことができるなどの法改正が待たれるところです」
と話します。
また、18歳と20歳で出来ることを整理すると、以下のようになります。
■養育費と成年年齢の関係性
成年年齢の引き下げにより、意外なところにも影響が出てくるかもしれません。例えば、既に離婚して養育費を受け取っている方やこれから離婚を考えている方にとって、成年年齢の引き下げと養育費の関係について関心のある方が多いのではないでしょうか。
武藏弁護士によると、
「離婚に際して、未成年の子供がいる場合、父母の一方を親権者に指定しなければなりません(民法819条第1項)。親権の中には監護権も含まれる(民法820条)ため、監護を行うためには子供のための経済的負担も含まれます。そのため、養育費の支払いは、親権に服する18歳までなのではないかという発想が当然に出てくるところです。しかし、養育費は子供が「未成熟子」である間は支払う義務を負っています。「未成熟子」とは「未成年」とは異なり、身体的・精神的・経済的に成熟の過程にあるため第三者による扶養を受ける必要がある子を指します。具体的に何歳と決まっている訳ではありませんが、実際の裁判では20歳とされることがほとんどです。そのため、子供を取り巻く社会的環境に大きく変化がない限りは、現状の20歳までという養育費の支払い時期の終期に変化はないと考えられます。ただし、法改正以前に養育費の取り決めをしており「成年に達する月まで」と定めていた場合には、問題となる可能性があります。この点、取り決めがなされた時点では「成年」は20歳までなのですから、20歳まで支払い義務を負うとするのが自然ですが、不毛な争いをなるべくなくすように、今後は明確に何歳まで養育費を支払うかを明記した方が紛争防止の観点からは望ましいです」
とのことでした。養育費についてお悩みの方は「離婚弁護士ナビ」を活用して弁護士に相談してみてください!
■離婚問題の解決を手助けする「離婚弁護士ナビ」とは?
離婚弁護士ナビは、離婚問題の解決を得意とする弁護士とユーザーの架け橋となる、国内最大級の法律相談サイトです。離婚調停や親権問題、財産分与など、さまざまな離婚問題に対応する弁護士を探して電話・メールで相談が可能。東京/大阪/福岡など全国に対応し、土日/祝日/夜間対応の弁護士も掲載しています。
サイトURL:https://ricon-pro.com/
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■法律事務所エムグレン 概要
・代表者:武藏元(むさしはじめ)
・所在地:東京都渋谷区円山町6-7 アムフラット1階
・経歴:
1999年3月慶應義塾大学経済学部卒業
2010年3月中央大学法科大学院卒業
2010年 10月 司法試験合格
2011年 12月 最高裁判所司法研修所修了(第64期司法修習生)
東京弁護士会弁護士登録、東京ブライト法律事務所入所
2014年 4月 法律事務所エムグレン設立
<メディア露出実績>
2014年 5月【イケメン弁護士に聞いてみようシリーズ】
第1回「恋人との口げんかで名誉と心を傷つけられたら訴えることはできるの?」(Pouch)
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第2回「SNS上で他人の悪口を書くとどうなるの?」(Pouch)
2016年 7月TBS 実録!犯罪列島2016 / 12月 TBS 実録!犯罪列島2016
2017年 4月TBS 実録!犯罪列島2017 / 12月 TBS 実録!犯罪列島2017
2018年 7月TBS 実録!犯罪列島2018 / 12月 TBS 実録!犯罪列島2018
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