学習用DVD『中村哲医師からのメッセージ』最優秀賞(文部科学大臣賞)に選出! 干ばつに苦しむ人々に「命の水」を届けた医師の記録
学習用DVD「中村哲医師からのメッセージ」最優秀賞(文部科学大臣賞)
2023年の優秀映像教材選奨において、日本電波ニュース社が制作し、今年9月に発売した学習DVD「中村哲医師からのメッセージ」が、優秀映像教材選奨の社会教育部門において最優秀賞(文部科学大臣賞)に選ばれました。
優秀映像教材選奨は、教育用コンテンツに対して「教材」としての視点から選奨が行われる国内唯一の映像コンクールで、69年の伝統を誇ります。子どもから社会人までを対象に、多くの方に見ていただくべき学習用教材として最高賞に輝きました。
大干ばつの荒野が緑豊かな大地へ
中村哲医師は、パキスタン、アフガニスタンで戦乱や干ばつにより命の危機にさらされていた人々のために、35年にわたり医療支援を行いました。2000年には、アフガニスタンを大干ばつが襲います。9割が農業で自給自足の暮らをしていた現地では、農業ができず400万人が飢餓に陥りました。体力のない子どもやお年寄りが次々に亡くなってゆく中で、中村医師は自ら用水路を建設することを決意します。白衣を脱ぎ、現地の農民たちとともに用水路を建設し、乾ききった干ばつの荒野を緑の大地に変えました。
今、その用水路によって16500ヘクタールの農地に水が送られ、65万人の暮らしが支えられています。
7万人以上の観客動員を記録!映画「荒野に希望の灯をともす」をきっかけに
2019年12月4日、中村哲医師が現地で活動中に、何者かの凶弾に倒れ亡くなりました。大変残念なことでしたが、21年にわたり中村医師の現地活動を独自に取材してきた私たちの手元には、その活動を記録した1000時間の映像が残りました。現地の人々のために力を尽くした中村医師の姿は、私たちに大切な何かを伝えてくれる貴重な記録であると感じ、これを多くの人に見ていただきたいと、映画「荒野に希望の灯をともす」を製作しました。2022年に劇場公開され、全国70館以上で上映、ドキュメンタリー映画としては異例の7万4千人の観客動員数を記録し、今も全国各地で上映が続いています。
この映画をご覧になった学校関係者や親御さんから、「子どもたちと一緒に見られる長さの学習用DVDにしてほしい」という要望が寄せられました。そこで、中村医師のインタビューを柱に「中村哲医師からのメッセージ」としてDVDを制作することといたしました。
学校でも視聴しやすい章立て、タラコさんの優しいナレーション
本DVDは、中村哲医師の支援活動を記録した1000時間におよぶ映像の中から、テーマごとに映像を選びだし、5章だてに構成しました。各章は12分~16分で、学校の授業でも使いやすい長さです。海外との交流のチャンスが少ない日本の子どもたちにも、映像を通じて国際的な視野を養ってもらいたいと考え、お子さんにも親しみやすいタラコさんにナレーションをお願いしました。小学4年生以上で習う漢字テロップにはルビがふってあります。
バリアフリー版(バリアフリー字幕付き、副音声にて音声ガイド付き)も別売りにてご用意しました。
戦争が絶えない今 未来の希望はどこにあるのか、一緒に考える内容
第1章 異国の人びとと ともに
35年間、パキスタンとアフガニスタンで人びとの命を救おうと、活動を続けた中村哲医師。中村医師は、なぜ異国の地で人びとに尽くしたのでしょうか。
第2章 本当の平和とは
2000年、アフガニスタンを大かんばつがおそいます。外国軍による空爆の中、用水路の建設を始めます。人びとが平和に生きるために何が必要なのでしょうか。
第3章 昔の人の知恵に学ぶ
十分な材料も電気もない土地で、土木工事の知識もない医師が、どのように難しい工事を成功させたのでしょうか。日本に残る昔の知恵に大切なヒントがありました。
第4章 人と自然の関係とは
用水路によってやっと平和な暮らしを取り戻したところに、100年に1度の大洪水が襲います。そこで中村医師が学んだ大切なこととは、何だったのでしょうか。
第5章 日本の若者たちへ
現地には、中村医師の活動を支えようと、日本から多くの若者たちが、ボランティアとして参加しました。彼らはアフガニスタンで何を感じたのでしょうか。
現地に21年間通い、記録をつづけた 谷津賢二カメラマン
谷津賢二カメラマンをはじめ日本電波ニュース社のスタッフ約20名が、パキスタン・アフガニスタンへ通い、中村哲医師の活動を21年にわたり記録し続けました。中村医師の映像には、多くの大切なメッセージが込められています。中村医師の活動から多くの示唆を得て、世界の人々とともに、どのように平和をつくりあげていけるか、私たちは考え、実行し続けていかねばならないと思っています。
尾木直樹さん 推薦 (教育評論家・法政大学名誉教授)
「平和」とは、「人と自然」― 日本の若者たちへのメッセージ
ロシアによるウクライナ侵略戦争の真っ只中。日々、罪のない人の命が奪われてゆき、心が押しつぶされそうになるほど生々しく悲惨な映像やニュースが、遠く日本にいる私たちにも次々と流れてきます。軍事力の拡大は意味をなすのか、核開発の問題、文化や考え方の違う人々どうしは、理解しあい協調していくことは結局不可能なのか―。私たちは平和や命の大切さを子どもに説く一方で、こうした人間の欲にまみれ、命を軽んじる矛盾した現実に直面しているのです。
このような今の世界で、本作品で、後にアフガニスタンの地で凶弾に倒れることになる中村哲医師が紡ぎ出す言葉は、どんな武力よりも強烈に私たちの心を揺さぶります。
遠い国パキスタン、アフガニスタンの人々を診察するうちに、現地の人々をより深く理解したいと言語や文化を学び、心を通い合わせ信頼を築いていく中村医師。彼の前に苦難が連続します。裏切られたり、物を盗まれたり、何日もかけてつくった堤防が流されてしまったり・・・。しかし、どんな困難にぶち当たっても、中村医師は決してあきらめません。
見返りを求めず、ただ遠い国の人々のために病院をつくり、水路を切り拓く熱き情熱は、一体どこから湧き起こってくるのでしょうか。
一貫しているのは、一方的に施すのではなく、現地の人々が自分で生活していくことができるよう、彼らを理解しようとし、協力しながら進めていく姿勢です。そこには、人間愛とは何か、人が誠実に生きるとはどういうことかについてのヒントがあふれています。さらに、本当の平和とは、突き詰めていけば、人々が助け合って依存しあって生きているということを人間がもう少し自覚して生きること。そして、相手の立場に立って考えることだと中村医師は話します。「本当の平和」「人の命の重さ」を真っ向から問う、中村医師のアクティブな生き方と深い言葉は、子どもたちの胸に、ドシンと重量感を持って響くけれども、確かな希望の光をともしてくれます。世界が抱える問題や自分自身の困難をいかに解決していくのか。そして、社会に関わりながらどう生きるのかを、子どもたち自身が考え、行動する際の確かな「道標」となるでしょう。
本作品は、学校では、早くは小4くらいから中学3年生に至るまで、総合的学習の時間はもちろん、道徳、社会科、理科、技術家庭、数学などどの教科でも、それぞれの専門性を切り口に、映像を通して、平和や生き方、支援とは何かなどの本質にかかわる探究心を満足させ、人として学びたくましく成長する喜びを体感させてくれるに違いありません。各章が15分くらいにコンパクトにまとめられているのも学校では使い勝手がよいですね。
各章のテーマを柱に、学年で2時間くらいまとまった時間をとって、「学年の高いモラル形成」の学習として取り組むのも有効でしょう。
家庭でも、親子で映像を見ながら語りあえるといいですね。競争原理や効率主義から一旦距離を置いて、一瞬でも純粋な価値観に、心をリセットできるかもしれません。中村医師のすばらしい生き方をたどりながら、わが子とモラルについて語りあえる絶好のチャンスとなりそうですね。
この作品を強くおすすめします。
(2023年6月2日)
ご購入方法
日本電波ニュース社のウェブサイトやアマゾンからご購入いただけます。教材販売会社を通じた注文も可能です。教育機関、図書館など、大勢で視聴する場合にはライブラリー価格にてご購入ください。
■日本電波ニュース社DVD「中村哲からのメッセージ」
https://ndn-news.co.jp/order-form/
■amazon 日本電波ニュース社 販売ページ
https://www.amazon.co.jp/s?i=merchant-items&me=AO747J4G1OX5M
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