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進化系ネオがんもどき「ギャンモ」の躍進に注目。代替肉から脱し大豆製品として勝負することになった経緯とは。

著者: 一般社団法人日本ソイフードマイスター協会

一般社団法人日本ソイフードマイスター協会(東京都世田谷区 代表理事池上紗織)は、ニュートラルな立場で大豆の魅力を伝えるべく、和食だけにとどまらない大豆料理(ソイフード)のレッスンや資格取得講座の開催、企業向けレシピ開発やコラボ事業を行っています。


昨今、健康志向や環境問題が危惧され、プラントベースドフード(植物性食品)が注目されています。当協会では数年前から「プラントベースドフードが数年後に絶対来ます!」と話していました。本当に、ここまで普及するとは、正直驚きです。

ただ残念なことに、日本にはもともと豆腐製品という素晴らしいプラントベースドフードが豊富である、ということが置き去りにされている気がします。アメリカを中心に広まってきた「見た目も味もジューシーさも再現することを目指したお肉っぽいもの(いわゆる代替肉)」は、日本でも普及し始めています。それはそれで大変面白く、一定の人にとっては価値があり、フードテックの向上とともに益々普及するでしょう。しかしそれと同時に、「畑の肉とも呼ばれる大豆」をずっと昔から加工して食べている日本人だからこその視点・加工技術も私は忘れたくないのです。

一般社団法人日本ソイフードマイスター協会代表理事 ソイフード研究家池上紗織

10年以上前から健康や環境面で大きな役割を持つソイフード(大豆料理)に注目。自身の体質改善もきっかけとなり、2014年当協会を設立。

インバウンド需要で増え続ける代替肉市場に対する違和感

転機は東京オリンピック前。プラントベースドフード(植物性食品)が市場に増えてきた頃でした。日本人の多くは雑食で、完全なベジタリアンやヴィーガンの食生活を送る人は決して多くありません。しかし海外に目を向けると、一定数ベジタリアンがいる国はたくさんあり、彼らのことも受け入れられるメニューを用意しておかないとインバウンド需要は取り込めません。コロナ禍により東京オリンピックは無観客開催となりましたが、訪日客を見込んで各社が植物性食品の開発を加速させたことは間違いないでしょう。そして今も増え続けています。


植物性食品の代表的食材である大豆。しかし「代替肉市場」では大豆の味がすることがマイナス評価となります。「食べ物とは」と考えた時、それはどうなのでしょう。

それが、原点に帰って開発した「進化系・ネオがんもどき GAMMO(ギャンモ)」の誕生につながりました。


JALのファーストクラスラウンジで一般メニューとして採用

開発の経緯は後述しますが、2023年9月~11月のメニューとして、羽田と成田のJALファーストクラスラウンジでギャンモが採用されています。世界中の食通にお試しいただける素晴らしいデビューとなりました。ラタトゥイユ、ケール、バルサミコソースで頂く一皿は、さすがの一言です。ヴィーガンの方もお召し上がりいただけるものですが、一般メニューとして扱っていただいています。










きっかけは、「家庭のキッチンで作れるものなら」と引き受けたレシピ開発

ある年、とある大豆ミート製造メーカーから、自社製品を使ったパテレシピ開発を依頼されました。自分のポリシーとして、子どもに食べさせたいと思えるものを作りたいという想いがあり、家庭のキッチンで作れるものなら、という条件で依頼を引き受けました。

材料は誰もがスーパーで調達できるものを使いました。とはいえ、依頼の要望を叶えるためには、脂身を再現するための素材づくりや、注射針を使用するなど、非日常的な作業も含まれていました。ただ、多くの試作をする中で唯一「これだ!」と思ったのが、お豆腐を使うということでした。

粘り気の無い大豆ミート(※)をまとめ上げるためにお豆腐を使う。これが「ネオがんもどき構想」の始まりでした。


※JAS法では規定量の大豆たんぱくが含まれる食品を大豆ミートと定めているためあらゆる加工品がありますが、ここでは大豆100%の大豆加工食品を指しています。

昔ながらの大豆加工食品×新しい大豆加工食品で生まれたギャンモ

「大豆ミートなんて」と毛嫌いする昔ながらのお豆腐屋さんの存在も耳にしますし、一方で昔ながらの大豆加工技術をまったく活用しない新興の大豆加工メーカーも登場しています。職業柄ずっと気になっていたのは「お互いのいいとこどりをしたらいいのに」ということです。しかしまったく生まれる気配はありませんでした。そこで、自分で「進化系ネオがんもどき」のレシピ開発を進めていました。諸説ありますが、がんもどきは「雁(鶏肉)のもどき」つまり元祖代替肉です。とはいえ、誰も鶏肉だとは騙されずに、それはそれとしておいしく食べていますよね。そこがポイントです。


肉の代替ではなく、カニカマのような地位を確立できる製品を目指して

いわゆる代替肉としての大豆を用いたプラントベース食品に対して

「おいしくてリピートしたい!」という人もいれば

「おいしくない、人に勧めたくない。」というネガティブな意見が多いのも事実です。

 

「バターたっぷりのクッキー」を期待している時に醤油せんべいを出されたら、ガッガリしませんか?

プリプリでジューシーなソーセージを期待している時に、魚肉ソーセージが出されたら、ガッカリしませんか?

 

期待や想像とかけ離れているほど、ガッカリ感が強くなります。でも、お煎餅を食べたい時も、魚肉ソーセージやかまぼこが食べたい時もあります。本来それはおいしい食品です。


大豆を「完全に動物性の肉の代替」として捉えるには、どこか無理があるのではないか、という想いが根底にあります。カニかまぼこだって「カニカマ」としての地位を確立していると思います。プラントベース食品も「それはそれとしての地位」を確立させ、肉と比較しない方がいいのではないかと思うのです。


最新の技術だからこそ生み出せる大豆加工品は確かにあります。これまでの大豆加工技術では生み出せなかった「噛み応えのある食感」が出せるようになったのです。あくまでもそれは食感であり、味ではありません。

「大豆だってわからないね!」が誉め言葉の代替肉製品。

「大豆の味がしっかりしていておいしいね!」と言われる豆腐製品。

真逆です。私たちは原点回帰し、堂々と大豆製品として勝負することにしました。

製造してくれるコラボ企業と出展した展示会では大反響が

当協会は食品製造業ではありません。この想いに共感し、形にしてくれる企業を探していました。2022年初頭にこのプロジェクトのコラボ(提携)第一弾となる企業が名乗りを上げてくださいました。長年大豆ミート製造を手掛けてきた株式会社エヌ・ディ・シー(本社:岐阜県各務原市 代表取締役市川吉徳)です。

紆余曲折ありながらもなんとか形にし、2023年3月、国内最大級の食品展示会FOODEXに出展したところ、予想以上の大反響で「おいしい!」の声をたくさん頂きました。

試食は瞬く間になくなりました


代替食ブースでありながら「代替肉ではありません!」を連呼しました。とにかく肉製品と比較してほしくありませんでした。「新しい大豆食品」として食べてもらいたかったのです。

2022年は、あらゆる食品加工会社への製造依頼と試作と頓挫を繰り返しました。最終的にはエヌ・ディ・シー内にギャンモラインを新設することになり、この秋から正式に業務用として販売を開始することができています。

株式会社エヌ・ディ・シーと日本ソイフードマイスター協会がタッグを組んだ展示会

大豆食文化を日本国内外に周知させると共に、農業も含めた大豆業界全体を様々なメーカーと活性化させていきたい

ギャンモは、商品名ではありません。豆腐・厚揚げ・がんもどき・ギャンモ、というように、新しいジャンルと捉えています。ですから、様々なメーカーに参画してもらいたいと考えています。(※ギャンモは当協会の商標登録です。)

目指していることは「日本の大豆食文化を国内外に周知させると共に、農業も含めた大豆業界全般の活性化」です。代替肉という切り口ではなく、原点に戻りつつも新しいものを作ることで、大豆食文化のさらなる発展に貢献できればと思います。輸出にも動き出しています。

和食の普及ということではなく、「大豆を美味しく頂く」という大豆食文化は、日本が世界をリードできる分野だと思っています。


ギャンモ参画メーカー・飲食店

ギャンモプロジェクト参画第一号が株式会社エヌ・ディ・シーで、ギャンモボールを製造しています。そして第二号として、ギャンモプロジェクト始動時から試作などでお世話になっていた熊本県のお豆腐屋さん「親父のガンコとうふ」がGAMMOパテを製造します。現在、参画第三号、第四号メーカーも動き出しているところです。


JALファーストクラスラウンジでギャンモボールが提供されるようになりましたが、一般的な飲食店においては、まず下記の2店で始まります。


ライスバーガー専門店おこめどき(東京・渋谷)

東京都渋谷区神宮前5-29-10 クリプトメリア神宮前ビル 1F

2023年9月29日よりギャンモメニュー提供開始

・ギャンモサラダ(株式会社エヌ・ディ・シー製ギャンモボール)

・ギャンモライスバーガー(親父のガンコとうふ製ギャンモパテ)



































ヴィーガンバーガー専門店LUNA BURER(神奈川・鎌倉)

神奈川県鎌倉市長谷2-17-23 (鎌倉・長谷駅近く)

2023年10月よりギャンモメニュー提供開始


ギャンモ製品・ギャンモプロジェクトに関するお問い合わせ

上記のギャンモプロジェクト趣旨に賛同し、参画いただけるメーカー・飲食店を随時募集していきます。

現在の製品のお取扱い希望の飲食店、これから新たにギャンモの製造を検討したいという食品メーカーは、下記までご連絡ください。

gammo@jsfma.jp


取材に関するお問い合わせはこちらのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

https://www.jsfma.jp/contact


インスタグラム @gammo_japan











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