こんにゃく造り40年 そのキャリアから生まれた「味しみ贅沢」こんにゃくとは
京都府南部に位置する城陽市、木津川のほとりに広がる肥沃な平野の一角で、株式会社藤清(ふじせい)は、こんにゃく、豆乳、湯葉、ところてん、かんてん、うどん出汁などを製造しています。その藤清が、糸こんにゃく「味しみ贅沢 ちぢこん」と、板こんにゃく「味しみ贅沢 板こん」を、8月17日、新発売します。これら「味しみ贅沢シリーズ」の商品は、藤清と日本酒メーカーの月桂冠とが共同開発した、「ちぢれ風製法」と呼ぶこんにゃくの画期的な製法により作っており、特許にもなっています。太さの異なる糸こんにゃくを複数本ランダムに絡め合わせるもので、こんにゃくを炊き上げるとちぢれた状態になり、タレなどの調味料の味しみが25%もアップするのです。
▲特許製法で仕上げた新商品「味しみ贅沢」シリーズ
【調理師からこんにゃく業界へ】
この製造方法を開発したのが、こんにゃく造り40年、藤清の工場長・東 利嗣夫(あずま・としお、写真)です。昭和29(1954)年に京都市で生まれ、育ち、もともとレストランで調理の仕事に就いていました。昭和50年代に入り、結婚を機に京都府南部の京田辺市に新居を構え、隣接する城陽市の藤清に転職しました。当時は10名足らずの小さな会社で、製造や配達などの仕事を総出で行っていました。当時の製造工程は、まだ手作りの割合が多く、コツコツと仕事に取り組む中で、こんにゃくの特性について体感を重ねていきます。会社の規模が大きくなっていく中で、その経験を生かしながら工程の機械化を進め、美味の追求に努めてきました。
【積年の課題 味しみのよい糸こんにゃく】
2000年、工場長として製造全体を統括する立場になりました。市場で他社に負けない、付加価値のある製品を開発したいという思いを胸に刻み、多くの商品を世に送り出していきます。
2018年、社長に就いた嶋川賢一から、「味しみの良い糸こんにゃくをつくりましょう」と指示を受け、気持ちを奮い立たせます。糸こんにゃくは、目皿の小さな穴から原料を押し出すことで、細長い紐状に成型します。味しみの良いものを作るには、こんにゃくに穴をあける、気泡を入れるなど、さまざまな方法があるのですが、工程を増やさず連続して造れるようにしなければならず他の食品の製造方法も参考にしながら、新製品の試作に挑み続けました。東工場長は、こんにゃくの表面積を大きくすることで、味しみの良いこんにゃくが実現できるのではないかと考え、目皿に大きな穴と小さな穴を組み合わせて、断面がひょうたん型になる糸こんにゃくを作りました。そうすると表面がちぢれ、味のしみを良くできる感触を得たのです。目皿の大きさは、ほんの1mmほどの違いで、ちぢれ方に差が出るほど微妙で、その匙加減により出来栄えも異なります。さらに、穴の大きさや配置、個数などの工夫を重ね続け、これまでに5パターンの目皿を試作しました。その中で、太めの穴1つと、細めの穴2つとが近接したパターンの目皿を使うと、太めの糸こんにゃくに、細めの糸こんにゃくが、らせん状に絡まる現象が見られました。まるで蛇が棒にからみついているような形になったのです。それを炊き上げると、太め細めで硬度がそれぞれ異なる螺旋状に絡んだ糸こんにゃくがちぢれ上がり、味しみのよい製品ができました。その味しみ具合は、通常の糸こんにゃくよりも25%高めることがでたのです。
▲(上の2本)特許「 ちぢれ風 製法」により製造した糸こんにゃく
(下の2本)通常の糸こんにゃく
【板こんにゃくに糸こんにゃくを配合】
ちぢれ風製法で造った糸こんにゃくを「味しみ贅沢 ちぢこん」として、また、板こんにゃくに「ちぢれ風製法」の糸こんにゃくを4割混ぜた製品を「味しみ贅沢 板こん」として商品化しました。「板こん」は、ひと晩地下水で寝かせた糸こんにゃくを混ぜ込んでいるため、アク抜きが不要です。もともと味しみのよい糸こんにゃくを含んでいるので、調理によりコクのある味わいや味の広がりを楽しめるものともなっています。「味がなかなかしみこまない」「アク抜きしなければならない」といった、こんにゃく業界積年の課題が「ちぢれ風製法」の応用により解決する画期的な商品開発となりました。
こんにゃく造りのキャリアを積み重ねて40年、工場長の東 利嗣夫は「いまだに悩まされることも多く、毎日が勉強」と日々向上を続けながら、今日も、新たな商品づくりを目指して走り続けています。
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