答えのない問いを解決する思考力や自己肯定感を高められる、アートの通信講座「リビングアート」開発の裏側
株式会社鎌倉学び舎は、「自らの力で人生を切り拓き 生き抜いていける人の育つところ」を目的とした学童保育施設を、神奈川県鎌倉市にて開校して8年となります。当校では、学童保育施設でありながら、アートや伝統文化を中心としたお稽古の活動を通じて、「自分らしく生き抜く力」「コミュニケーション力」「人とものを大切にする心」を育んでいます。
そんな私たちが湘南の地で長い歴史と高い実績を持つ美大・藝大専門予備校である湘南美術学院様とタッグを組み、お家でできるアートの通信講座である「リビングアート」を共同開発しました。これはお家に毎月必要な材料や道具が届き、それを使って動画コンテンツを見ながら実際に作品を作るというものです。作品を写真に撮って送ると、講師から動画でコメントが届きます。こうした流れの中で、答えのない問いを解決する思考力や自己肯定感などを高めることができる教材です。
このストーリーでは、「リビングアート」開発の経緯についてご紹介します。
全国の子どもたちに、通信教育でこれまで取り組んだメソッドを伝えたい
当校が開校から8年目に入り、入学当初には自分に自信がなかった子が、アートを軸とした活動を行う中で、数ヶ月後には自信に満ちた様子に成長し、さまざまなことに積極的にチャレンジできるようになったという例を数多く目にしてきました。そして今年の3月、1年生から6年生までを鎌倉学び舎で過ごした児童が初めて卒業しました。それを機に、これまで鎌倉学び舎で取り組んできたメソッドをより多くの子どもたちに伝えたいという想いが生まれました。
しかし、私たちだけの力では全国に鎌倉学び舎のような施設を創るのは難しいです。そこで、動画を使ったオンデマンドの通信教育ならば全国の子どもたちに届けることができるのではないかと考えました。
通信教育教材を制作し、お客様からお金をいただくならば、より質の高いアートの知識・技術に基づいた教材を作りたい。そう思った時に真っ先に思い浮かんだのが湘南の地で長い歴史と高い実績を持つ美大・藝大専門予備校である湘南美術学院様でした。「美術は世界を変えられる」という理念のもと、大学に合格することがゴールなのではなく、一生を見据えその人にしかできないアートを展開させるような指導をしています。
小中学生を対象としたジュニア科での実際の指導場面を見ると、一人ひとりの感じ方や表現を尊重し、褒めるところは褒め、さらにレベルアップするための知恵も授けるというような指導方法。そうした中で受講する子どもたちの良さがグングン伸びていくのを目の当たりにしてきました。
このような子どもへの眼差しや指導方法は鎌倉学び舎の考え方と共通すると日頃から感じていたため、ぜひ一緒に歩みたいと思うに至りました。
想いに賛同していただき実現した共同プロジェクト
当校としては他社との共同プロジェクトを行うのは初めてのこと。湘南美術学院様が賛同して下さるのかドキドキしながら伺いました。社長、役員、学院長、ジュニア科長と4名の重鎮が待つ部屋に入ると足が震えましたが、緊張しながらも私たちの想いをお伝えすると、快く賛同して下さいました。湘南美術学院様としても低学年のうちから学童保育などでアートに触れる場をつくりたいという思いはあったものの、低年齢児の教育の専門家ではないことから実現には至っていなかったということでした。また、一生役立つ思考力などのスキルを身につけるために有効な手段としてのアートという切り口を世に広めていきたいというお考えもお持ちだったことから、晴れて共同開発を行う運びとなりました。
アートを通じて、将来にわたって役立つスキルを身につける
共同開発が決まってからは、毎週ミーティングを行ってきました。最初に議論したのは、アートに取り組むことで育つ力はどのようなものなのかということ。「アートは全工程型」というように、何か作品を作り上げていく過程というのは、仕事で0から1を生み出していく過程と同じ要素が入っていることなどを確認しました。これは世界最新の教育であるSTEAM教育に「A(アート)」が入っている意義の一つでもあります。幼児期から取り組める身近なものとしてのアートですが、それに取り組む中で、将来にわたって役立つスキルが身につくことに注目し、それを実現できる教材作りを目指すこととなりました。
※STEAM教育
Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)を統合的に学習する教育にArts(アート、リベラル・アーツ:人間を自由にする技)を統合する教育手法。
答えのない問いを解決する力を育む、楽しいプログラムの設計
では具体的にどのようなプログラムにするか。考え始めてみると決めなければいけないことが山ほどありました。最初は「素材」を軸にしたプログラムを考えてみました。ある素材(例えばモール)を使ってどのようなものが作れるかを初級・中級・上級で紹介する、という形で構成してみましたが、それだとどうしてもテクニカルになってしまう…と行き詰まることに。
そこで全員で議論を重ねた結果、素材を軸にするのではなく、毎回「テーマ」を設定し、ホップ・ステップ・ジャンプと少しずつ進んでいく中で一つの作品が出来上がる、ただし、途中で終わりにしても素敵になるし、送られた材料を見て何かをひらめいたらそれを作ってもいい、という自由度の高いプログラムに落ち着きました。答えのない問いを解決する力を育むためには明確なゴールを定めないことも必要な要素であるとの考えからです。
そこまで決まったらさらに具体的なことを詰めていく必要があります。毎月のプログラムの教育的ねらい・アート的ねらいは何か、それをよりよく実現するために動画の構成はどのようなものにするか、どんな台本にするか、材料は何を使うか・どこから仕入れるか、スターターキットにはどのような製品を入れるか、動画を配信するための会員サイトはどこのサービスを利用するか…など、一つひとつ、製品を取り寄せ、吟味しながら決めていきました。スターターキットに入れる道具も、毎月お送りする材料も、アートの専門家が選んだ質のよいものをお届けしたい。中には海外から取り寄せなければならなかったものもありますが、妥協せずに「使った時に心から楽しさを感じられるもの」を選びました。
実際に台本を書き進めてみると、「小学校低学年でもわかるように」ということの難しさを感じました。「この言葉では伝わらない」「この手順では難しすぎる」など、議論と検証を重ねてようやく完成。その結果、受講者にとっては教育的意図に気づかずただ楽しいプログラムですが、繰り返し受講しているといつの間にかさまざまな力が身につくという形になるよう設計することができました。
パイロット版を作成し、「わかりやすい」製品を追及
そして本製品をリリースする前に、パイロット版を作成しました。これは自分たちで台本作成から撮影、編集まで行いました。いくつかの家庭に依頼し、実際に使ってみてもらい、ヒアリングを行いました。その際、全体の雰囲気などについて高評価をいただいた一方で、動画のアングルや指示不足によるわかりにくさなどのご指摘もいただきました。これらはパイロット版作成時点では私たちも気づいていなかったものであり、良い気づきになりました。お陰で、いただいたご意見を本製品の制作に活かすことができ、「わかりやすい」とのお声をいただけるようになりました。
プロのカメラマンの撮影で、見やすく分かりやすい動画制作を実現
パイロット版のフィードバックをいただき終わった後、本製品用の動画を制作して下さるプロの方を探し始めました。私の友人でNHKの教育テレビで番組を長年制作していたディレクターに誰か適任がいないか相談したところ、友人本人が担当して下さることに。予想外の展開に一同喜び、お願いすることにしました。撮影はプロのカメラマンが担当してくれることになり、見やすくわかりやすい、高クオリティな動画制作が実現できました。
お陰で今では毎月ご利用者様から「動画ではありますが、子どもが自分だけに話しかけてくれていると感じるようで、ニコニコしながら嬉しそうに受講しています」「出来上がった作品への先生からのコメントのクオリティがとても高くて、『そこまでして下さるのか!』と感激しました。子どももすごく嬉しそうに照れながら見ていて。とても良いシステムですね!」「子どもは集中力が続いたり続かなかったりすることがありますが、その時のペースに合わせて止めたり、戻ったり、何日かに分けて行ったりというのが自在にできるのが最高です」「うちの子はみんなで一斉に何かをするのは苦手なのですが、これは自分に合ったペースでできるのでストレスなく進めることができています」「自分は自分のままでこんなにも素晴らしいんだと自分で感じ、気づけるプログラムでした。リビングアートはアートを通した生きる力の土台作りになると思いました!」などの嬉しいお声を多数いただいています。
双方向性のある家庭教師のような存在で寄り添える講座
毎月、ご利用者様が楽しみながらさまざまな力を育めるよう、みんなで議論しながら情熱を注いで真剣に制作しています。動画を撮影する際には出演している講師たち自身が夢中になってしまうほど楽しいプログラムなので、見ている方にもきっと楽しんでいただけると自信を持って世に送り出しています。毎月ご利用者様から送られてくる作品の写真を見るのは私たちの楽しみで、毎回みんなで「ここが素敵〜!」「私はこのアイディア好きだな〜!」など、ワイワイと大喜びしながらコメント動画を撮影しています。通信教育ではありますが、これからも双方向性のある家庭教師のような身近な存在としてご利用者様に寄り添い、心のこもった講座を作り続けていきたいと思っています。
文責:株式会社鎌倉学び舎
代表取締役 大滝世津子
博士(教育学)、東京大学大学院教育学研究科博士課程修了(総代)、鎌倉女子大学児童学部児童学科で長年専任講師を務めた後、それまでに得た知識と経験を活かした理想の学童保育施設「鎌倉学び舎」を創設。開校当初から世界でも注目され始めたアートを軸とした保育を行うことで、自分に自信がない状態の子どもが自信をつけ、さまざまなことにチャレンジできるようになるメソッドを確立。リビングアートはそのメソッドをベースに作成したもの。著書、論文多数。日本保育学会保育学文献賞、保育系論文コンテスト優秀賞など受賞多数。テレビ、ラジオ等への出演、新聞の識者コメントも多い。
商品・サービス情報
リビングアート
【第17回キッズデザイン賞受賞】答えのない問いを解決する力を育む通信教材。お家で動画を見ながら楽しくアートに取り組むだけで思考力が身につきます。道具も材料も届くから買いに行く手間もゼロ!作品を写真に撮って送ると先生から動画でコメントが届き自己肯定感も高まります 。今なら980円でお試し体験していただけます。詳しくは以下のサイトをクリックしてご覧ください。
https://kamakura-manabiya.jp/lp/clp/la_2309_01qlm/
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