究極のわかりやすさにこだわり抜いた、国内最大級のプログラミング学習YouTubeチャンネル「キノコード」。「神動画」と呼ばれるヒットを出すまでの苦悩と、新サービス「キノクエスト」開発の軌跡
私たちテクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社は、日本のデジタル競争力の底上げを目指して活動しているEdTechスタートアップ企業です。弊社の代表的なプロダクトであるプログラミング学習のYouTubeチャンネル「キノコード」の運営元と言った方がピンと来る方が多いかもしれません。
2019年にスタートした「キノコード」は、初心者目線に立った丁寧な解説動画が好評を博し、今ではプログラミング・IT教育の分野では国内最大級のチャンネル(登録者数 約17万人/月間ユーザー数 約8万人)へと成長を遂げました。
このストーリーでは、YouTubeチャンネル「キノコード」と、そこから生まれた新たなオンライン学習サービス「キノクエスト」誕生の裏側について、弊社代表社員の浦上泰弘が振り返ります。
代表社員 浦上泰弘
自身の経験から生まれた、質の高い学習を多くの人へ均等に届けたいという想い
YouTubeチャンネル「キノコード」の運営を始めたのは、2019年からです。コンセプトは「より多くの人により質の高いプログラミング学習の機会を提供する」こと。このコンセプトに至った背景には、私自身の経験があります。
私は前職の株式会社リクルートと、前々職のファッションEC大手のマガシーク株式会社では、データ分析業務やDX推進リーダーなどを経験してきました。一流大学出身の、いわゆるエリートと呼ばれるような上司や同僚と一緒に仕事をしていましたが、私自身はエリートではなく、決して順風満帆なキャリアを歩んで来たわけではありません。
私は、地方私立大学法学部の出身です。在学中から27歳まで司法試験の勉強を続けていましたが、結局、司法試験には失敗。28歳からアルバイトのような仕事を始めました。そこから5回の転職を経て、マーケティングやデータ分析、機械学習、システム開発、DX推進などのスキルを習得していきました。
実務でさまざまな経験を積むとともに、業務外では毎日3時間以上の勉強を欠かさずに続けてきました。有名大学出身ではなくともリクルートの本社で働けるまでにキャリアアップでき、最終的に大幅な年収アップに成功したのも、勉強を継続してきたからこそです。リクルートを退社後も、変わらずに勉強を続けていたので、せっかくであれば必要としてくれる方々に、自分が学んだことを発信してみたいと思うようになりました。
“学習の機会均等”も、こだわりたいポイントでした。私は正規雇用になってから、プログラミングスクールに通えるようになりましたが、非正規雇用時代は本当にお金がなくて、月収で言うと20万以下の生活をしていました。学びたい意欲があったものの学習教材を揃えることもままなりませんでした。ですから、同じように裕福ではない社会人や、学習にお金を自由にかけられない中高生や大学生、あるいは小学生にだって学習の機会を提供したい。そんな想いからYouTubeチャンネル「キノコード」を立ち上げることにしたのです。
しかし、単に学習機会を提供するだけでは納得がいきません。より「質の高い」学習にこだわりたいと思いました。質の高さとは、説明がわかりやすくて、無駄がなく、デザインもスタイリッシュで見飽きない動画を意味します。動画の復習ができるように書き起こしのブログも用意し、ソースコードも無償でダウンロードできるようにしました。
ちなみに特徴的なチャンネル名「キノコード」は、私の祖先が『古今和歌集』の作者として知られる紀貫之であることに由来しています。文章を書いていた紀貫之の子孫が、幾世を経て現代ではソースコードを書いている。チャンネル名には、そんなちょっとした遊び心を込めました。
地道な種まきとトライアンドエラーを繰り返し、9ヶ月目にようやく結実。「神動画」との称賛も
今でこそ「キノブログ」やX(旧twitter)も運用していますが、YouTubeアカウントを開設した当初は、ブログもSNSにも着手してはいませんでした。本当にゼロからのスタートだったため、簡単にチャンネル登録者数が伸びるはずもありません。チャンネル登録者数が1,000人に到達するまでには約4ヶ月間かかり、その間151本の動画をアップ。さらに収益化の目安とされる動画総再生時間4,000時間までには、約6ケ月間を要しました。配信はほぼ毎日欠かしませんでした。
そして、9ケ月目にして、ようやくヒット動画を生み出すことができました。トライアンドエラーを繰り返しながらも、分析やリサーチを緻密に続け、マーケティング戦略を練ってきた努力が結実した瞬間でした。この動画をきっかけに、チャンネル登録者数が飛躍的に伸びていったのです。
ブレイクスルーとなった動画「Pythonで面倒なExcelの仕事を自動化しよう(第一弾)」は、現在までに71万回視聴されている
チャンネル登録者数の推移
正解がわからないまま進めた動画制作。時には諦めそうになる時も
YouTubeチャンネルは、動画編集担当のスタッフとエンジニア、私の3名のメンバーで開始しました。実は、動画編集スタッフは私の妻であり、エンジニアは私の高校時代からの友人という間柄。現在も公私にわたる強固なパートナーです。二人は、当時をこのように振り返ります。
「動画編集も全くの未経験。本当に何もわからないまま始めました。チャンネルコンセプトを決める上で、ブランドカラーやデザイン、BGMなどの正解がわからずに、不安ながらも方針を決定して進行。最初は全く反応がなくて何度も諦めそうにもなりました。『Pythonで面倒なExcelの仕事を自動化しよう(第一弾)』を制作した当時は、子連れで実家に帰省中の最中。子どもを寝かしつけた後、夜な夜な編集作業をして、ようやく出せたヒット動画だったため、喜びもひとしおでした」(動画編集スタッフ)
「編集作業、スライド作成、記事作成に携わる中で、私たちのコンセプトである『わかりやすい説明』を実現するために、特に文章作成に苦労しました。本業はエンジニアであることから、動画制作の分野において、自分が充分に活躍できていないと感じることもありました。YouTubeチャンネル運営は精神的に大きな負担であり、時にはつらい気持ちで過ごすこともありました。しかし、そうした苦労もありながら、チャンネル登録者数が伸び、視聴者の皆さんにわかりやすい動画を提供できたことは大きな喜びです。当時の経験は、チャンネル運営の道のりにおける貴重な学びとなりました」(エンジニア)
視聴者とより多くの接点を作るため、ショートやプログラミング以外の動画も配信
わかりやすさとは何かを突き詰め、ただ愚直に続けてきた「キノコード」。視聴者の皆さんには「有料級にわかりやすい」「デザインセンスが良い」といった嬉しい声をいただくことも多く、チャンネルを運営する私たちにとって何よりの励みになっています。最近は、皆さんとより多くの接点を作りたいという理由から、ショートにも力を入れています。また、私自身がガジェット系にも興味があるため、今後はプログラミングにとどまらず、今まで以上に幅広いジャンルの動画を配信していきたいと考えています。
YouTubeだけではプログラミングはできるようにならない。新たな学習サービス「キノクエスト」をリリース
YouTubeチャンネル「キノコード」は、プログラミング教育においては強力なプラットフォームです。ただし、YouTubeだけでは、プログラミングができるようになりません。なぜなら、プログラミングの習得には「知る」「わかる」「できる」の3つのステップが必要だからです。動画は言うなれば教科書。教科書を見て、プログラミングが「わかる」ようになっても、それを使って作りたいものを作れるようにならなければ、「できる」ようにはなりません。コードをどんどん書かなければ、プログラミングができるようにはならないのです。
私は、YouTubeだけでのプログラミング学習に限界を感じると同時に、「アウトプットができる“問題集”が必要!」という思いを強くしていきました。そこで、2021年4月から新たな学習サービスの開発に着手。そして2022年7月、プログラミング学習のオンラインサービス「キノクエスト」をリリースしました。
画面はシンプル。コードを書くアウトプット中心に学習を進めます
キノクエストは、プログラミング初心者が最初に躓きがちな「環境構築」が不要です。Webサイトを開いてログインすれば、いつでも、どこでも学習が可能。キノコードの動画と連動してプログラミングを学ぶことができ、動画で知識をインプットして、動画で学んだ内容に即した問題集を解きアウトプットを行います。「より多くの人により質の高いプログラミング学習の機会を提供する」というコンセプトはキノクエストにも踏襲し、月額1,990円の低価格を実現しました。
リリース当初は355問からスタートした問題も、現在では1,500問以上に。2023年10月にはITパスポート試験対策にも対応し、IT知識からプログラミングまでワンストップで学習できるサービスになりました。さらに、もっと多くの人に学習の機会を提供すべく、企業向けの「キノクエストfor Biz」や学校向けの「キノクエストfor School」もリリース。DX人材育成のための究極のEdTechサービスを目指して、機能の改修や追加を重ね、今なお進化を続けています。
デジタル競争力の底上げを行い、日本のDX化を推進したい
私たちのミッションは、「私たちの力で2030年までに日本をIT先進国にする」こと。プログラミングを習得したい個人や企業のお客様に、質の高い学習コンテンツを提供することで、日本の遅れたデジタル競争力の底上げを行い、このAI時代でもテクノロジーを味方に活躍し続けられるDX人材を育成していきます。
現在、YouTubeは17万人ものチャンネル登録者数を獲得しています。日本の労働人口は約6,000万人。もし、仮に60万人の人にプログラミング教育を提供できれば、全体の1%です。600万人なら10%。確実に社会貢献ができるはずです。
かの坂本龍馬は言いました。「日本を今一度、洗濯いたし申し候」
YouTubeの視聴者やキノクエストのユーザーの皆さん、そしてスタッフの皆と一緒に、日本を今一度、洗濯したい。デジタル国家の建設を実現するのが私の夢です。
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