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湖池屋のフラッグシップ商品「プライドポテト」が、大きな支持を集める中でもリニューアルを続ける理由

著者: 株式会社湖池屋

2017年に「新生湖池屋」を体現するフラッグシップ商品として発売され、高品質な味わいや洗練されたパッケージで話題を呼んだ「プライドポテト」。当初から好調だった売り上げは2020年のリニューアルでさらに大きく成長し、今ではまさに湖池屋の新看板にふさわしい商品となっている。


そんな「プライドポテト」が2023年2月に再びリニューアルを行い、新フレーバー「通の黒胡椒」の発売及び既存のフレーバー4品の改良とパッケージデザインの変更を行った。

発売より途切れることなく支持を集めるブランドシリーズにも関わらず、再度リニューアルすることの裏側には、湖池屋のこだわりを体現するために変わり続ける姿勢と、その中で「プライドポテト」が担う役割、そして託された想いがある。

(リニューアルにより5種のフレーバー展開となり、味わい、パッケージともに

湖池屋のこだわりを詰め込んでいる)



「新生湖池屋」を体現する、プライドをかけた商品のリニューアル

商品のコモディティ化や平均売価の低下が続き、縮小傾向にあったポテトチップス市場で、2016年以降「高付加価値経営」という新たな商品戦略を掲げている湖池屋にとって、「プライドポテト」はそれを体現する象徴的な存在になっている。

2017年の発売直後から大きな反響を呼び、いわゆる「ポテトショック」※による原材料不足等もあり一時期売り上げが滞るも、2020年に行ったパッケージと味わいに関するリニューアルによって再ヒットし、売り上げの大幅上昇を実現した。


2017年以降の一時期、「プライドポテト」はアイテム数が増えたためシリーズ全体としての統一感が失われたことがあった。そこで、2020年のリニューアルでは、2017年発売当初のイメージを活かしたパッケージデザインに再編した。また、「芋まるごと 食塩不使用」を新しくリリースするなど素材の旨みを生かした商品作りもアピール。その結果、健康志向の市場ニーズにハマり、一段と人気を獲得、定番商品としての地位を確立してきた。


そうした流れの中での今回の再リニューアル。「何かネガティブなことを受けて、ということではないんです」と、2019年から「プライドポテト」のマーケティングに携わってきた髙戸は語る。

「近年『じゃがいも心地』や『ストロング』など、消費者ニーズに合わせた高付加価値商品を色々と打ち出してきました。そうした効果もあって、“高品質志向”など消費者の方々のポテトチップスに対するイメージの変化を感じるとともに、需要の細分化が起きていることにも気づきました。そこで、『プライドポテト』もフラッグシップ商品として、そうした多様性に応えられる進化が不可欠だと考えました」。

(今回のリニューアルに携わった(左)商品開発部の増田と

(右)マーケティング部の髙戸)


人気の「プライドポテト」といえど、持続的な価値提供を行うためには、コロナ禍など社会の大きい変化とともに変わりゆく需要に応え、今に合わせてアップデートする必要がある。その実現を目指したのが今回のリニューアルの背景だ。


※ポテトショック:2016年に北海道に上陸した台風によって、2017年に使う予定だったじゃがいもの収穫量が大幅に減ってしまい、じゃがいもを使った商品の流通・販売が滞ったこと。



こだわりをよりダイレクトに、より多くの人に届けるために

今回のリニューアルでは、「国産芋の旨み×神業食感」を掲げ、「プライドポテト」のかねてからの魅力である「素材そのものの旨み」をより強く感じられる改良がなされている。その上で、各フレーバーの“キャラクター”や“アイデンティティ”をより前面に出した、というのが今回の大きなリニューアルポイントだ。


「神のり塩」は塩味をはじめ全体の味わいの調整を行い、青のりの風味をさらに向上させた。「美食の岩塩」は塩のキレと強い旨味にこだわり、メリハリのある味わいに、「芋まるごと 食塩不使用」は魚介系だしの旨みを強めて連食性をアップさせた。また、「燻燻チーズ」と新商品「通の黒胡椒」についても、黒胡椒の風味が際立つ味わいに仕上がっている。

いずれも変化し続ける消費者ニーズに向き合い、新たに手に取ってもらうための付加価値を付ける取り組みだ。

「『素材そのものの旨み』が魅力の『プライドポテト』ですが、たとえばじゃがいもの旨みだけに頼った製法をしても、その良さは伝えきれません。じゃがいもの旨み含めてそのおいしさを伝えるためには、塩味やだしの味わいの足し引きなど、素材の良さを引き立たせるための細かい味付けの工夫が必要でした」。

2016年の「プライドポテト」立ち上げから開発に携わっている増田はそう話す。


また、より多くの人に手に取ってもらうため、パッケージデザインのリニューアルも実施した。俎上に上がったパッケージリニューアル案は100案超。「より多くの方に身近に感じてもらうためには何が必要か」というテーマで、その細かくパターン分けされたアイデアを徹底的にインタビュー調査にかけるところから始めたという。


すると、「『プライドポテト』は湖池屋のこだわった商品である」ということは伝わっていたものの、直感的に「おいしそう!」と感じてもらえていない課題が浮かび上がってきた。

そこで、「神業食感」というキャッチコピーを新たに作り、本商品の食感を直感的に“パッ”と感じてもらえるように工夫した。


(左がリニューアル前、右が今回のリニューアル後のパッケージ)


また、そもそもこの「プライドポテト」のパッケージデザインは、チップスが縦3枚×横4枚の構図で整然と配置されているのが特徴だったが、今回のリニューアルでは、この「3×4」に配されたチップス1枚1枚に動きの変化をつけるようにした。

「インタビュー調査の中で、『チップスが綺麗に並んでいるので丁寧に作られていることは伝わるが、ポテトチップスは1枚1枚が不揃いで、かつ味の濃淡がある方がおいしそうに思えるし、ワクワク感もある』というコメントをいただきました。消費者心理として、店頭では2秒で買うかどうかが決まる、といわれています。『プライドポテト』はその高い品質を伝えるための表現が逆に“お高くとまっている”ように見えてしまっていたり、おいしさの表現が少し足りていない、ということが課題でした。そこで、今回のパッケージリニューアルでは、もっと身近に、おいしそうに感じていただけるようなデザインにすることを意識していました」(髙戸)。


新たなパッケージデザインでは、チップス1枚1枚がまるで違う様相を呈している。これは、1枚1枚が違う表情、動きになるよう、チップスに直接、風を当てるようにして撮影したことで実現できたという。



変えるものは変え、変えないものは変えない

このように変えるものは変えるが、一方で、変えないものは変えない。たとえば、パッケージデザインでいうと中央に配される湖池屋のマークはそのまま残すことにした。「このマークがついているものが『プライドポテト』」という認知が定着しているからだ。

(湖池屋のマーク)


また、本商品の根幹である、湖池屋の“プライド”の名に恥じない食感、味わいへのこだわりも変えない。


今回のリニューアルに伴い、湖池屋では「神業食感会議」と呼ばれる会議が行われている。そこでは次のようなことが日々話し合われているという。

「これは『神業食感』を常に実現するため、定期的に各製造拠点の工場長が集まって話し合う会議です。食品製造の現場においては、同じ原材料を使っても同じ味や食感にならない場合があります。そのため、逐一製造機械の調整や細かな検証が必要なのですが、高品質を謳う『プライドポテト』の製造ではより高い精度でそれを行っています。『神業食感会議』で『プライドポテト』にふさわしい食感について絶えず意見交換し、 『神業食感』を標ぼうするに恥じない品質を維持できているか、拠点ごとにバラつきが生まれていないか、ということを厳しくチェックしています」(増田)。


また、こうした食感、味わいについての議論は、マーケティングと開発の間でも絶えず行われている。最高のおいしさを届けるための細かい要望をマーケティングが提案し、その実現に開発が尽力する。このプロセスにこそ、「プライドポテト」の“いつもおいしい”を実現させ、フラッグシップ商品としての「プライドポテト」の存在感を維持する秘訣がある。



定番フレーバーのプレミアム化と、新定番フレーバーへの挑戦

リニューアル後の反応はすこぶる好調だ。当初の狙いだったトライアル層を順調に獲得できており、1店舗あたりの販売個数の指標も250〜300%ほどと、売り上げにも目に見える効果が生まれている。さらに、商品価値もしっかりお客様に伝達できているという結果も出ているという。


今後の展望について、絶えずニーズに合わせて変化していこうとする姿勢が垣間見える。

「たとえば、のり塩といった定番フレーバーは、より素材にこだわってプレミアム化させていきます。また、『これが食べたい』と指名買いしてもらうため、新しい価値は常に提案していきたいと思っています。たとえば、その次なる一手として考えているのが、甘じょっぱいフレーバーへのチャレンジです。ポテトチップスジャンルにはほぼない味の方向性ですが、まずは『焦がしキャラメル』フレーバーの市場投入を予定しています。常識を覆すような新定番の開拓も『プライドポテト』で実現したいですね」と、髙戸は自信を覗かせる。


(4月17日発売の新フレーバー「湖池屋プライドポテト 焦がしキャラメル」)


一方、このように変わり続けられるのは、変わらない味と品質へのこだわりがそれを支えているから。増田はこう続ける。

「常に高みを目指して行かないと消費者から選ばれなくなってしまうのが今のスナック菓子業界。常に多くの新商品が市場投入されている中でも、『プライドポテト』は比較的いい波に乗れていますが、よりおいしい商品を作っていくための最善策を常日頃考え、ブラッシュアップしていきたいと思っています」。

これからも「プライドポテト」は湖池屋を体現するフラッグシップ商品として、その価値を届けていく。




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