【台湾夜市×銭湯】初開催にして1万人が来場!スーパー銭湯が主催するイベント「京都おふろや夜市」開催の裏側~次々にイベントを生み出す多角化戦略とは~
日本国内の銭湯が老朽化により、閉業や大規模な工事などを迫られている昨今、既にある経営資源に目を向けて、銭湯業界とは異なる市場とのコラボレーションが期待されています。
京都・伏見のまちで、スーパー銭湯やフットサルコートなどの複合施設の運営を行う株式会社メゾネット(所在地:京都市中京区)は、2024年にスーパー銭湯の駐車場を会場にしたイベント「京都おふろや夜市」を企画し開催した。
日本で初めて(※)スーパー銭湯が主催するクラフトビールイベント「京都湯上がりクラフトビール祭~Afterbathcraftbeer~」や日本最大級の野外サウナイベント 「京都サウナ大作戦」、などを主催する他、農産物直売所「じねんと市場」で地産地消をテーマにした「京都パンマルシェ~地パン、地消。~」なども手掛けています。スーパー銭湯の枠組みを超えて、台湾夜市、クラフトビール、サウナなど幅広い分野へ挑戦し、新たな業界に注目される施設経営を目指しています。スーパー銭湯の革命を起こすべく、「スーパー銭湯にしかできないことで地域に貢献出来ることをやろう!」という思いをベースに進化しています。(※自社調べ)
そんな会社を経営する専務取締役の長尾洸太朗がプロジェクトの裏側を語ります。
スーパー銭湯の駐車場をイベント会場に!?
長尾:本来であれば、スーパー銭湯の集客に直結して売上を左右する駐車場を閉鎖するというのは、思い切った判断だったとは思いますが、スーパー銭湯が駐車場をイベント会場にするというのはあまり聞いたことがなかったので、すぐに面白いと思いましたね。また、あらゆる設備の整ったイベント会場ではないからこそ、出来ることがあるのではないかと期待のほうが大きかったです。ただ、一歩間違えるといつもと変わらないただの駐車場ですから、会場演出はこだわりましたね。特に、駐車場の入口の大きな看板や路面装飾は駐車場では当たり前に目にしていますが、そういったものがイベントにも自然と馴染むことも魅力的だと感じていました。夏の開催ということもあり、駐車場は影もなく暑いので、スーパー銭湯の水を打ち水にして駐車場に流したり、スーパー銭湯の水に浮かべて水みくじをしたり、スーパー銭湯の駐車場だからこそ、出来た演出も多かったと思います。駐車場を作りこんで隠すより、あえて活かし残すこと、銭湯壁面に大きく描かれた「ゆ」の文字と台湾の雰囲気は恐らく台湾夜市でも味わえない雰囲気だったと思います。
台湾夜市と銭湯、一見交わりのないように思いますが…
長尾:台湾の夜市もいつもは何もない駐車場に、夜になるとどこからともなく屋台を引いた店主たちがぞろぞろとやってきて、営みを始める。夜市を介して人と人とのコミュニケーションが生まれ、街全体の活力が生まれる様は、どこかスーパー銭湯と似ている雰囲気を感じましたね。そして、一夜営業が終われば、また日常の朝を迎えるわけです。何もなかったかのように駐車場は本来の役割を果たしていて、とても面白いと思いました。
これまでクラフトビール、野外サウナと台湾夜市、色々なテーマでイベントを実施されてきましたが…
長尾:イベントをする上で自分たちはスーパー銭湯だということは忘れてはいけないと思っています。イベント会社ではないので、流行りとか目先の利益よりも、あくまでスーパー銭湯としての役割を様々なテーマの中からフィルターを通して、表現できるかだと思っています。スーパー銭湯が街に溶け込みながらも少し非日常を味わえる場所であり、その場で出会った人とのコミュニケーションがとれる場所ということ自体が、健康的なことだと思いますね。
年に3回の大型イベントを自社で行うことは、大変ではないですか?
長尾:楽ではないですね。イベント単体の利益を最優先するのであればイベント会社に委託したほうが安定しますからね。それでも自社で企画・運営にこだわるのは、イベントを通して従業員にも会社に関わる面白さを感じて欲しいからです。多角化戦略を行う上で一番懸念されるのが、急激な事業展開に人材育成が追い付かず、運営側と現場での意識に差がでてしまうことです。これまでの日常の業務に加えての仕事量の増加や新たな取り組みへの理解など共有することが難しく、出来ずに失敗するケースを何度も見てきています。だからこそ、イベント毎に従業員が自分の会社に対する期待が大きくなって、今まで興味のなかった従業員も色々なテーマでイベントを行うことによって、その人の好きなテーマに出会えるんでしょうね。好きなこと、知識のある従業員には現場であっても、積極的にイベント運営に関わってもらっています。
イベントのお客様満足度98.8%(※)自社調べ
長尾:従業員の原動力はやはりお客様からの声だと思います。今回、“台湾夜市をイメージした京都の夏祭り”というテーマで実施しましたが、「地元の夏祭りのクオリティではないよね」、「家の近くにこんなイベントがあったらすごく嬉しい」と沢山のお声をいただきました。あくまでスーパー銭湯のPRなのですが、これまで一度も足を運んだことのなかった方々が、イベントの度に施設に立ち寄り、気付いてみたら年に3回も来てるね、と仰っていただくことが嬉しいです。
多角化戦略のメリットとは?
長尾:これまで繋がりのなかった業界や分野の第一線で活躍される方々と繋がれたことはとても大きいですね。特にメディアやインフルエンサーの方々に話題にしてもらえることが増えました。正直、我々施設はオープン時や大きなリニューアルを行わないとなかなか話題になりませんから、イベントをきっかけに話題に取り上げてもらえることは有り難いです。また、ターゲットを新たな市場へ広げることが出来ました。スーパー銭湯の話題が、居酒屋でも町の中華屋さんでも耳にするんですよ。今やイベントの名前で呼ばれることも多いですね。「次は何をするんですか?」と聞かれることも多くて、「従業員に任せていますので、私もどんな提案が上がってくるのか楽しみにしています。」と応えています。従業員も男女、年齢も幅広く様々なので、色々な目線で世の中を見て、情報をキャッチしてきてほしいなと思います。今や、コンビニエンスストアがアパレルになったり、テーマパークがクルーズ事業に参入したり、どんな繋がりからビジネスのチャンスが生まれるか分かりませんから。
次回に向けてどのようなことを考えていますか?
長尾:まずは、昨年から色々なテーマでイベントを開催してきました。失敗もありましたが、0から1を生み出し形にすることが出来ました。今後はプラスαで1から10のフェーズにも挑戦していけたらと思います。自社だけでは解決のできない問題にも直面すると思っています。あらゆる業界、分野の知恵をお借りして、新たな企業様とも関係が築けたらと思います。そのためには、スーパー銭湯を運営する会社だからこそ、心を裸にして日常の会話からビジネスが生まれるような社風で在り続けたいと思っています。
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・自社調べ
・2023年2月調べ
・日本国内における「スーパー銭湯が主催する企画」として
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