北海道コカ·コーラの新領域!飲料だけでなく、コーヒー豆かすをアップサイクルしたバスグッズでも「さわやかさと潤い」を提供したい。
北海道コカ·コーラボトリング株式会社は、コーヒーブランド「ジョージア」などを製造する際の副産物であるコーヒー豆かすのアップサイクルに取り組んでいます。コーヒーには「ほっとひといき」や「心が落ち着く」という温かなイメージがあることから入浴シーンとの親和性を感じ、バスグッズブランド「BathCafé」が生まれました。このストーリーでは、飲料メーカーがバスグッズブランドを企画し、立ち上げるまでの少し“ビター”な裏側や今後の展望をお伝えします。
長年愛されているコーヒーが生んだ新たな循環型事業
北海道コカ·コーラボトリング株式会社は、北海道を事業エリアとして飲料の製造及び販売を行う“どさんこ企業”ですが、2019年に新設された部署「成長戦略策定室(のちに新領域デザイン室へ改名)」で既存の経営資源や事業領域にとらわれずに社会の課題に寄り添う循環型事業の創出に取り組んできました。
その中で「コーヒーブランド「ジョージア」などを製造する際の副産物であるコーヒー豆かす(年間約3,000t)を、新しいプロダクトにアップサイクルする」というアイディアが生まれました。
コーヒー豆かすの100%リサイクルは大きなビジネスチャンス
当社では、コーヒー豆かすは近郊都市の酪農家の株式会社Kalm角山様(江別市)へ牛の敷き藁として提供し、廃棄せずに100%リサイクルしていますが、コーヒー豆かすそのものに付加価値を見出すモノづくりは多くの社員が長年考え続けてきたテーマだったこともあり、この企画を進めることになりました。
初めに挑んだのは炭火焼肉などで使われる成形炭でした。コーヒー豆かすは、燃やすと木材よりも高いカロリーを発生させることができる優秀な素材であり、「コーヒー成形炭」を普及させることができれば、現在木炭に使われているマングローブなどの木の代わりに利用できる可能性があると考えました。コーヒー豆かすを乾燥、炭化したのちに着火剤と共に成形させる実験を行って試作品が完成し、燃焼試験では良い結果は得られたものの、含水率の高いコーヒー豆かすを乾燥する工程や、成形する工程に必要なコストが大きく、ビジネスとしては課題が多いことがわかりました。
次に着目したのはコーヒー豆かすのスキンケアのための活用方法でした。コーヒー豆かすのざらざらしたテクスチャーはスクラブとして使う事ができ、肌を整える効果が期待できます。実際に海外では自宅でコーヒーを淹れたあとに、残ったコーヒー豆かすとオリーブオイルなどを混ぜ合わせたボディスクラブでセルフエステを行っている方もいるようで、日本でも根付かせることができるかもしれないと考えました。
コーヒー好きのためのバスグッズ商品を開発
さっそく化粧品メーカーの株式会社Croire(札幌市)に相談したところ、このアイディアの実現に向けて協力していただけることになりました。そこからしばらくの間は、性別を問わずにさまざまな年齢層の方の洗顔方法やコーヒーのイメージ、肌の悩みなどをヒアリングし、皆さまに広く愛される商品にするためのブランドコンセプトの考案に時間を費やしました。
何度も考えて悩んだ末に、「コーヒー好きのための、柔和なバスグッズ」というコンセプトが決まりました。まずは石鹸と浴用バスシュガーを試作し、商品化に向けて動き始めました。
自宅のお風呂がカフェに様変わりする「BathCafé」の誕生
当社のスローガンである「北の大地とともに」が示す通り、少しでも北海道の元気に繋がるようにと、モノづくりのパートナーは北海道の事業所にこだわって選ばせていただきました。
パッケージデザイン全般は空のアトリエ(砂川市)、石鹸は株式会社医食同源(函館市)、浴用バスシュガーは東香産業株式会社(江別市)にご協力をいただいています。
※のちの2023年以降に登場するボディスクラブやクレンジングジェルは株式会社ICELLEAP芦別工場(芦別市)、コーヒー豆かすを粉砕する必要がある際は京都グレインシステム株式会社旭川フードデザイン研究所(旭川市)にご協力をいただいています。
試作品はすぐにできたものの、生まれたばかりの商品を発売することには多くのハードルが待ち受けていました。当社は化粧品ビジネスに全く知見がなく、法律はもちろん、業界やマーケットやユーザーを知ることも必要でしたし、社内の説得にも時間が掛かりました。そこで、まずはスモールスタートでテストマーケティングを行うこととなり、2020年10月にクラウドファンディング「Makuake」でプロジェクトを掲載しました。
応援購入をしていただいた賛同者の皆さまから得た貴重なご意見をもとに改良を加え、ジェンダーレスなパッケージデザインと、最もシンプルに「お風呂でコーヒーの恵みを楽しむ」という意味をこめた「BathCafé」というブランドネームで、2021年11月に本格展開となりました。
念願のボディスクラブ、クレンジングジェルもリリース。多くの方に愛される
再スタートを切った「BathCafé」ですが、この時は安定的な収益は見込めず、許された販促費はわずかで、華々しくスタートできた訳ではありませんでした。ほとんど誰にも知られていない商品がいきなり売れるはずもなく、公式webショップのオーダーはごくわずか。棚に置いてくれるお店も見つからず、つらい時期がしばらく続きました。
しかし、日々コツコツとSNSでの情報発信や、ポップアップストアに参加するうちに、徐々に雑貨店、ホテル売店、百貨店などで販売していただけるようになりました。今ではInstagramのDMでコーヒーショップから「仕入れたい」とご連絡をいただくこともあります。
2023年3月には、企画当初から悲願であった新商品のボディスクラブ、クレンジングジェルをリリースし、性別を問わず美容やエシカルアイテムに関心の高いお客様からご好評をいただいております。
「のまないコーヒーギフト」
今後「BathCafé」が広く認知されるためには、コーヒー豆かすを使ったバスグッズは比較的珍しい商品であるため使用感がイメージしにくいという課題を解消する必要があります。
そのためにはコンセプトや、具体的な商品価値の伝え方の工夫が必要だと感じており、販促物の改良はもちろんですが、店頭での実演販売やコーヒー豆かすのアップサイクルワークショップの開催など、お客様との直接的なコミュニケーションにも力を入れたいと思います。
コーヒーが好きな方はもちろん、コーヒー好きな友人へのギフトをお探しの方は、コーヒー豆かすをアップサイクルした「のまないコーヒーギフト」はいかがですか?ちょっと疲れたとき、カフェでゆっくり過ごすように、お風呂時間を「BathCafé」と共に過ごしてみてください。
■公式webショップはこちら:https://bathcafe.official.ec/
最後に、コーヒー豆かすは世界中で毎日大量に発生する資源ですので、アップサイクルの取り組みは当社だけにとどまらず、業界の垣根を越えて多くの企業・団体さまとともに継続・発展させていきたいと考えています。UP FOOD PROJECT(運営会社:株式会社コル)や、Re LABOプロジェクト(運営会社:モリリン株式会社)への参加を通じて、コーヒー豆かすのアップサイクルが社会全体で普及するよう協働を行って参ります。
■UP FOOD PROJECT webサイト:https://upfood.earth/
■Re LABO(リ ラボ)プロジェクト プレスリリース:https://www.moririn.co.jp/1835 (※Re LABO(リ ラボ)展示会に関して:2023年11月21日(火)~12月15日(金)、モリリン株式会社の南青山ショールームにて合同展示会を開催いたします。Re LABOブースにて参画企業様とのお取り組みを展示予定です。完全アポイント制となっておりますので、ご興味がある企業様/メディア様はモリリン株式会社へ事前にお問い合わせください。問合せ先:info.tokyo@moririn.co.jp)
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[本件に関するお問い合わせ]
①「BathCafé」について
新領域デザイン室:seicho_fb01@hokkaido.ccbc.co.jp(担当 宇井)
②北海道コカ·コーラボトリング株式会社の取り組み全般について
広報·サスティナビリティ推進部:011-888-2091
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