生理の不快や我慢を減らすことから始めて、自分らしく生きる未来へ。元映像プロデューサーのチャレンジ。新しい日本製月経カップ「murmo」開発ストーリー
フェムテック・フェムケアの製品・サービスを企画開発する株式会社murmur(マーマー)は月経カップから始まる新しい生理用品ブランド「murmo / マーモ」を発表。
2月7日 より応援購入サービスMakuakeにて予約販売をスタートいたしました。
Makuake プロジェクトページ:https://www.makuake.com/project/murmo
また、2月15日(木)〜18日(日)には「NEW ENERGY」に初出展、商品をお披露目いたします。ご来場のみなさまに実際に商品を触っていただける機会となっており、現地では開発者が直接商品のご説明をいたします。
「murmo」はたたみやすく着脱しやすい「イージーライン構造」(特許出願中)、気分が下がりがちな日々が少しでも明るくなるようにこだわったデザイン、不安を軽減するユーザーサポートの充実など、月経カップの使用に踏み出せなかった方々の最初の勇気を後押しする日本製オリジナル月経カップです。
月経カップで生理による長年の不快から解放された、当時映像プロデューサーの高島華子(現 株式会社murmur 代表)が生理の不快や我慢をなくす未来を作りたいと一念発起。一進一退しながら3年かけて商品化した、新しい日本製月経カップ「murmo」の開発秘話とともに製品に込めた想いをご紹介させていただきます。
ー 緊急事態宣言がきっかけで月経カップデビュー、生理の不快感が減った快適な日々
月経カップの存在は以前から知っていたけれど、自分で腟に挿入することへの恐怖や、外出先での月経カップの交換の難しさを想像して、家は寝に帰る場所という暮らしをしていた自分には縁のないものだと思っていました。
当時従事していた映像制作の仕事は、それぞれの専門分野の人とチームを組んでひとつのものを作り上げる仕事で、刺激が多く充実した毎日ではあったものの、不規則で多忙な生活を送っていました。撮影の日に生理がぶつかったときはトイレに行くこともままならず、長時間不快な状態を我慢しないといけないなど、仕事をする上で生理によるストレスを感じることも度々ありました。
しかし、2020年4月の緊急事態宣言の発令により、仕事も在宅に切り替わり、時間にも余裕ができたことで 「今なら月経カップを試せる」 という好奇心がきっかけで、月経カップデビューをしました。
初めて使ったときは、とにかく入れることに苦労したものの(かかること30分!)、装着してからしばらく過ごしてみると、驚くほど快適でした。月経カップは腟の中で経血を溜める生理用品なので、ムレやニオイが気にならなくなったり、以前よりも取り替えの頻度が減るなどの利点を感じましたし、慣れると着脱に手間取ることもなくなり、自然と使い続けたいと思えました。
何より一番衝撃的だったのは、私自身が生理の不快さを12歳の初潮から20年以上も我慢していたこと、そしてその我慢を仕方ないと受け入れ、もはや我慢していることすら忘れていたことでした。
ー 性別にとらわれず、自分らしく生きたい。息苦しさを感じていたこれまでのこと
自分の中ではかなり衝撃的な体験だったので、誰かに話したい!と、すぐさま女性の友人たちに話すと、何人かの友人が「自分もやってみる!」とトライしてくれました。その流れで、経血量や生理日数など他の人の生理の状況を知ることに。そこで初めて普通だと思っていた自分の経血量は多めであることや、生理日数も長めであることなどを知り「正常な生理ってどういう状態?」と改めて興味を持って生理のことを調べました。このとき実感したことは、自分の身体のこともろくに知らなかったんだな、ということでした。
生理の知識が乏しかったのは、やはり生理や性に関する話が表に出にくいものだったからで、私自身もそれまでは下品に思われそうで“そういう話題”を出しづらく感じていました。ですが、大切な身体のことだから恥ずかしいことではないし、知ることや人と共有することが自分たちの身体を守ることにつながると考えが変わりました。
このときは、生理だけでなく性のことなどを話す機会があり、そこで同時に感じたのが、自分らしく生きることと女性であることのジレンマを、自分がずっと抱えてきたということでした。私は小さい頃から女の子らしさを求められることが苦手で、小学生のときに言われた「もっと女の子らしくしないとお嫁にいけないよ」や、20代前半で一生懸命働いているとき大先輩に言われた「男だったらよかったのに、もったいない」の一言。また、父に「どうせ結婚して仕事やめるんだからそんなに頑張らなくてもいい」と何気なく言われたときには、私が仕事を通して成長することへの期待はないんだと思い、ただただ悲しかったことを覚えています。そして何かにつけて性別が結びついてくることへの違和感も感じていました。私は心も身体も女性だと自認していて、男性になりたいとも思っておらず(男性にも男性の大変さがあると思うし、それだって個人差があるはず)、ただ自然でありたいものの、社会が求める一般的な女性像と自分らしさが一致せず、どうにか合わせていかなきゃと息苦しさを感じてながら、その息苦しささえも仕方のないものとして受け入れていたことを自覚しました。
そして月経カップを使って、自分の生理が楽になり、自分が無意識に我慢していたことに気づいたときに、生理だけでなく、女性であることで生まれる我慢をなるべくしないでいられる生き方をしたいと強く思いました。
月経カップの使用で生理が快適になったことで「もっと楽に生きる」ヒントが、実はこういった商品やサービス、情報を取り入れていく中にあるのではないか、自分にもできることがあるのではないか・・と考えていたときに、月経カップをいち早く試した親友が一緒にやりたいと手を挙げてくれ、いまに繋がる活動がそこからスタートしました。
ー 女性たちが直面する高い使用ハードルと確かな情報の不足 。50種類以上の試用で見えた月経カップへのアクセス課題
まずはリサーチの一環で、女性の健康課題についてや、既存のサービスやプロダクトを調べることを始めましたが、どうしても最初に気づきをもたらしてくれた月経カップが気になり、いろんな月経カップや月経ディスクを使ってみようと、国内外のメーカーのものを手当たり次第に集め、とにかく試しました。(50種類以上!) サイズや形状もメーカーによって様々、自分はどういうものが好きか、合うか、と掘り下げていくと同時に、生理の話を聴く活動も始めました。
多様な職業や環境の人にインタビューをしたり、生理や性のことを話すクローズドの座談会を開催し、知見と仲間を集める日々。陸上、フェンシング、シンクロナイズドスイミングなどのスポーツに携わる人や、記者、青年海外協力隊、販売職の人、子育て中の人、大学生など、個人の身体の違いだけでなく、職業や環境によっても生理の大変さが違うことを知りました。
その中でも「月経カップだったらこの部分は解決するのに」 と思うこともあり、月経カップが使われていないことへのもったいなさを感じると同時に、月経カップの情報の少なさ、月経カップを知っていたとしても実際に使っている人が圧倒的に少ないことに気づきました。
左)クローズドの座談会
右)月経カップを入れる向きについてデモンストレーションする様子
私自身、月経カップを長らく使ってこなかった理由は、自分で入れたり出したりできなさそう、痛そう、月経カップを交換して過ごす生活が想像できない、というもの。しかし、月経カップへのハードルはとても高かったけれど、心から月経カップを使ってよかったと思えたし、最初のハードルを越えられればその人にとって良いものになる可能性がある、今の使用率の低さから考えると、月経カップにはまだまだポテンシャルがあるはず!ならばハードルを越えやすいカップを作ってみてはどうだろうと思い、調べ出したのは初めて月経カップを使ってから約一年後でした。
ー 医療機器の開発と社会認識の高い壁。女性特有の我慢解消に向けて挑む日々
月経カップを作るには何が必要なのか?どうやったら作れるのか?文字通り0からのスタート。仕事の傍ら、空いた時間を使って、一緒にやろうと手を挙げてくれた親友とふたりで準備を進めていきました。
月経カップは医療機器に分類されます。最初のハードルを越えるためにはどんな構造が良いのか、どんな工夫が必要なのか、とアイデアを練る一方で、関わる法律の知識を得たり、医療機器の製造や販売に必要な要件などをとにかく調べては関係各所に確認する日々。
そこから医療グレードのシリコーンで製造してもらえる工場探しがスタート。日本中の工場をリストアップしながら一箇所ずつ電話。電話に出てくださる方はほとんどが男性で、門前払いもあれば、説明を聞いてもらえても月経カップについて一から説明する日々で心が折れかけることも。
でも、「これを本当に身体に入れるの?」と驚かれながらも「よし、やってみよう!」と一緒に挑戦してくださるところが見つかった時は涙が出る程嬉しかったことを覚えています。
他にも、医師や大学教授に話を聞いて開発のアドバイスをもらったり、医療機器の品質管理業務ができる人、構造設計を担当してくれる人、3Dプリンタで試作品を作ってくれる人、医療機器に詳しい弁護士や行政書士、弁理士の人たちなど、性別問わず助けてくれる人が徐々に増え、乗り越えなければならない壁はたくさんありましたが、ともにその壁を乗り越えてくれる人たちとともに、一歩ずつ時間をかけて開発が進んでいきました。
最初の頃は、3Dプリンタで形状を試す日々。3Dプリンタでゴムライクの樹脂で作って形状を試したり、シリコーンでも簡単に試せないかと型をつくって、自力でシリコーンで成形して大失敗したりなど、まわり道をいっぱいしながら進みました。
そうやって壁を乗り越えていくなかで、先のことはわからないけれど、自分はこの道をいくんだと腑に落ちた瞬間があり、約10年勤めてきた会社を辞めることにしました。
周囲からは心配する声ももちろんありましたが、月経カップをつくるということ以上に「女性であることの我慢を減らして、もっと心地よく生きられる未来にしていくこと」を小さいことでもいいからこれからの人生ではやっていきたい、自分がそうやって生きていきたいという気持ちが揺るがないと思えたことが大きかったです。
▲3Dプリンタでつくった初期の試作たち(さわりすぎてボロボロ)
▲シリコーン素材で試してみようと自作して失敗したり...
▲ステムと呼ばれる底部の棒の強度を測ったり...
最初の試作品からいくつもの試作を経て、実際の製品に使われている医療用シリコーンでの試作。いよいよ実際に使って試せる段階では、友人や座談会に参加してくれた人たち、珈琲店で隣りの席に座って仲良くなった人まで、私の月経カップ開発に興味を持ってくれる女性たち30名が試作品を試してくれました。
ひとりひとりにアンケートとインタビューを行い、使い心地や意見を聞き、0.1ミリ単位で改良に改良を重ねる日々。最終的に約50人のモニターを経て 「これだ!」 と思えるファースト月経カップがついに完成しました。
murmoが目指す未来。生理を我慢から”心地よさ”へ導く選択
月経カップを使い始めて4年、開発期間3年を経て「murmo」の発表に至りました。
着脱しやすくするため本体に「イージーライン」と名付けた溝を作り、使用の不安を少しでもなくすため使い方をわかりやすくHOW TO動画として掲載、もしもの時にもチャットでご連絡いただけるような仕組みも取り入れました。
憂鬱になりがちな生理の日を少しでも明るく過ごしていただけるよう本体の色調やパッケージのデザインにもこだわりを詰め込みました。
murmurは、“わたしたちの日々を心地よく、身体と心の不快や不満を我慢しない未来をつくる”ことを目指しています。まだ始まったばかりですが、たくさんの人の力と声が集まったからこそここまで来ることができました。
murmoの月経カップは今を生きる女性たちと一緒につくった、私たちのための新しい生理用品。
生理は一般的に毎月訪れては約1週間で終わる、だからその期間さえ凌げればと不快や不便を受け入れてしまいがちです。しかし、初潮を迎えてから閉経するまで約40年、生理の期間は累積すると2300日*。我慢ではなく心も体も"心地よく"過ごせる選択肢が増えてほしい。 *弊社計算に基づく
生理用品の選択肢に「murmo」が当たり前にある未来を願って、これからも全力で走っていきます。
株式会社murmur代表
高島華子 プロフィール
映像プロデューサーとして、ドキュメンタリー番組の制作やジャンル問わず映像の企画制作に携わる。2022年に退職し、現在は株式会社murmur代表として、身体と心の不快や不満を我慢しない未来をつくるため全力で走り続けている。
Web:https://murmo.jp
note:https://note.com/murmo_no_note
Instagram:@ourmurmo
商品概要
商品名 murmo マーモ 月経カップ
価 格 5940円(税込)
サイズ 容量28ml (Mサイズ相当 1サイズ)
カラー モーヴピンク(1カラー)
原材料 医療用シリコーン
区 分 一般医療機器(生理用タンポン)
医療機器届出番号 13B3X10360000001
製造国 日本
内 容 murmo(月経カップ) / 専用ケース / 取扱説明書 各1個
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