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今日が、残りの人生の最初の1日。

中高生の情熱とパワーが地球のミライを救う!トモノカイが探究力を育む総合支援サービスの開発に込めた思いと確信とは

著者: 株式会社トモノカイ


大規模地震や集中豪雨などの天災、世界規模の流行病蔓延、そして地域戦争・・・。20世紀には考えられなかったような事象が世界各地で多発しています。このような時代を表すVUCA(Volatility=変動性、Uncertainty=不確実性、Complexity=複雑性、Ambiguity=曖昧性)という言葉に向き合うためには、これまでのセオリー通りの対処ではなく、都度、自分の頭で考えて行動し、新たな気付きを得ていこうとする姿勢が重要になってきています。


近年、日本ではそうした姿勢を育むために、「探究」という学びが中学校・高校において始まっています。

そんな新しい学びである「探究」の教育支援サービスを展開するのは株式会社トモノカイ。東京大学家庭教師サークルを母体として2000年に設立以降、約23万人の登録大学生・大学院生・留学生を軸に、学校向けの放課後学習支援や学習塾支援など、教育業界を民間企業の立場からサポートする事業を展開しています。


その中でも新規事業に取り組む未来教育創造室では、2022年に全国の高等学校で必修化された新科目「総合的な探究の時間」の教材制作・販売や先生向け・生徒向けのイベント開催等を通して、探究学習のトータルサポートを行っています。

そして2023年の夏には、全国の高校生を対象とした探究ワークショップイベント「高校生ミライ探究部」を初開催。各地から真剣に探究に取り組む生徒たちが多数参加しました。


本記事では、2016年から取り組んでいる探究教材開発の背景、そしてなぜ、高校生向けに行う探究ワークショップイベントへと事業を発展するに至ったのか、探究学習に対する思いや事業の展望などを、トモノカイ未来教育創造室の室長・木曽原がご紹介します。


株式会社トモノカイ 未来教育教育創造室 室長 木曽原和之

「探究」とは、中高生が自らの頭で考え、問いを深めていく力を養う学習

中高生の大多数が行っている「探究」。多くの社会人の方は、学習経験が無いのではないでしょうか。探究とは、①問いを見つけて設定し → ②いろいろ調べたり実験したりして → ③結果を整理し考えて → ④まとめ発表する → ①’そしてそれを振り返ることで新たに生まれた課題を次の問いにする、という一連のサイクルを回し、高めていく学習の形態を指します。

こうした活動は、じつは社会人であれば少なからず実践していることだと思います。日々の課題を解決するべく、自身の頭で考え、創意工夫しながら効率化・改善を進めておられる社会人の方は多いと思います。そうした、社会で発揮する力を学生のうちに磨いていこう、とするのが「探究」の学習です。

探究のプロセス

※高等学校学習指導要領解説 総合的な探究の時間編 12pの内容をもとに作成



このような探究学習の推進をサポートするべく、トモノカイでは探究プロセスを学ぶベーシックな探究教材を開発。さらに他企業や地方自治体、旅行代理店などと共にSDGsを中心とした社会課題や地域特性などにフォーカスしたテーマ性の高い教材も開発してきました。また、生徒が実施した探究の成果を発表し、それを多くの社会人が称賛するコンテスト「自由すぎる研究EXPO」を開催。これまで、探究について多角的に支援事業を展開してきました。


探究支援事業を始めるにあたり、まず意識した事があります。それは、生徒の「興味」を中心に、学校やその他の教育サービスが喧嘩しない新しいバランスを創ること。そうしないと、生徒にとって新たな余計な負担をかけることになるからです。

そこで、まずは探究活動実践のために「教材」によるプロセス推進支援から始めることとしました。学校の先生方にもご協力いただき、現場の声を拾い上げながら真に使える教材を開発してきました。現在も学校現場とのお付き合いは続いており、大学生メンターを活用した探究支援サービスへと発展しています。


探究の成果を発表する場づくりと、探究力を磨くワークショップの開催

こうした事業を展開するなかで、次に聞こえてきたのが、生徒の探究成果を世間に発表する場が欲しいという声でした。探究の目標の一つとして、自分と社会のつながりを意識するということがあるのですが、学校だけでは社会とのつながりの場を作るのが難しい、というお悩みだったのです。

せっかく生徒が時間をかけて探究した成果があるのだから、より多くの人の目線で称賛してもらう場を創ろう、と私たちは考えて『自由すぎる研究EXPO』(https://tankyu-skill.com/expo/irexpo/)という探究コンテストを開催することにしました。民間企業である私たちの強みを生かし、多くのパートナー企業(称賛団体)の方たちにご賛同いただくことができました。

この『自由すぎる研究EXPO』ですが、探究活動における生徒の興味の範囲は“自由”である、ということをコンセプトとしています。ゆえに、1つのものさしだけで成果を称賛するのではなく、多くの関係者が様々なモノサシで称賛する場、として設計しています。応募者も中学生から高校生、普通科や定時制の生徒など、多岐にわたります。内容も身近なラーメンや昆虫のこと、さらには社会課題解決に向けた具体的なアクションなど、テーマの幅や進度もさまざまです。

「高校での学び」を大学や社会に接続させる

そうした様々な探究を進めている高校生の探究力磨きをお手伝いできないか、と考えて始めた最新の取り組みが『高校生ミライ探究部』(https://tankyu-skill.com/workshop)です。

すでに発表している『自由すぎる研究』に応募された成果物を見るとわかるのですが、高校生の探究成果は十分に地域などの課題解決に有用なレベルになってきています。高校生にとって、そうした探究をさらに突き詰めていくことは、その先の進路、とくに大学選択への重要なモチベーションになることは疑いようがありません。また、少子高齢化が進み課題山積の現状を鑑みれば、地域社会や企業・自治体にとっても、その成果とパワーを知り、協働の道を模索すべきではないでしょうか。

『高校生ミライ探究部』は、このような文脈にのっとって素直に考えた結果、多くの地域活動家や大学の学びとの接続を支援する、というコンセプトで実施することとなったのです。


社会課題解決で高校生が活躍するミライを目指す参加実践型ワークショップ『高校生ミライ探究部』

これまで探究学習支援の先駆けとして取り組んできたトモノカイが新たに始めた『高校生ミライ探究部』とは、普段の探究活動を一段高めるための高校生向け「参加実践型ワークショップ」です。参加した高校生がさまざまな専門領域を持った社会人の方たちから探究につながる学びを得る機会を設けています。

2023年夏に開催した「高校生ミライ探究部 2023summer」では、大きく3つのカテゴリ「#探究力を高める」「#社会とつながってみる」「#探究を進路につなげる」に沿って、8つのプログラムを実施しました。




地域を限定せず全国から想いを同じにする高校生が集まるオンライン開催、より深く講師と対面でワークができる実地開催の2形式で開催。地域や学年を問わず、さまざまな高校生が全国各地から参加しました。

セッションでは、それぞれの専門領域をもった講師陣と、日ごろ「探究メンター」として高校生の探究を支援する大学生スタッフによるサポートのもと、高校生たちは社会課題や進路について真剣に考え、ワークショップに挑みました。

当初、学校や先生向けに開催告知を進めたにもかかわらず、実際に参加申込をしてきたのは、ほとんどが高校生本人から。探究への真剣度と関心の高さをうかがい知ることができました。参加動機やイベントへの期待について答えてもらったアンケートによれば、「探究を生かして自分に合った進路を見つけたい」「自分の研究をもっと深めたいが、大人からのアドバイスがほしい」など意欲的な意見が目立ちました。


参加した高校生からは、このような声をいただきました。(一部抜粋)


―――今⽇のプログラムで新たに学んだことや、気づいたことは何ですか︖

■7/31開催プログラム「地球にアイデアを授けよう」

いいアイデアを考えるには、思い込みをいかに排除するかが大事で、そのために様々な視点から思考したり、課題を分解して漏れのないように書き出すことが有効であることを学んだ。アイデアを膨らませるには問いを起点にして考えるとよいことを知り、身近な物事に問いを持つことが大事だと気づいた。アイデアで好循環を作れる人になってほしいというメッセージが伝わってきました。(高校2年生)


■8/7開催プログラム「フレームワークで探究スキルを磨き上げよう」

自分たちの探究を深めるヒントを得ることができました。フレームワークも活用することで、いつも気づかないことに気づくことができるのでとても役に立つということが分かり、今後より良い探究ができると実感できました。(高校2年生)


■8/10開催プログラム「探究から始まる学校推薦・総合型選抜対策」

私の研究したいことが再確認でき、迷いがなくなりました。また、伝えるスキルを学べたので、今後、咀嚼して自分のモノにしていきたいです。(高校3年生)


真剣にグループワークに取り組む高校生の様子


この「高校生ミライ探究部」を企画するにあたって留意しなければならない点がありました。それは、学校や学年によって探究の進め方や方針が異なる点で、それにより、一律に同じプログラムを提供しても受講する生徒にとってマッチ度合いが異なります。

また、基本的には、生徒自らテーマを決めて探究するという探究学習の特性上から、自分のやりたいことや自分にとって必要に感じることを選んで受講できる選択の幅を設ける必要がありました。

そこで、先述のとおり、ワークショップに3つのカテゴリとして「#探究力を高める」「#社会とつながってみる」「#探究を進路につなげる」を用意し、生徒の探究の進度に応じてプログラムを選べ、多くの高校生が参加できるよう心掛けました。

「#探究力を高める」では、探究活動そのものを円滑に進めるための実践的なスキルを磨くプログラムを用意しました。また「#社会とつながってみる」では、地域人材や専門領域で活躍する社会人が講師となり、プロの社会を見る視点から学び、自身の探究テーマに生かすプログラムを用意。

「#探究を進路につなげる」では、高校での探究活動を大学進学に生かすための実践的なプログラムを用意することで、多様なニーズに応えられるようにしました。


既存の仕組みとも連携しながら、意欲ある高校生たちの勇気と本気を解放させたい

高校生が社会を変容させる

我々の事業は高校生の未来を切り拓くお手伝いをするものです。そのことを強く意識するからこそ、「生徒の本音から逃げない」ということを大事にしています。

いまの社会は大人が中心となって作っているからこそ、大人が勝手に“高校生”のイメージ(=枠)を決めてしまっているように思います。じつは、一般的な大人たちが思っているよりも、今の高校生は偏差値のレベルだけでは測れないほど、前向きで、社会に貢献できるパワーを持っているし、その意欲も高いのです。むしろ、新しい社会の変容に対してブレーキを踏んでいるのは周囲の大人だとも言えると、私は思っています。

そんな高校生たちの本当の現実に対して、私たちは向き合わなければなりません。彼らの勇気と本気を開放させることが、これからの私たちの社会をより良くしていくカギになると信じています。

生徒の「興味・関心」を中心に、周りが協働する未来の教育

その高校生たちの勇気と本気を開放する機会になれたらと始めたのが、『高校生ミライ探究部』というワークショップです。先にお伝えした通り、私たちは教育において既存の仕組みと喧嘩しない新しいバランスを考えて、このイベントも作っています。

学校と塾のどちらを優先すべきか、という議論が起きることがあります。しかし、我々は、これからの教育には学校と塾が別々バラバラなものではなく、協働して生徒の可能性を切り拓き、磨いていくことが必要だと考えています。あくまで、生徒の「興味・関心」などを中心として、その可処分時間を周囲が協働して磨き上げていくのです。

その結果として、学校というシステムのメリットを最大限に活かしながら、教員などのワークライフバランスも意識した新しい社会としてのバランスを見出すべきではないでしょうか。


社会で求められる力を学生のうちから身につけられたら。社会人の先輩として、彼らの成長機会を作っていきたい


今でこそ、このように探究のことを語っている私ですが、前職ではエンターテインメントという教育とは真逆とも言えるような業界に身を置いておりました。それが、なぜ教育業界で探究という新しい学びに向き合っているのか。

読者のみなさんも経験があるかもしれませんが、社会人を始めると毎年のように「~シンキング」などの書籍やノウハウが登場し、それらにおぼれて四苦八苦している人がいます。私もそのような多くの新社会人を見てきました。

その時に感じたのは「そもそも、なぜそのような事になるのか?」という疑問です。どうせ社会に出るとそのような状況になるのであれば、なぜ、もっと早く、学生のうちからその力を意識させ、身につけさせないのかと。

これが、私が教育にかかわりたいと考えた根本的な理由でもあるのですが、まさに今、「探究」の領域で中高生にそのような力を意識させることに従事しているのです。既に、さまざまな教材やワークショップを通じて、そうした社会で求められる力を意識させることの効果を実感しています。

さらに、教育業界に来る以前に想像していた以上に、中高生の情熱とパワーは素晴らしいものがあると、日々、認識を新たにさせてもらっています。

じつは私と一緒に取り組んでくれている仲間たちも、さまざまな立場から、同じような課題を感じて集まってくれた人たちです。そのほとんどは、教育について学んだことがあるわけでも、業界経験があるわけでもありませんでした。

しかし、「探究」については、社会にこそ学ぶべき要素が詰まっているものです。先に紹介したように、社会人に必要とされる力を育むものなのですから。教育業界の経験のない私たちでも、むしろそんな私たちだからこそ、私たちならではの提供価値を見出せるものと信じて取り組んでいます。

これからの社会に必要なのは、私たちもふくめた社会や大人たちが、探究を学ぶ彼らの可能性を信じて、支援し、機会を与えること。そして、下手に彼らの邪魔をしないことだと考えています。

将来的には、学ぶ場やイベントも、しっかりとした経済活動として、高校生が高校生のために運営するような未来を模索してみたいと考えています。


■株式会社トモノカイ

https://www.tomonokai-corp.com/

■探究サービスサイト(日本探究部)

https://tankyu-skill.com/

■高校生ミライ探究部

https://tankyu-skill.com/workshop




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