【非公開・こちらは再配信しない】「風景を持ち歩く」。フィッシュレザーと手染めレザーで「海と空」を描いた、眺めたくなる財布と名刺入れの開発ストーリー
株式会社GOODIE(本社:大阪市北区)は「風景を持ち歩く。」をコンセプトとするレザーブランド「L'ora blu(ローラブルー)」を立ち上げ、同ブランドの1stコレクション「Orizzonte Collection」のアイテムの先行予約販売を2/24(金)11:00より開始予定。また、2/23(木・祝)・2/24(金)の2日間の日程で、東京・大阪の2ヶ所で製品の展示を行います。
Connecting the dots.「L'ora blu(ローラブルー)」開発の経緯
「L'ora blu」の誕生のきっかけを振り返ると、「さまざまな人との出会い・自分の過去の行動(=dots)」が「L'ora blu」の誕生につながったのだなとしみじみと感じます。
大学卒業後、2つの会社で営業を行なったのちに、2006年より家業の婦人靴メーカーのEC部門として新会社を設立し、ファッション業界で働いていました。2019年に父が亡くなったことをきっかけに、「釣り人向けのアパレルブランドD2C事業」での独立を決意。
2020年9月に、アパレルを中心としたフィッシングライフスタイルブランド「Bywater(バイウォータ)」を立ち上げるべく株式会社GOODIEを設立しました。この時はまだレザーブランドを立ち上げるなど想像もしていませんでした。
2020年12月にMakuakeにてリリースした「釣り特化型パンツ」が「630万円」ものたくさんの応援をいただき話題となったことで、但馬信用金庫の宮崎さんから「かばん業界若手育成塾」への協力企業としての参加を依頼されました。宮崎さんが「釣り特化型パンツ」を知ったきっかけは私の母校の大学のコミュニティでの投稿だったらしく、母校がつなぐ縁でした。
兵庫県豊岡市のかばん産業振興を目的とした「かばん業界若手育成塾」に参加した際に、今回レザーアイテムを縫製してくださるラ・ヴェッタ株式会社の木下さんから「フィッシュレザー」の提案を受けました。「フィッシュレザー」の存在自体は、家業の婦人靴メーカーをしている際に業界紙で見たことがあり知っていましたが、実物を見るのは初めてでした。メインの提案は別のアイテムだったのですが、面白い素材だと感じたこと、木下さんも釣りをされることもあって話が弾み「釣りとも親和性があるし、フィッシュレザーでなにかやりましょう」と話になりました。
それから数ヶ月間、フィッシュレザーについて調べたり、どういったものができるかなど考えたりしているうちに、フィッシュレザーを生産されている株式会社シンクシー野口さんの「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」という言葉に共感して、さらに興味が増してきました。
ある日、日の出前から釣りをしていて、世界が青色に染まる瞬間「ブルーアワー」の海を眺めている時に、「フィッシュレザーで海の波・グラデーションレザーで変わりゆく空を表現したレザーアイテムがつくれないだろうか」と思い立ちました。
そして、たまたまその時期に「Bywater」のPOPUP出店を富山県でおこなっていたこともあり、富山県氷見市まで、フィッシュレザーを生産されている株式会社シンクシー野口さんに会いに行きました。話を伺うと、野口さんがフィッシュレザーを作り始めた頃に参加していた氷見市のプロジェクトが、私が前職時代にフィッシュレザーの存在を最初に知った記事のプロジェクトだったことがわかりました。野口さんとも話が弾み、1時間程度の滞在の予定が2時間以上も話し込んでいました。そして「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」という言葉にさらに共感し、野口さんとは別の形で「フィッシュレザーの普及」に一役を担えないかと思うようになりました。
それと並行して、レザーを自分が思い描くイメージのようにグラデーション染色ができる会社を探しましたが、なかなか見つかりませんでした。その後、会社名は非公開ですが、元々グラデーション染色をされていない会社に頼み込んで、グラデーション染色をしていただけることになりました。何度も何度もテストを繰り返して、自分のイメージする美しいグラデーションを描いていただけるようになりました。
何度も試作を重ねました。完成に近づいてきた頃のサンプル。
ロゴに関しても、「Bywater」のロゴを担当してくださったデザイナーの都合が合わず、新たなデザイナーさんを探さなくてはいけませんでした。起業前の「D2Cセミナー」のゲスト講師をされていた方が主催するD2Cのコミュニティで知り合った方が、デザイナーのmeeeg中里さんを紹介してくださり、素敵なロゴが出来ました。そして中里さんからフォトグラファーの細川さんを紹介いただき、素敵な商品写真を撮っていただき、このページを彩っています。
また、「L'ora blu」「Lora magica」「Il notturno」のカラーの風景写真は、中学からの同級生でもある写真家竹沢うるま氏から提供いただきました。ブランドコンセプトを思いついた際に、次に頭に浮かんだのが「竹沢くんの風景写真使わせてもらえないかな?」ということでした。以前から「何か一緒にできたらいいね」と話をしていて、ようやく実現することができました。
そして、グラデーションレザーの原料となる革を提供いただいている株式会社セナレザー渡辺さんとも、新しい別の取り組みを検討中です。
「釣り」「Makuake」「母校」「フィッシュレザー」「D2Cセミナー」「D2Cのコミュニティ」など、さまざまなことがつないでくれたご縁(=dots)がつながり、たくさんの方に協力いただいて、「L'ora blu」は誕生しました。
"dot"が一つでも欠けていたら「L'ora blu」は誕生していなかったかもしれません。
たくさんのご縁に感謝すると共に、「L'ora blu」の誕生に尽力いただいた方々に感謝いたします。
Orizzonte Collection
「L'ora blu」から誕生する最初のコレクションは「Orizzonte Collection」。
「Orizzonte(オリゾンテ)」は「水平線」を意味するイタリア語。
Orizzonte #01 ラウンドファスナーウォレット
Orizzonte #02 名刺入れ
フィッシュレザーの鱗模様を「海の波」に見立て、グラデーションレザーを「変わりゆく空」に見立て、美しい風景をそのままお財布に。
クラフトマンシップに溢れるものづくりの現場
「L'ora blu(ローラブルー)」は、兵庫県豊岡市にある「ラ・ヴェッタ株式会社」が縫製を担当してくださいます。「風琴マチ」「ネン引き」という手間暇かかる技法だけでなく、糸処理にもこだわり「糊止め」を行っています。美しい仕立てにこだわった職人集団です。
「風琴マチ」は、日本独自の伝統技法
最大の特徴は、「薄いこと」と「出し入れしやすい機能性」。
通常の「蛇腹マチ」は仕切りが「内側(谷折り)」に折り込まれているのに対し、「風琴マチ」は「外側(山折り)」に折られています。
風琴マチをつくるには、0.1mm単位での革の漉きの調整が必要なだけでなく、裁断を精密に行う必要があります。
0.1mm単位で革を漉いて調整
「風琴マチ」は、通常の「蛇腹マチ」よりも多くの型紙が必要となり、高度な技術と手間がかかります。
たくさんのパーツを精密に裁断し、0.1mm単位で漉いて調整。
「蛇腹マチ」であれば、少ないパーツにシール加工を施した生地などを貼り、ミシンなどで縫製することで簡素化が可能ですが、「風琴マチ」はたくさんのパーツを「無縫製」で剥離しないように糊でしっかりと止めて組み上げます。
大量のパーツを複雑に組み合わせながら、貼ったり、切ったり、折ったり。
時間がかかりすぎるため、やりたがらない職人が多いというのもうなずけます。
均一に適量の糊を塗って貼り合わせます。適量だとしっかりと強度を保て、糊もはみ出しません。
複雑なパーツを、折ったり、不要な部分を切ったり、貼ったり。一枚一枚組み上げていきます。
ネン引きをしてヘリ先から数ミリの部分に熱いコテで線を引くことでヘリの接着性を高めて耐久性と革の屈曲性を上げ、レザーアイテムの表情を引き締めます。
フリーハンドで手際よくネン引きする姿はまさに職人芸。
美しい線を入れるためには、熟練の技と手間が必要です。力の加減、道具の角度を調整しながら、最も美しく見える位置に、ちょうどよい太さと深さの線を入れていきます。クラフトマンシップに溢れた技法です。
糸処理まで手を抜かない
縫製した後に糸を切り軽く熱処理をするだけの工房も多いところ、ミシンで縫製した後、糸の結びこぶに糊をつけて、針穴に戻す「糊止め」という手間のかかる処理を施しています。
先の尖ったもので、糸の結びこぶの部分に糊をつける
針穴に戻して糸を締め込む。
手間がかかるため、この方法を避ける職人も多いが、見た目に美しいだけでなく、糸のほつれが起こりにくい造りとなっています。
「L'ora blu」のレザーアイテムは、クラフトマンシップ溢れる職人集団により縫製された逸品です。
フィッシュレザーとは
フィッシュレザーの魅力は、なんといっても魚ならではの美しい鱗模様。
クロコダイルやパイソンなどとも違う、フィッシュレザーだけの独特の質感。
魚種ごとに表情が異なるだけでなく、1匹1匹鱗模様が異なります。
波をイメージさせる美しい模様は、他の革にはなく、独特の風合いが魅力です。
日本人の食卓には馴染み深い魚は、想像以上に頭や骨そして「皮」も廃棄されている現状があります。いわゆる魚の「アラ」の部分は、約1割が魚粉として加工され、畑の肥料や動物の飼料として使われていますが、残りの9割はそのまま焼却処分されています。
今回フィッシュレザーを提供してくださる株式会社シンクシーの「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」に共感し、フィッシュレザーの普及にひと役買えないかという想いで「L'ora blu」を立ち上げました。
世界的に見てもまだまだ生産量は少ないですが、近年これまでの牛革などとは違った、新しいエコレザーとして注目されつつあります。
ただ、フィッシュレザーと聞くと「生臭さくて、脆いのでは?」と考える方が多いかもしれませんが、動物の革と同じように「なめし加工」を施すことによって驚くほど丈夫で生臭さもないレザーへと生まれ変わります。
本来捨てられる魚の皮をアップサイクル
およそ1ヶ月かけて、「魚の皮」を「魚の革(フィッシュレザー)」に変えていきます。魚は一枚一枚が小さいため、なめす工程に非常に手間暇がかかるだけでなく、革としても小さいため、非常に貴重な素材です。
①魚の革を回収する
鮮魚店や食品加工会社などから、廃棄される魚の皮を回収します。魚の皮は刺身などに加工する際に廃棄されしまうものです。普段目にしない部分ですが、皮を含め頭や内臓などの魚の廃棄部分は年間約66万トンにもなると言われています。
②身を削ぐ
脂身が酸化すると生臭さの原因となるため、皮についた身や脂を削ぎ落とします。
この作業は魚の生臭さを取り除くためにとても重要なため、丁寧に一枚一枚作業していきます。そのため一番大変な作業でもあります。
③塩漬け
水分が多く含まれる皮はすぐに腐ってしまいます。そのため脂身を削ぎ落とした皮に塩をまぶし、塩漬けにして乾燥保存します。旬によって魚種や厚みの違う皮を選別・保存することで均一な仕上がりを目指します。
④脱脂・漂白
乾燥保存していた皮にはまだ脂分残っているため、脱脂漂白用の液に浸けてさらに脂分を徹底して除去し、同時に汚れや色を漂白していきます。
2週間ほど作業を繰り返すと、次第に魚の生臭さは感じられなくなります。
⑤タンニンなめし
植物成分のタンニンを魚の皮に浸透させレザーへと加工します。
お茶などに含まれる渋味の成分タンニンを溶かしたタンニン液に皮を浸け、2週間この工程を経ることで丈夫でしなやかなフィッシュレザーに仕上がります。
⑥染色
出来上がったフィッシュレザーをこだわりの色へ染め上げ、製品へと加工していきます。
⑦完成
縁起の良い「マダイ」のフィッシュレザー
出世魚「ブリ」のフィッシュレザー
かなりの手間と時間をかけて作られるフィッシュレザー。
魚の頭以外の部分の大きさを想像してみてください。しかも、そこからなめす工程で少し縮んでしまいます。その大きさからも、貴重な素材であることが、ご理解いただけるかと思います。
「L'ora blu」は、「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」に少しでも貢献できればと考えています。
一枚一枚手で染めたグラデーションレザー
職人の手によって、一枚一枚丁寧に「変わりゆく空の色」をイメージしたグラデーションに染め上げた、手染めグラデーションレザー。
何度もテストを重ねながら、色ごとに適切なグラデーションを再現できるように、手法を変えて仕上げています。
それぞれ異なる手法でグラデーションを再現していますが、ブランド名と同じ名前のカラー「L'ora blu(ブルーアワー)」ができるまでを紹介します。
グラデーションレザーができるまで
①染料を調合します。
美しいグラデーションに仕上げるために、濃度を調整したり、少し違う色の染料を混ぜるなど、微妙なニュアンスを出す大事な作業です。(※企業秘密のため非開示)
②白い革に薄い色から染めていきます。
③徐々に濃い色を塗り重ねていきます。
④何色も塗り重ねて美しいグラデーションに仕上げていきます。
「L'ora blu(ブルーアワー)」と同じ方法では「L'ora magica(マジックアワー)」「Il notturno(夜景画)」は再現できないため、それぞれに合った異なる手法で染め上げています。3色の中では「L'ora blu(ブルーアワー)」は、比較的に手間がかからない手法ではありますが、それでも非常に手間が掛かっています。「L'ora magica(マジックアワー)」「Il notturno(夜景画)」には、さらに時間と手間をかけて、美しいグラデーションに仕上げてます。
一枚一枚職人の手によって、手間暇かけて染め上げているため、グラデーションレザーは大量生産ができない非常に貴重な素材です。
全く同じ色のグラデーションは存在しません。
あなただけの色をお楽しみください。
構想開始から1年以上かかってようやくリリース
「かばん業界若手育成塾」で「フィッシュレザー」を提案されてから約1年3ヶ月。製品コンセプトの構想が固まってから約1年。ようやく製品をMakuakeでリリースすることができました。
冒頭でも書かせていただきましたが、自分の人生の中で、レザーブランドを立ち上げるとは思ってもみませんでした。
そこから、不思議なご縁に導かれるように、「L'ora blu」を立ち上げることになりました。
製品リリースまで、さまざまな苦労がありました。
グラデーションレザーを製造してくださる企業がなかなか見つからず、見つかった後も思うようなグラデーションに仕上がるまで、何度も試作を重ねました。時には、私自身も現場に入って、話し合いをしながら試作を行いました。
そして、たくさんの方の協力もあって、非常に良い製品ができたと感じています。
フィッシュレザー・国産レザーによる「生命の恵みを無駄にしない持続可能なものづくり」と、ご縁をいただいた兵庫県豊岡市の「鞄産業」「財布」の振興に少しでも力になれればという想いからスタートしたプロジェクト。
しかし、なんといっても一番の想いは、購入してくださる方に喜んでいただきたいこと。
「美しいグラデーション」「美しい鱗模様」のコンビネーションで表現する「美しい海の風景」。「眺めたくなるレザーアイテム」「他の人に見せたくなるレザーアイテム」を目指してつくりました。
気にっていただけると嬉しいです。
L'ora blu(ローラブルー)
▼ L'ora blu(ローラブルー)公式サイト
▼L’ora blu(ローラブルー)公式LINEアカウント
https://www.instagram.com/lorablu.jp/
https://www.facebook.com/lorablu.jp
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