"魅せるオフィス"を作りたい、業界の先駆者「株式会社ホットスケープ」が取り組んだイベント会社ならではのオフィス設計、移転プロジェクトの軌跡
株式会社ホットスケープ(本社:東京都港区・代表取締役 前野伸幸)は、イベント企画・制作・運営、イベント施設運営・コンサルティング事業を行っています。当社は2023年12月に新オフィスへ移転しました。移転プロジェクトのきっかけや背景を振り返りながら、新オフィス完成までの紆余曲折や、当社が目指す働き方改革についてお話します。
■ コロナ禍による逆境を経て決意したオフィス移転、イベント業界の先駆者として挑戦へ
2020年2月26日、緊急事態宣言よりもさらに前にコロナによるイベント開催の自粛要請が政府から出た。何の前触れもない急な要請に、イベントの主催者は開催の中止を余儀なくされ、我々のようなイベントのサポート企業は大きく戸惑い、身動きが取れず、売上は大きく減少した。
その状況の中、弊社では、以前からのオンライン配信の経験があったことを活かし、業界内で先駆けてオンライン配信イベントの対応ができる状態を整えた。
またこれらの配信のノウハウを業界内に普及することにも尽力し、イベント業界・MICE業界内に弊社の存在を認知拡大にもつなげた。さらにコロナの出口に向けたイベントのさまざま変化の予測を業界内に示唆したり、社内の教育やコミュニケーションの機会を作る努力をしてきた。こうした対策により、社員数を削減することも社員の給与をカットすることもなく、決算もコロナ禍においても一度も赤字を出すことなく、経営することができた。
ホットスケープ社内資料より
そして、イベント開催の自粛要請から約3年後の2023年2月、コロナの出口が見えたこの時に、それまでのオフィスから一気に3倍の面積の拡張となる移転を決めた。それはコロナの出口をじっと待つのではなく、自らが変化の先頭に立ち、イベント業界の先駆者として、社員の補強や働き方改革、さらには業務のDX化も進める決意をしたことに他ならない。
■ 山積していたオフィスの課題、イベント会社ならではの「魅せるオフィス」を作りたい
それまでのオフィスは“狭い・デスクが足りない”、“リモート会議の声がうるさい”、“本社以外のメンバーが本社に立ち寄らない”など多くの課題を抱えており、コミュニケーションが生まれたり、クライアントにご来訪してほしいと思える状況ではなかった。そこで、社内および対外の両側面から新しいオフィスをどんな場所にしたいかを真剣に考え議論した。そして、『働き方改革および社員間のコミュニケーションの活性化』(社内向け)、『ショールーム的役割』(対外向け)を実現するためのコンセプトをゴールとして設定した。
■ 複数の部署間連携による「働き方のNEXT STAGE」を目指して
衝突しながら各部門の連携で問題を抽出、コミュニケーションと独自のらしさを実現したオフィス設計
まず始めに、経営層によるオフィス環境と働き方の問題点の抽出を行った。
オフィス環境の問題点
- 本社メンバーが全員出社するとデスクが足りない
- 会議室が飽和状態
- 自席でのリモート会議の際、周囲の声が会議の妨げになっている
- 他拠点メンバーの居場所が無いため本社に顔を出さない
- 倉庫が少なく、棚が積み上がっており、震災の際にも危険
働き方の問題点
- チーム毎に固まった座席になっているため、社内コミュニケーションが薄い
- 本社以外の他部署との連携がない
- リフレッシュスペースや機能がほとんどない
- ペーパーレス化への課題
以上の問題点を解決するべく、移転後のオフィス設計を開始した。
本社を拠点とする複数の部署からメンバーを選出し、プロジェクトを立ち上げる。
プロジェクトを進めるにあたり、他部署との目的意識と目標を共有し、明確なゴール設定を行い、これまで交流のなかったメンバーとの業務推進を図った。
考え方や業務の進め方の違うメンバー同士、摩擦や衝突はあったが、プロジェクトメンバーの視野が広がる良い刺激となる機会となった。
本来は、オフィスの設計・内装の会社に一任してしまうことが多いが、イベントプロダクションとしての経験や取引先の協力も得て、必要な什器・機材・環境作りに必要なツールなどを、プロジェクトメンバー同士で密な打合せを繰り返し、適切なパートナー選定を行い分離発注を行った。ホットスケープらしさを最大限に引き出すために、あえて分離発注を行った事で、メンバー同士のコミュニケーションと独自の”らしさ”を盛り込んだオフィス設計を実現出来た。
■ フリーアドレス導入で生じた戸惑い。継続的な改善と進化で、より効果的な働き方の実現へ。
限られた執務室スペースの有効利用と部署間を超えたコミュニケーションの活性化を目指し、フリーアドレスの導入に挑戦した。ただし実際に導入することでの戸惑いは少なからずあった。
「会社全体や個人のセキュリティの問題」「書類・持ち物などの管理」「固定の場所に集まってしまう」「部署やチームへの帰属意識が薄れ」等のデメリットをどう解消するか検討が始まった。
「個人ロッカーの設置」「バックオフィスのみ固定席」「ペーパレス化」「コミュニケーションスペースの増築」「モニターと電源タワーを全席設置」「運用しやすいルールを策定」等、管理や移動の負担を軽減しコミュニケーションもしっかりと取れる環境を構築した。
フリーアドレス導入は、継続的な改善と進化を続けることで、より効果的な働き方を実現させる。今回の対策に加えさらなる改善・効率化を目指していく。
■ こだわったのは「らしさ」の具体化と機能の整理。大きなフリースペースと、個性豊かな会議室が誕生
当初の内容設計では70%を執務スペースに経過していたが、社内でのディスカッションをしていくうちに、フリースペースの活用を重要視し、50%に縮小。その分、会議室に加えて、自由にコミュニケーションで活用出来るフリースペースを大きく設置した。
さらに3つの会議室は、大きさの違いだけでなく、機能面やデザインもそれぞれ別々のコンセプトや機能を追求し、いままでの会議室の固定概念には捕らわれず個性豊かな会議室となった。
会議室設計・機能のこだわり
・8名会議室:窓に面し解放感があり、大型モニター設置の多人数会議が可能
・6名会議室:八角形の部屋に特注の六角形テーブルを設置し
フラットな意見交換を意識した会議が可能
・4名会議室:ハイテーブルに横並び4名席を設置し、壁に2台モニターを
連結設置する事により、ウェブ会議をメインとした会議室
フリースペース設計のこだわり
・小上がりステージ:窓面に設置し普段はラウンジの雰囲気でソファーを配置
セミナーなどの開催時にはステージとして活用
・バーカウンター:ネットワーキング時のケータリング設置が可能
・機材操作スペース:専門知識や機材操作知識が習得可能な場所であり
即座に配信イベント等が可能な機材を常設
各メンバーが用途に応じた会議室を選び、適切な環境で業務を行う事が出来る環境を整える事により、業務効率化と生産性向上を目指した。
■ 新たなビジネスの機会にも、交流だけでないイノベーションを生み出す場所
今までのオフィスではカジュアルなコミュニケーションができる場がなかったが、
リラックスして気軽に話せるスペースが、すべてのエリアにできた。それにより、多拠点の社員も本社に訪れる機会が増え、社員が自主的に社内レクリエーションを企画したり、社内の勉強会を企画したりとコミュニケーションの輪が広がり他拠点の社員とも交流が活発となった。
これは社内だけでなく、パートナー企業、クライアントといった社外の方々も同じことが言える。足を運んで頂くことが増えたのはもちろん、フリースペースで仕事をしたいと言って頂けるまでのオフィス環境となった。
また自主企画のイベントも社内で行うことができる為、社外の方のお越し頂く機会が増して新たなビジネスのご相談や協業のお話が増加した。
単なる場所ではなくイノベーションを生み出すオフィスとなった。
■ オフィスの貸し出しで新たな売上獲得「稼ぐオフィス」、試行錯誤しながら取り組み続ける「持続可能なオフィス」
現在も進行中のこのプロジェクトだが、社内的には社員間で新たなコミュニケーションが生まれ、モチベーションが向上することで離職率低下に寄与し、ブランディングによる採用費用の圧縮も期待できる。また対外的にはショールーム的に見せることで受注のキッカケを作ったり、TVドラマやCM撮影用にこのオフィスを貸し出して売上を獲得するという新たな方法を見出した。このコンセプトメイキングに終わりや正解は決してなく、これからも試行錯誤を繰り返しながら「持続可能なオフィスの再定義」という課題に果敢に取り組んでいくつもりだ。
・オフィスレンタル用サイト
https://sites.google.com/view/hotscape-officerental/
- 会社概要
社名:株式会社ホットスケープ
所在地:東京都港区虎ノ門 3-7-7 虎ノ門八束ビル 5F
代表 :前野 伸幸
設立 :1991年3月
TEL :03-6205-7197(代表)
FAX :03-6205-7198(代表)
URL :http://www.hotscape.co.jp
事業内容:イベント企画・制作・運営/イベント施設運営・コンサルティング
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