「創造と挑戦」でライターから環境配慮型ホテルまで手掛けるライテック代表が語る社会への思いとは
ライテックは、創業から80年以上にわたりライターをはじめとした喫煙具を製造・販売してきた老舗の喫煙具メーカーです。時代の先を行く「創造と挑戦」でお客様の生活と環境に寄り添ったものづくりで社会を照らし続ける灯りであるべく、商品の開発に取り組んでいます。
そんな「創造と挑戦」を掲げるライテックでは、どんなチャレンジが行われているのでしょうか?今回、代表取締役の廣田に話を聞いてみました。
「創造と挑戦」のきっかけはライターの新商品開発
-ライテックでは「創造と挑戦」を掲げています。そのきっかけや経緯を教えてください。
喫煙具として「創造と挑戦」を掲げて積極的にチャレンジを始めたのは1997年頃です。当時ライター業界ではまだ、ライターのデザインにキャラクターを用いる発想がなく、あくまでシンプルな使いきりタイプのライターが主流でした。そこで我々は「変化球」を投げようと考え、ライセンスを取得し、ライターにキャラクターデザインを用いるようになりました。
おかげさまでこの発想は大ヒットをもたらし、様々な商品開発に取り組むきっかけになりました。例えば、フィギュアをライターに付けたり、LEDボタンを押すとメッセージが照射されるプロジェクターライターを開発するなど、「これなら売れるのではないか」と考えたアイディアを次々と商品化していきました。
※当時販売していた製品の1例
しかし2011年頃、子どもの安全確保を目的とした法改正が行われました。これにより、子どもが誤って操作しても簡単に着火しないよう、ライターの構造を改良する必要が生じました。そこで法律に適合したライターの開発を早急に実施しながら、ちょうどその頃、携帯電話からスマートフォンへの移行期だったことに目をつけ、イタリアブランドのバッグや携帯アクセサリーなど、様々な商品の企画・開発を手がけるようになりました。これが現在の多角化経営ビジョンである「創造と挑戦」のベースとなる姿勢であり、従来展開してきた喫煙具関連商品を展開するするライフサポート事業とは別の柱となり、ライフスタイル事業を展開するに至った背景です。
環境問題にも着目し事業を展開
-2019年頃からは環境問題にも取り組み始めていますが、どのような背景でしょうか。
使いきりライターという商品の性質上、どうしても製品としての役割が終わるとゴミになってしまうので、環境への負担をかけた分、環境問題に貢献するような事業をやりたいと考えたんです。
そこで漂流ごみが流れ着くなどの環境問題が起きている宮古島に着目しました。事業として使用するプラスチックを削減していく努力をすると同時に、プラスチックごみの回収をはじめ、地元の方と連携した活動や環境に配慮した海のアクティビティ事業など、環境改善活動を推進できる体制が必要だと考えました。そうした発想から、環境保全活動の拠点となるホテル「LOCAL BASE(ローカルベース)」の運営をはじめました。今年でスタートから5年目を迎えます。
実は「LOCAL BASE」は、建設時に建築方法から見直し、環境負荷を減らす工夫をしています。例えば、通常コンクリートの基礎の上に建てる工法が一般的な中、高床式にして基礎のコンクリートを使わない建築方法を採用しました。また、極力廃材が出ないように、予め躯体部分を加工して、海上輸送のコンテナに合わせたサイズにし、現地で組み立てるという方法を取りました。これにより、従来2年かかるところを10ヶ月半くらいで完成させることができました。
内装についても、壁や洗面台などの素材選びを何度も見直し、耐久性と環境への配慮のバランスを取るよう努めました。このようなトライ&エラーを重ねることで、独自の環境配慮型ホテルを実現しています。
常に攻めの姿勢でチャレンジを
-経営ビジョン「創造と挑戦」について、社長としてのお考えをお聞かせください。
私自身は常に新しいものに興味を持ち、面白いと感じたモノやコトに積極的にチャレンジしたいと考えています。仕事は成果が出ればどんどん面白くなっていくものですから、消極的に取り組むのは非常に勿体ないと感じます。だからこそ、日常生活の中でちょっとしたアイディアを得て、それを自社のビジネスに活かせそうだと思えば、躊躇せずにチャレンジしていく、こうした姿勢を大切にしています。
社員にも同様に、積極的にチャレンジしてもらえるような環境づくりを心がけています。日々の業務を通じて、この挑戦の精神を感じ取り、実践してもらえることを期待しています。
そのため、「創造と挑戦」というビジョンは、私が経営から身を引く日まで掲げ続けるつもりです。守りの姿勢に入るくらいなら、むしろ会社をやめるべきだと考えています。常に攻めの姿勢を保ち、新しい可能性を見出していくことは重要ではないでしょうか。もちろん、挑戦には失敗が付きものです。しかし、それを恐れず挑戦し続けることこそが、企業の成長と社会への貢献につながると確信しています。
普段の生活に溶け込む商品やサービスを届けたい
-今後の事業展開をどのように考えていますか。
私たちは、ライター=喫煙具という概念を壊し、普段のライフスタイルの中で火を使う場面に、ライテックの商品がある状況を目指しています。火を使うことは人間の生活に必要な行為ですが、考え方の根本にあるのは「癒し」です。
喫煙具も本来はリラックスのための道具でした。煙草を吸うことは、リラックスの代表格とも言えます。そこで、ホテル事業や飲食事業も、良い空間や体験、癒しを提供することを目指してきました。例えば、使いきりバーナーライター「あぶり師」も、調理器具として火を使う新しい体験を提案しているひとつのツールです。また、新感覚スイーツが楽しめるカフェ「ALLUMAGE LABORATOIRE (アリュマージュ ラボラトワ)」でも、お客様の目の前でキャラメリゼ仕上げをお見せするなど、火を使った新しい体験を提供しています。
これからも様々な商材やサービスを提供し、挑戦を続けていきますので、ぜひ今後の展開にご期待ください。
※ALLUMAGE LABORATOIREの商品ポスター
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