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創業50周年を迎えるサンギが、異業種コラボを続ける狙いとは。「アパガード×SHIPS」施策からみえる、オーラルケア商品の販売戦略の難しさと 挑戦の軌跡。

著者: 株式会社サンギ


美白高機能歯みがき売上No.1*を誇り、2023年の美白高機能セグメントでトップシェアを占めている「アパガード」を販売するサンギは、アパレルブランド「SHIPS」と業界の垣根を超えたコラボレーション施策を2024年春に実施しました。数量限定で発売した携帯用の歯みがきセット「アパガード×SHIPS オフィス&トラベルセット」は、早々に売り切れる店舗もあり、嬉しい反響をいただきました。


アパガードでは、歯をみがく時間も美容の一部と捉え、ブラッシングタイムに彩りを添えるオーラルケアブランドとしてこれまで10年以上に渡り、女性からの支持を集めるファッションブランドなどとのコラボを続けています。ドラッグストアを中心に発売しているオーラルケアブランドが、異業種の、そして華やかなファッションブランドとコラボすることはとてもチャレンジングな試みでした。


今回は、なぜ異業種コラボ施策を続けているのか、その背景にある想いをアパガードのブランドマネージャー麓氏が語ります。また「アパガード」×「SHIPS」コラボ施策に伴走いただいた、SHIPS販売促進部 久高氏、SHIPSのライセンスビジネスの統括を行う木島氏にも、コラボに至った背景や販促に向けた戦略について伺いました。


* インテージSRI+2023年 美白高機能歯みがき市場売上金額主要シリーズ「アパガード」

なぜ、アパガードは異業種コラボを続けているのか


麓氏 新しい洋服を着ると気分が上がったり、お気に入りのコスメでメイクすると心がときめいたり。美容院でトリートメントをしたり、丁寧なスキンケアをすると、内側からも外側からも美しくなれる喜びを感じます。しかし、歯をみがく時間はどうでしょうか?義務的で、面倒な時間になっている方も多いのではないでしょうか。歯の美しさや健康を意識することは、意外に見落とされがちです。


日本人のオーラルケア意識は年々向上していますが、外出先でお昼後に歯みがきをする人はまだまだ少ないのが現状です。歯みがきが面倒でつまらないと感じている方々に、ファッションやコスメのように使うと気分が上がるオーラルケアアイテムを届けたい。外出先でも楽しい歯みがき習慣が身につけられれば、きっといつもの毎日が少しだけ上向きになるはず。その時代を生きる女性たちに「自分らしく、輝く毎日を過ごしてほしい」というエールを、同じように女性を応援しているブランドと手を取り合うことで、自社だけでは伝えきれなかった方々にもメッセージを届けられるきっかけになると考えています。


10年前、華やかな女性向けブランドへコラボ施策を提案するも、撃沈の日々…


麓氏 コラボ施策は、今でこそ10年続くプロジェクトになっていますが、開始当時は課題ばかりでした。過去ご相談した相手企業様には「ドラッグストアで販売するとなると、売り場の管理が行き届かないからちょっと…」「ブランドイメージが保てるか不安…」など厳しい意見をいただく場面もありました。


しかし、アパガードは当時から美白歯みがきのトップシェアとして、特に美容に関心の高い女性たちから支持されてきました。そうした実績を積み重ね続け、一貫としたブランドメッセージを発信し続けることで、少しずつアパガードのコンセプトや、女性たちへのエールに共感いただくブランド様が増え、今日までのコラボ施策の実現につながっています。


アパガードとSHIPSの出会いときっかけ

ここからは、今回新しくコラボ施策に伴走いただいた、SHIPS販売促進部 久高氏、SHIPSのライセンスビジネスの統括を行う木島氏も交えてお話を伺っていきます。

――――― コラボのきっかけを教えてください

麓氏 外出先での歯みがきを、楽しみながらケアしていただくためにはどうしたらいいのか考えている中で、いつも持ち運びたくなるようなオーラルケアアイテムを作りたかったんです。お気に入りの洋服を着て出掛けるような、ワクワク感とでもいうのでしょうか。そのためには、品質はもちろん、従来にはないデザイン性が高いものを作る必要がありました。


そこで、流行を取り入れながらも、日本で歴史のある老舗のセレクトショップSHIPSにお声をかけさせていただいたんです。上質で洗練されたイメージがアパガードのブランドイメージにぴったりだなと。SHIPSがオーラルケアブランドとコラボをされているのは見たことがなかったので、新しい取り組みとしてご一緒できたら嬉しいなと思っていました。


木島氏 SHIPSでは、“Stylish Standard”をコンセプトに、国内外ブランドのセレクトとSHIPSオリジナルの商品を揃え、服や雑貨などを中心としたアイテムを展開しています。おかげさまで幅広い層の方から支持をいただき、来年で設立から50周年を迎えます。


今回のコラボを精査していく段階で、オーラルケアブランドというのは初めての挑戦でしたが、アパガードがオーラルケアを意識している女性層に非常に支持されていること、また清潔感や安心感というブランドの持つ背景も親和性がありポイントになりました。


それとアパガードのクリーンなイメージが、SHIPSと似ているなと親近感を覚えたんですよ。実際に、社内の女性社員にヒアリングしてみたところ、非常に高評価で。アパガードを使っている社員が多かったことも大きかったですね。新しいことにどんどんチャレンジしてこうという気持ちもあったので、コラボをする上で新しい価値を提供できると考えました。

SHIPSにとって初めての挑戦

――――― 商品がドラッグストアに並んだときの印象は、いかがでしたか?


久高氏 SHIPSでは、店舗やECで展開するにあたり、ブランドの世界観を非常に大切にしています。そうした中で、どうしてもドラッグストアやスーパーなどでは、各商品の陳列や売り場での管理が難しいと感じていました。例えば、商品が片隅で倒れてしまっていたりして。ただ、改めてオーラルケア売り場を視察してみると、商品の配置やディスプレイにも一定の配慮がなされており、歯ブラシ・歯みがき剤・歯間フロス・マウスウォッシュ…など、各アイテムがきちんと陳列されていることが多かったんです。衛生用品だから、というのもあるかもしれませんが。


ブランドの世界観についても、店頭に置かれるボードを設置していただいたことで、商品が際立つようなディスプレイができました。店舗やECでなくても、こうした展開をすることができるのだと、新しい気付きでしたね。


麓氏 オーラルケア市場は年々拡大しているので、店舗にもよりますが、ドラッグストアやスーパーの同じ敷地内でも、売り場展開が配慮されていることは大きいかもしれません。


今回いつも店舗でよく見かけるSHIPSのロゴが、生活に身近なドラッグストアに並んでいることは新鮮に感じましたし、商品の存在感をさらに際立たせていました。普段、アパガードをご購入いただくお客様にこれまで以上に良さを知ってもらえるきっかけとなったと感じています。


コラボ商品の反響は大きく、なんと完売する店舗が

――――― 発売後の反響はいかがでしたか?


麓氏 リリース後の反響は、予想以上に大きかったですね。実際いくつもの店舗で完売し、追加で発注を行いました。特に、20代から30代の女性層からの支持が非常に高く、SNSでは「店舗でラスイチだったから捕獲してきた!」や、「春らしい花柄でかわいい」「今度、旅行に持っていく!」など嬉しい声が寄せられました。


一方で、「探したけどなくて買えなかった…」といった声もあり、お客様の要望にお応えしきれなかったのは残念でしたが、その反応から商品に対する期待の高さを感じました。 日ごろからアパガードを愛用いただいているお客様には新鮮に映り、初めて購入するお客様にはSHIPSのブランド力や上品で洗練されたデザインが魅力的に映ったのではないかと推察しています。


久高氏 SHIPS店舗でも、ご購入いただいたお客様にアパガードの試供品をお配りしていたのですが、喜んで受け取られていました。一部のお客様からは「アパガードを使っています!」といった声もあり、改めてブランド同士の親和性が高いことを実感しましたね。


今回のコラボは、お互いのブランド価値やファン層を結びつけ、新たな顧客層を開拓する良い機会となりました。SHIPSらしいデザインとアパガードの商品力が組み合わさった結果、想像以上の支持を集めたことは大変喜ばしいです。今後も、お客様に満足していただけるよう新たな商品開発に取り組んでいきたいと考えています。



2025年に40周年を迎えるアパガード。コラボ施策を含む、今後の展望


麓氏 アパガードでは、女性が自分らしく輝く毎日を送れるよう、商品を通してエールを送り続けます。そして女性を応援するブランドや企業が一緒に手を取り合うことで、その声はより大きく、遠くまで届けることができると信じています。だからこそ、このコラボ施策がたとえ即時的な会社の利益にならずとも続けていく価値があると考えています。


さらに来年40周年を迎えるにあたって、長い歴史と共に築いてきた信頼と品質を誇りに思うと同時に、これまで支えてくださったお客様やパートナー企業に感謝の意を表す年にしたいと考えており、さまざまな施策を企画しています。


これからも、女性の輝きを支えるブランドとして、新たなチャレンジを続けます。




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