「沖ノ鳥島フォーラム2022」オンライン開催始まる
資源に恵まれた ❝最重要の島❞ を知る絶好の機会を提供
東京都が平成18年から毎年実施してきた「沖ノ鳥島フォーラム」が本年も3月24日(金)までの期間、オンライン配信により開催されている。16回目を迎える今回は、長年にわたるフォ^ラムの歩みを振り返り、これまでの取り組みによる成果をまとめて紹介する充実した内容となっている。
国土面積を上回る広大な排他的経済水域
沖縄とグァム島の中間に位置する日本最南端の島・沖ノ鳥島は、日本の国土面積を上回る約40万平方キロメートルにも及ぶ広大な排他的経済水域を有している。さらに豊富な漁業資源や貴重な鉱物資源にも恵まれており、国土保全という観点からもわが国にとってはきわめて重要な島である。
東京都は国とも連携しながら、主に水産資源の利活用推進に向けて漁業調査や浮漁礁による漁場開発などの事業を進めてきた。「沖ノ鳥島フォーラム」もその一環として企画・運営され、同島の重要性を一人でも多くの都民、国民に知ってもらうことを目的にさまざまな啓発活動を展開してきた。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、昨年からはオンラインでの開催となったが、それ以前は毎年欠かさず応募する熱心な参加者も多く、なかなか深く知るチャンスのない沖ノ鳥島の実態に触れる機会を提供するイベントとして好評を博している。
フォーラムのプログラムとしては、専門家の講演や調査報告だけでなく、沖ノ鳥島周辺海域の海洋観測調査に参加した大島海洋国際高校の生徒による調査結果の発表や、島周辺で獲れた魚の試食会なども含むバラエティに富んだ構成で沖ノ鳥島への認知・理解の促進に貢献してきた。
また一方で、かつて水産庁で漁港部長を務めた坂井溢郎さん、喜和子さん夫妻が沖ノ鳥島の保全・開発に役立ててほしいと1億円もの私財を都に寄付し、これをもとに島の現状を紹介する映像作品が制作され現在も公開されている。こうした都の取り組みを支援していこうという輪の広がりもフォーラムをはじめとする広報活動を後押ししてきた。
高いポテンシャルを有する島のさらなる活用へ
今回のフォーラムのプログラムは、これまっでの都の活動を総括し取り組み全体を俯瞰的に学べるコンテンツにより好悪性されている。
東京大学の茅根創教授による「東京都沖ノ鳥島フォーラムの14年」では、サンゴ礁の研究を軸とするフォーラムでの取り組みをたどり、中部大学・加々美康彦教授の「国際社会の中の沖ノ鳥島ーこれまで・これからー」国際法上の沖ノ鳥島の位置付けについて詳しく解説している。
また、東京都によるフォーラムの歩みを紹介する動画、および沖ノ鳥島をめぐる都の活動をトータルに紹介する動画に加え、東京都の漁業調査指導船による沖ノ鳥島調査を記録した動画も用意されている。
いずれも、沖ノ鳥島についての予備知識がなくても容易に理解でき、中学生や高校生でも親しめる内容となっている。
フォーラムの運営に携わってきた東京都産業労働局農林水産部水産課では、今後も調査船等による調査活動を継続していく予定だが「沖ノ鳥島フォーラム」については今回をもって一旦終了となる。これまでの取り組みの成果は国境離島を扱う部署が新設された総務局に移管し、より総合的な視点で沖ノ鳥島をめぐる諸課題に引き続き対応していく。
沖ノ鳥島は、資源の有効活用という観点からきわめて高いポテンシャルを有している。東京都ではその可能性を引き出し持続的な利用を図る事業に今後も取り組んでいく意向だ。
令和4年3月23日
「沖ノ鳥島フォーラム2022」事務局
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