母乳育児中のママパパの生活をもっとフレキシブルに。授乳室や授乳環境をもっとやさしい場所にするピジョン×Trimの取り組み
「授乳室があっても授乳がしにくい」「パパと赤ちゃんが2人で出かけたとき、授乳はどこですればいい?」「さく乳だけでも使える授乳室があるといいのに…」
こうした「困った」は、育児中のママパパのお出かけハードルを上げる原因になります。
このようなリアルなママパパたちの声を受けて、ピジョン株式会社では設置型ベビーケアルーム「mamaro ™」(ママロ)を展開するTrim株式会社とタッグを組み、外出時の授乳やさく乳のよりよい環境づくりをする新たな試みを行いました。取り組みをすることに至った経緯や2社の想いについて、ピジョン株式会社の池谷さんとTrim株式会社の齋藤さんにお話をお聞きしました。
◆さく乳の日にちなんだユーザーキャンペーンが本取り組みのきっかけ
―今回の取り組みを行うことになった経緯についてお話ください。
池谷:ピジョンでは、3月9日を「さく乳の日」とし、毎年何かしらのキャンペーンを行っています。これまでは母乳育児に関するキャンペーンを行ってきたのですが、今年はもう少し範囲を広げ、育児生活全般で「もっと世の中がこうなったらいいのにな」と思うアイデアを寄せてもらうキャンペーンを企画しました。すると、思った以上に「授乳室」に関するご意見が多く寄せられたんです。
―どのようなご要望がありましたか?
池谷:「授乳室には授乳クッションがないので、うまく授乳ができない」「外出先の授乳は不安定な場所で赤ちゃんを支えるため、手が痛くなってしまう」というお声が多く、それ以外にも「外出時にさく乳できる場所があるべきではないか」というお声もあり、「ただ、授乳室があるだけではダメなんだ」という気づきを受けました。
この実態が母乳育児中のママたちの行動を制限するものになるのではないか、と思いまして、何かピジョンとして小さなことからでも取り組めないかと検討していたとき、偶然Trimの齋藤さんにお会いする機会を得て、ご一緒することになったんです。
―設置型ベビーケアルーム「 mamaro ™」(ママロ)を展開しているTrimさんとしては、今回のピジョンのキャンペーンでの調査結果をどのように受け止めていらっしゃるのでしょうか。
齋藤:ママロはご両親、祖父母にもお使いいただける授乳室として展開しておりまして、ママだけでなく、パパもSNSやブログで授乳室に関するご意見も書いてくださっているのを見ていたため、ニーズは理解していました。ただ、我々から特別働きかけができていたわけではないので、今回ピジョンさんとご一緒できて良かったなと思っています。
◆設置施設の協力も得て、設置型ベビーケアルーム「mamaro ™」(ママロ)に声を反映
―取り組みはどのような流れで進めていったのでしょうか。
池谷:3月上旬にキャンペーンを開始し、まずはママやパパの声を1ヵ月ほど募集しました。キャンペーン終了後、コメントやお声を1件ずつ全て拝見し、気になったお声やピジョンが協力できそうなアイデアをピックアップしました。
その直後に偶然Trimさんとお会いすることができたので、即コンタクトを取り、7月にはまずは賛同いただいた4施設で今回の施策を開始しました。そんなに急がなくてもよかったかもしれませんが、8月1日が「世界母乳の日」ということもあり、できればその前にこのアイデアをくれた皆さんにお返しをしたくて頑張った、という理由もありました。
―展開するにあたって何か苦労した点はありましたか?
池谷:まずキャンペーンを企画した際に、どんなアイデアをいただけるかわからなかったので、少しでも実現できるアイデアがあるかな、とちょっとした賭けでした。また、全くアイデアが来なかったらどうしようと心配性の私は企画段階から不安でもありました。
幸いにもアイデアは230件以上集まりました。それを1件ずつ拝見し、できることを検討していくのは嬉しくもありながら、少しだけ大変でした。でも皆さんのアイデアを拝見することは楽しかった気持ちの方がずっと大きかったですね。
―2社の役割分担を教えてください。
齋藤:我々は施設への打診と調整を担当しました。ラフ案の段階で提案しましたが、4施設の方からはすぐにご賛同いただけました。以前からママロにご協力いただいていることもあり、ご理解いただけるのが早かったのだと思います。
池谷:ピジョンの役割としては、各施設に対して、今回提供する授乳クッションや使い捨てのカバーやケース、母乳パッドと場所を取らない小さめのカゴなど、授乳サポート用品の準備・発送などを担当しました。
また、今回皆さんへ伝えたいメッセージをのせたポスターの制作なども当社で行いました。今回のキャンペーンとは別でママパパたちにアンケートをとったところ、今多くのママとパパから「パパも利用できる授乳室」が求められていることがわかったんです。キャンペーンでも同じ意見がありました。でも、実際にパパが気軽に利用できる授乳室は限られています。
個室型のママロであれば、パパはもちろんおじいちゃんも利用しやすいと思います。パパも赤ちゃんと2人でお出かけを楽しむことがもっと容易になる、そんな世界にしていきたくて、今回ご協力いただいた施設のママロにはこのポスターも設置させていただきました。
それ以外にも、当社は赤ちゃんのいるご家庭との直接の接点が多いので、今母乳育児をしているママやパパにこの情報を伝えることも大事な役割と考えています。
齋藤:衛生面の観点から、設置する授乳クッションに「使い捨て用カバー」を用意してほしいという要望が各施設からあがりました。今の環境下では当然ですよね。
そこで、授乳クッションの形状に合うカバーや、ごみの処理方法などを施設側と一緒に検討し、ピジョンさんと調整しました。これからも実際に使い始めてみたことでわかったご要望をヒアリングし、微調整を続ける予定です。
池谷:今回、ピジョンから「母乳パッド」も無償提供し、4施設のママロに設置しました。夏場ということもあり、外出で当然汗をかくと思いますが、外出時には赤ちゃんのもので手一杯になって、自分のための母乳パッドは忘れてしまった、というケースをよく聞きまして。
汗びっしょりのパッドを我慢して使うのではなく、キレイなものに取り換えて、気持ちよくお出かけを楽しんでいただければと考えています。
また蛇足ですが、ピジョンの母乳パッド「フィットアップ」の個包装に印字されている「ママ今日もおつかれさま」というメッセージは、毎日母乳育児に奮闘するママたちへの応援メッセージです。思った以上に「このメッセージが嬉しかった」とお声をいただいています。今回の4施設のママロを利用されるときにはぜひ見てみてください。
―ところでこのママロを知らない方に向け、その特徴を教えてください。
齋藤:ママロは設置型のベビーケアルームです。1畳ほどのスペースで授乳や、さく乳、おむつ交換等のベビーケアにご利用いただけます。鍵付きの個室なので、セキュリティも安心で性別問わずどなたでも気軽に利用できるのが特徴です。使用中かどうかは扉にあるマークが点灯しているかどうかでわかるようになっていて、ロックもかけられるので急に誰かに扉を開けられるような心配もありません。
ちょっとしたことですが、室内の棚の角を削ったり、ランプを柔らかい素材にしたりなど、事故防止の観点でも工夫をしています。上のお子さんも一緒に入室されるケースもありますからね。
◆本取り組みはあくまでもスタート。引き続き改善・発信活動を
―今回の取り組みを振り返った感想をお願いします。
池谷:今回の取り組みは、当社が掲げている「母乳育児をもっと自由に。ママの生活をもっとフレキシブルに」という想いを実現したひとつのカタチです。1人でも多くのパパママの目に留まり、赤ちゃん連れの外出に難しさを感じていた人の心が少しでも楽になったら嬉しいです。
齋藤:やったことがないものを作るのはリスクへの懸念など、どうしても怖さがあるものです。そのため、今回ゼロイチを作れたのは大きいなと思っています。これでユーザー体験がどう良くなっていくのかを検証し、結果次第では今回のママロがスタンダードなものになっていくかもしれない。そんな1つのきっかけにできたらと思いますね。
ママロ自体、まだ全国に約400台と、授乳室不足へのアプローチという意味ではまだまだ足りていない状況です。ママロの設置台数を増やしつつ、ユーザー体験をアップデートできる授乳室の開発にも取り組み続けたいと思っています。
池谷:そもそも、母乳育児はもっと自由に楽しめるもののはずなのに、「選択肢が少ない」と感じているママもいるようなんです。そこでピジョンでは、1人で外出した時にもケアができるポータブルタイプの電動さく乳器や、母乳を冷凍・保存して、ママがいない時も家族が母乳をあげられる保存用品など、ママとパパの選択肢が増えるような製品開発にも取り組んでいます。
製品でのサポートはもちろんですが、今回のように他企業の方とも手を取り合い、その活動を通じて、ママやパパの「赤ちゃんのいる生活」がもっとフレキシブルに、幸せなものになるように、引き続き活動を続けていきたいと考えています。
*本取り組み実施施設
・大日本印刷株式会社(DNP)が運営するオープンイノベーション施設「DNP プラザ」
・新宿マルイメン 6階「mamaro™」(2022年8月上旬から10月末まで)
・八景島シーパラダイス内「mamaro™」(2022年8月上旬から8月10日頃まで)
・流山おおたかの森S・C 本館2階「mamaro™」(2022年8月上旬から8月末まで)
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