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80代の著者さんもおられます。

地球環境に対するU25世代(Z世代)のメッセージをアニメCM化

著者: JCOM株式会社

「J:COM×U25環境を考えるプロジェクト」の裏側(前編)


JCOM株式会社は、25歳までのいわゆる“Z世代”と一緒に地球環境へのメッセージやアクションについて一緒に考え、Z世代の皆さまの自由な発想による「140字のストーリー」をアニメCM化して社会に発信する「J:COM×U25 環境を考えるプロジェクト」に取り組んでいます。


地球環境に対してグループの事業活動によるCO2の排出量を、2050年度までに実質ゼロとする、「2050年カーボンニュートラル達成」を目標として設定し、設備の消費電力量の削減や営業車へのMaaS導入などに取り組んでいる当社が、今回新しくスタートさせた「J:COM×U25環境を考えるプロジェクト」。

若手社員が中心となって実現した本プロジェクトについて、企画から実施までのストーリーをプロジェクト担当者の藤野のぞみがお話しします。



藤野のぞみ

「J:COM×U25 環境を考えるプロジェクト」担当。

2019年JCOM(株)入社。かながわセントラル局で営業を担当した後、2022年より広報部(現 サステナビリティ推進部)でサステナビリティ推進活動を担当。神奈川県出身。


地球環境に対して何ができるのか、未来を担う若い世代を巻き込み、具体的なアクションを一緒に考える活動にしたい

■今回のプロジェクトの背景を教えてください

当社は、経営方針の基本姿勢に「CHALLENGE(挑戦)」を掲げる企業として、小中学生を対象とした「J:COM杯 3月のライオン子ども将棋大会」や「全日本アルペンスキーU16チーム強化支援プロジェクト」などを通して、次世代を担う若者たちへの支援を行っています。


文化・スポーツの取り組みに加え、「2050年度カーボンニュートラル達成」を目標とする企業として、「地球環境」に対しても未来を担う“Z世代”と一緒に考えて発信することで、メディア企業としての役割を果たしたいとの想いで企画したのが今回のプロジェクトです。


また、当社はSDGメディア・コンパクトの加盟社として地球環境を含めSDGsに関するさまざまな情報を発信しています。現在の日本では「SDGsのことは知識として理解はしているけれど、具体的に何をしたらいいのだろう…」という方が多いのではないでしょうか。


私自身、現在の部署(サステナビリティ推進部)へ異動するまでは、SDGsについて知識として知ってはいるものの、エコバックやマイボトルを使うといったイメージ以外やるべきことがあまり分かっていませんでした。特に地球環境に対しては自分たちのためにも、未来の子供たちのためにも何か取り組みたいと思ってはいましたが、アクションを起こすきっかけがありませんでした。

今後の未来を担っていくにあたって重要な存在である “Z世代”の中にも、将来に対しての危機感はあるものの、「具体的に何をしたらいいか分からない…」という気持ちの方はきっと多いのではないか。そうであれば、一緒に取り組めるような活動がしたいと思い、“Z世代”とのプロジェクトを立ち上げました。



「地球環境のために、私たちができること。」をテーマに140字のストーリーを募集

■プロジェクトの概要を教えてください

「地球環境のために、私たちができること。」をテーマにTwitterおよびメールにて140文字のストーリーを募集し、東京大学 未来ビジョン研究センター 江守正多教授をはじめ、J:COMグループで映画・アニメ等のメディア事業を行う「アスミック・エース」などの有識者らによる審査を経て最優秀賞を決定。選ばれた作品を15秒のアニメCM化し、発信するものです。

人の心を動かし、地球環境へのアクションを起こすきっかけとなるような作品にしたい、そして少しでも多くの人に届けたいという想いで企画を進めてきました。

■140字募集にした理由はありますか?

SNS上ではTwitterを筆頭に、短い文章で「落ち(物語の結末)」をつける文化が根付いており、最近ではTikTokやYouTube ショートなど短い動画で表現することが多くなってきました。

140字での募集にしたのはこうした“Z世代”のコミュニケーション方法に着目し、手軽につぶやき感覚で参加してもらいたいという想いからです。私自身、Twitterの字数の中で、またInstagramストーリーの数秒の間でいかに面白く話をまとめるか、普段から無意識に実践しているので、限られた字数・時間での表現に慣れている方も多いのではと思いました。

■映像化の手段をアニメにした理由を教えてください

今回、アニメ化にこだわった理由は3つあります。

1つ目は、アニメという手法であれば表現に制限がないからです。たとえば実写の映像では表現が難しい設定やストーリーもアニメであれば映像化できると考え、地球環境へのメッセージを伝える手段としてより自由な発想でご応募いただけると考えました。

2つ目は、動画コンテンツにおいて、アニメは“Z世代”が親しみやすく、友人との話題に出てくることも多いジャンルであることです。完成したアニメCMについても友人と共有することで地球環境を考えるきっかけにしてもらいたいと考えました。

3つ目は、本格的なアニメをつくる機会を“Z世代”に提供できることは貴重だと考えたからです。最近ではスマートフォンなどでアプリを使った動画編集が手軽に行えるようになりましたが、実写に比べ、本格的なアニメを自主制作するのは技術的に難しい部分もあると思います。自分の考えたストーリーが、プロの手でアニメーション化されるという特典も“Z世代”に響くと考えました。


また、より多くの人に見てもらえるように、短編のアニメCMというサイズ感も意識しました。YouTube ショートやインスタグラムのリールなど短い動画を見ていて気付くとすごく時間経っていた…ということが私はよくあります。

日常の中で、改めて地球環境について考えるきっかけとなる作品に出会う体験をしてもらうには、短編でも分かりやすく伝えられる「アニメ」という媒体が最適だと思いました。


他の観点では、アニメであれば海外の方に見てもらえる可能性もあると思いました。

私は大学時代に、ポルトガルへ留学した経験があるのですが、日本のアニメのことは誰でも知っていて、特に盛り上がる話題でした。まわりには私よりも日本のアニメに詳しいポルトガル人の友達がたくさんいました。


このような理由から検討してきた「アニメCM化」について、今回は『化物語』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『3月のライオン』など多くの人気アニメーション映像を手掛けている株式会社シャフト様に本プロジェクトの趣旨に賛同いただき、晴れてプロジェクトを実現することができました。

さまざまな意見が飛び交う最終審査会

■プロジェクトを進める上で苦労したことはありますか?

最優秀作品の選定が最も苦労しました。ストーリーの募集は初めての試みでしたが、ありがたいことに多数のご応募をいただき、140字という制限の中でも、アニメ化された映像が思い浮かぶ素敵な作品が多く、審査を行うのにとても時間がかかりました。


まずは、応募事務局として地球環境の観点や、ストーリー性などの基準を設けて応募作品を精査し、その後一次審査として社内のイントラネットを活用し、アンケート形式での社員投票を行いました。そして社員投票の結果厳選された作品について、最終審査会を開催し、以下の3つの基準で審査を行いました。

  1. テーマに沿った内容になっているか
  2. 独自の視点・面白味があるか
  3. 映像として想像できる作品か

最終審査会は、環境専門家の江守正多教授、シャフトのアニメーション・プロデューサーの鈴木隆介様、若手クリエイティブ・プランナーの古山さくら子様、グループ会社であるアスミック・エースのアニメ編成・調達担当の久保田淳一、そして当社代表として渉外・広報室の宇佐美祥 室長(当時)の5名が参加しました。

最終審査会では当社の若手代表として司会を務めることに

最終候補となった作品を審査するにあたって、審査員それぞれの観点から良いと思った3作品についてコメントをいただき議論を進めました。

キャラクターは魅力的か、似ている作品がすでに世の中に存在していないか、ストーリーに出てくるアクションは実際に地球環境問題を解決するための動きなのか…。

各界の専門家から、私が全く想像もできなかった意見をたくさんお伺いすることができました。


もちろん初めは全員の推す作品が一致していたわけではなく、映像化の観点で評価の高い作品と、環境の観点から評価の高い作品とで意見が割れていました。

しかし、審査員の皆さまが一つ一つの作品に対して、どんな工夫をすれば、環境へのメッセージを際立て、映像としても魅力的なものになるか、という視点から意見を出し合ってくださり、最終的に一つの作品に意見がまとまりました。


結果として満場一致で最優秀作品を決定することができ、司会を務めていた私もほっと胸をなでおろしました。

<審査員一同>

作者の想いをアニメCMにきちんと反映すること

■現在はどのように進行していますか

最優秀賞受賞者の方と連携しながら、シャフト様とアニメーションCMを制作中です。

最優秀賞を受賞されたのは20歳のしいな(ペンネーム)様。4月にJ:COM本社(東京)に来社いただき、最優秀賞贈呈式とインタビューを実施しました。


<最優秀賞受賞者しいな様(左)と、サステナビリティ経営推進室 鈴木敦子 室長(右)>


<しいな様>

【受賞コメント】

「(受賞を受けて)こんな大事になるとは思っていなかったので、いろいろな人に関わっていただき、アニメCM化することになりとても嬉しいです。

応募のきっかけは、母に「あなたの書く文章面白いよ」と言ってもらったこと。薬局で薬を待っているときに応募しました。自分が田舎から少し都会に出たときに海の汚さや夜の明るさなどの環境の変化に驚いた経験もあり、環境破壊の現実を伝えるような作品を思いついたのだと思います。ただ、見ていて少しでもわくわくするような作品にしたかったので紙飛行機の演出を取り入れました。

完成したアニメCMを見た方が環境問題を“みんなの問題”ではなく“自分の問題”として考えるきっかけになればいいなと思います。」


アニメCM化するにあたり、最優秀賞受賞者の方とコミュニケーションをとりながら一緒に進めたいという想いがあり、贈呈式には実際にアニメを制作いただくプロデューサー・ディレクターにもご参加いただき、制作会議をする場を設けました。

会議ではキャラクターの年齢や服装などのイメージ、情景や時間帯など詳細な設定について確認し、ご自身の体験から作品に込めた想いなどを、しいな様からプロデューサーへ直接伝えることができました。


<しいな様と制作プロデューサーとの打ち合わせの様子>


その後も、キャラクターデザインやコンテをしいな様とも確認しながら作品を仕上げていけるように進行しています。

さまざまな知見を取り入れることによってプロジェクト自体に深みが出てくる

■プロジェクトで得た経験や今後の展開は何ですか

私にとって、営業拠点から現在所属しているサステナビリティ推進部へ異動して初めての担当業務であり、また会社としても初めて実施する取り組み。どう進めたらいいのか分からないことだらけでしたが、周りの先輩方のアドバイスをもらい協力いただくことで、形にできました。いろいろな人を巻き込んでプロジェクトを推進することは大変ですが、さまざまな知見を取り入れることによってプロジェクト自体に深みが出てくることを実感する経験となりました。


今後は、メッセージを発信するだけでなく、実際に“Z世代”と地球環境問題を解決する取り組みを考え、一緒にアクションを起こすプロジェクトへと進化させたいです。社内の“Z世代”との意見交換などを通じてどのようにコミュニケーションを図っていくかを模索したいと思っています。



アニメCMは2023年7月3日(月)に公開いたしました。

後編として、アニメCM制作裏側のSTORYも公開していますので是非ご覧ください。

プロジェクトの裏側(後編)はこちら

◆「J:COM×U25環境を考えるプロジェクト」概要

未来を担うU25世代の皆さまと一緒に、地球環境へのメッセージやアクションについて考え、環境専門家や映画・アニメ等のメディア事業を行うアスミック・エースなどのJ:COMグループ会社と協力してアニメーションCMを制作、社会へ発信します。

https://www.jcom.co.jp/corporate/sustainability/environment/contest/




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