資格試験で54年の実績があるクレアールがWeb学習ツール「CROSS STUDY」を開発。認知心理学の学習法を搭載し難関資格試験の学習方法を変える
株式会社クレアールは、1962年より続く専門学校から受け継いだ教育ノウハウを基に、大学生・社会人向け資格教育を担う通信教育機関として1998年にスタートしました。資格指導歴は54年となります。限られた時間の中で学習する大学生・社会人の方々に向けて、難関資格や検定試験の合格に向けた学習支援を行っています。
今回のストーリーでは、難関資格を勉強中の悩みと気づきから開発した【認知心理学の学習法を搭載したWeb学習ツール「CROSS STUDY」】の開発の裏側についてお話したいと思います。
「非常識合格法」で開拓する、資格試験の攻略法
当社が学習支援を行っている資格や検定試験は難易度が高いものが多く、その試験では高度な専門知識を幅広い分野から問われることが多いため、合格するためには膨大な知識の習得が求められます。しかも馴染みがない専門用語や難解な法律がほとんどのため決して楽に覚えられるものではありません。
当社では”合格すること”に徹底的にフォーカスして試験対策を練った結果、合格に必要とされる学習範囲のみを集中して反復学習し理解をすることが合格への近道であると考えました。そして資格学習の通信教育をスタートした1998年より他社に先駆けて短期合格に必要十分な範囲に絞って学習することを提唱してきました。当社はこの学習方針を「非常識合格法」と名付けて、提供するすべての講座において教材開発の指針としています。
しかし学習教材をこだわり抜いていても、当社を利用したすべての受験生を合格に導けるわけではありません。真面目に学習に取り組んでいても合格するとは限りませんし、多くの時間を学習に充てて何度も挑戦する人がいる一方で一回の挑戦で合格する人もいます。
私たちはこの結果の差を、個人の能力や努力の不足とは思いませんでした。不合格の方は資格試験の学習に対するコツのようなものを掴めていないのではないか、それを私たちから受験生に伝えることで、さらに多くの方を合格に導けるのではないかと考えました。まずはこれまで当社を利用いただいた多くの合格者から提供していただいた受験体験談をもとに、結果に差がつく要因について分析と模索を行っていました。
4度目の挫折を経て出会った「効果的な学習法」
難関資格の学習支援を行う当社には、自身も難関資格の取得を目指して勉強をしながら働いているスタッフもいます。司法書士講座での受講生サポートを担当する関口もその一人でした。彼は司法書士試験に5回挑戦してようやく合格したのですが、彼には合格に至るまでに明確なターニングポイントがありました。4回目の試験が不合格だった時に、自分の学習方法を根本から変えたのです。
関口は当時を振り返って言います。
「わずかなスキマ時間も勉強に充てて過去最高の状態で挑んだ4回目の試験が不合格だった時、ふと、根本的な何か、もしかしたら勉強方法が間違っているのではないかと思いました。そこでまず、勉強方法について書かれている本を読み漁りました。資格試験に必要な項目を『精度を高めて記憶する力』と『必要な時に記憶から知識を呼び出す力』を高められる勉強方法はないかと調べていくうちに出会ったのが、認知心理学の学習法でした。その中には、自分が好んでいた学習法、例えばテキスト中心の学習や短期間に集中して同じ範囲を繰り返す学習が、効果的ではないと分かり衝撃を受けました」
「私は司法書士講座の受講生サポートを担当しているため受講生からのご相談に乗る機会が多くありますが、勉強方法については受講生の多くが悩んでいると感じていました。主な内容は、自身がとっている学習法でよいのか自信が持てないというものです。私は自分自身が認知心理学の学習法を取り入れて翌年の試験に合格できたことから、この認知心理学の学習法は資格試験にとって有効な方法ではないか、この学習法を受講生にも広く伝えられないかと考えました」
関口の思いと『認知心理学の学習法』を知った私たちは早速調査を始めました。
認知心理学は資格学習に効果があると考えられる
認知心理学とは実験的・統計学的なアプローチにより人間の心、特に知覚・記憶・思考・言語・学習・意思決定・行動選択などの認知の働きを解明して「認知をコントロールすること」を目的とする学問です。
日本では主に幼児や小学生を対象にして、認知心理学の知見を利用した教育手法の実験と検証が行われており学習効果について多くの報告がなされています。イギリスやアメリカでは認知心理学の知見を積極的に学校教育に取り入れており、公的な機関が主体となって効果検証の結果を一般に公開しています。特にイギリスでは学習効果の結果とともにその手法を教師が現場ですぐに実践できるようにパッケージ化して公開されています。
このように『認知心理学の学習法』には多くの成果やエビデンスが報告されているものの、その対象は学校教育の現場がほとんどでした。「子ども」や「学校の勉強」に効果があっても「大人」や「資格試験の学習」にも同じように効果が見られるのかが私たちにとっての重要な論点です。しかしそのような検証結果はなかなか見つかりませんでした。
そこで私たちは専門家にお話を伺うことにしました。「認知心理学の知見は資格学習においても有効なのか」について、大阪大学大学院名誉教授の三宮真智子氏、ならびに岡山大学准教授の岡崎善弘氏に直接教えていただくことができました。お二人の見解は同じく「大人でも効果は見られます」とのことで、大変心強く感じました。
三宮先生と岡崎先生には「資格試験にはどのような認知心理学の学びを取り入れると良いのか」というアドバイスをいただきました。詳細は下記サイトにて公開しております。ぜひ先生方の記事をご覧ください。https://www.crear-ac.co.jp/cstudy/
また、上記の知識を得た後にあらためて合格者の受験体験談を見直してみると、彼らが行っていた勉強方法や学習スタイルの中には『認知心理学の学習法』の要素が反映されていたケースが多くありました。これらのことから私たちは認知心理学の学習法は資格試験の対策にとって有効であることを確信しました。
Web学習ツールの開発を通して、認知心理学の学習法を手軽に取り入れるための最適解を模索
認知心理学の学習法をどのような形にして当社の受講生に提供するのが良いのか検討を始めましたが、当社は通信教育の資格スクールです。打ち合わせの最初の段階から、パソコンやスマホ、タブレットで手軽に演習できる「Web学習ツール」を提供することで意見は一致し、開発プロジェクトを進めていきました。
プロジェクトリーダーの泉は開発時を振り返って言います。
「熱意を持ったメンバーで開発を進められました。”このWeb学習ツールによって資格学習のやり方が根本から変わるよね”と話しながら会議を進めたことを覚えています。各々の思いが強いために議論が白熱することもありました。利用者の立場から多くの機能を実現したい一方、多機能ゆえに使いづらくなったり開発コストを考えて妥協が求められる場面もありました。”認知心理学を正しく実装すること””受講生にとって使いやすいこと”を念頭に置きながら当社が提供するWeb学習ツールの最適解を探っていきました。」
「しかし開発が進み始めたころ、開発プロジェクトのメンバー以外のスタッフはWeb学習ツールをどこか他人事に感じていることに気づきました。プロジェクトの状況の共有が十分にできていなかったのが原因だと感じました。そこで社内の全員に関心を持ってもらうため、Web学習ツールの開発に巻き込むと同時に啓蒙活動を始めました。
まず製品のデザインは若手社員から意見を集めて決めました。認知心理学の学習法については社内勉強会を開催し、Web学習ツール開発の経緯を繰り返し共有しました。少人数での質問会を行い、Web学習ツールを受講生に提供する際の不安について地道に対応しました。そして製品の名称やロゴは全社員からの投票によって選びました。こうした活動の中でWeb学習ツールは徐々に社内に浸透していきました」
そして2023年8月に、認知心理学の学習法を搭載したWeb学習ツール「CROSS STUDY」が完成しました。
学習指導の新たな軸として受験生を力強くサポート
Web学習ツール「CROSS STUDY」は最初に司法書士講座の受講生にご利用いただくことにしました。提供を開始して2か月が経過し、受講生からは
- 隙間時間を使って手軽に学習できる
- 間違えた問いや自信のない問いを効率的に検索できる
- 自分が本当に苦手な分野を知ることができてピンポイントで学習できる
- 効率よく問題を解くことができ、記憶作業において効果が大きいと感じた
- 使いこなせば問題を解くスピードと正解率を上げることができるのは間違いないと思う
等のポジティブな声を次々といただくことができました。CROSS STUDYが受講生の学習に役立っていることを実感しています。
現在CROSS STUDYは、行政書士講座、中小企業診断士講座、ファイナンシャルプランナー講座、ITパスポート講座、公務員講座へと展開を進めました。先日(10月20日)には社会保険労務士講座でも提供を開始し、合わせて6千名を超える受講生にご使用いただいています。
資格取得を目指す受験生の学習方法の悩みを解決するため、社内全体の取り組みによって「CROSS STUDY」という新たなWeb学習ツールが誕生しました。全社員を巻き込んだ開発により製品への愛着も強く芽生えたように感じます。
最近はCROSS STUDYへの機能追加のご要望をいただくこともあり、CROSS STUDYの今後の成長に期待を寄せてくださる方が増えてきているのを感じています。
私たちは、このWeb学習ツールが資格取得を目指す多くの受験生に利用され、「資格の学習法が分からない」「時間が無い中で効果的に結果を出したい」と悩む受験生の解決へつながることを期待しながら、これからも受験生に寄り添った学習サポートと製品開発を続けていきたいと考えています。
関連リリース
■株式会社クレアール 概要
所在地:東京都千代田区神田三崎町1-1-17 ハヤシビル
事業内容:就職試験・資格試験指導事業 / 企業人材研修教育事業
大学・短大等就職支援・資格取得支援教育事業
代表者:竹内 陽一
資本金:7,000万円
設立:1998年4月27日
Webサイト:https://www.crear-ac.co.jp/
<取り扱い資格/講座>
・公認会計士 ・司法書士 ・行政書士 ・税理士 ・社会保険労務士 ・中小企業診断士 ・宅地建物取引士 ・公務員 ・簿記検定 ・FP(ファイナンシャルプランナー) ・情報セキュリティマネジメント ・ITパスポート ・給与計算実務能力検定
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