~AIと人が協働する時代へ~ クオルテックが描く未来の品質保証
クオルテックは、分析サービスや信頼性試験をはじめとする品質技術サービスを提供する一方で、様々なお客様からの依頼を通じて得た膨大なデータと技術ノウハウを蓄積してきました。
クオルテックの研究開発部門ではAIを積極的に取り入れて、それらを活かすことで新手法の開発を独自に進めるとともにお客様の研究開発の進化・スピードの飛躍的向上に寄与しています。
今回のストーリーでは、当社の研究開発部門の人工知能研究チームが注力している開発分野と活用事例について、研究開発部長の新子比呂志とチームリーダーの植木竜佑、チームメンバーの牛尾香澄に話を聞きました。
【プロフィール】
新子 比呂志(研究開発部 部長)
2015年クオルテック中途入社、研究開発部に所属。
前職は、シャープにて衛星放送用ダウンコンバータの開発に従事。
現在は、部門長として研究開発部全体のマネジメントに従事する一方、前職の経験を活かした高周波計測の案件を実務として対応している。
週末は、読書やAMAZON PRIMEで映画鑑賞するなど、趣味を楽しみながら過ごす。
最近読んで面白かった本は、「犯罪者」太田愛 (著)。
植木 竜佑(研究開発部 人工知能研究チーム リーダー)
2017年クオルテック中途入社、研究開発部人工知能研究チームに所属。
前職は、日産自動車にて自動運転HMIの開発に従事。
現在は、AI技術を活用したビジネス創出を目標に、はんだ接合部の不良解析・検査に特化した、AI画像検査プラットフォーム「Qualap」をローンチ。
週末は、毎年フルマラソン完走を目標に、ランニングに励む。好きな本は、「Zero to One」ピーター・ティール (著)。
牛尾 香澄(研究開発部 人工知能研究チーム メンバー)
2023年クオルテック中途入社、研究開発部人工知能研究チームに所属。
前職は、SEとして業務システムを主としたWeb開発に従事。
現在は、住友電工様との共同開発で、知的障がいを持つ方たちと一緒にAI開発が取り組める、新しいシステム開発に取り組んでいる。
趣味は建築物(特に家屋)巡りとアンティーク家具屋巡り。
好きな本は、「八段階のヨーガ」スワミ・チダーナンダ(著)。
右:研究開発部 部長 新子 比呂志
左:研究開発部 人工知能研究チーム リーダー 植木 竜佑
データカンパニーとしての側面を活かし、AIと協調して品質課題を解決することがミッション
当社の人工知能研究チームのミッションは、お客様の抱えている課題に対し、当社が持つ様々な試験や解析データ、ノウハウをビックデータとして活用することで、課題解決はもちろんのこと、お客様の期待を越える「未来品質」の提案をすることです。
クオルテックは、多種多様な品質試験、故障解析業務を行う独立系の試験・解析会社であるとともに、膨大な分析データや技術のノウハウを蓄積している「データカンパニー」でもあると考えています。お客様の抱える品質課題は千差万別であるため、人だけの力に頼っていては限界があり、今後はデータカンパニーとしての側面を活かしAIと協調して品質課題を解決していく必要があると考えています。
不良個所を自動検知するシステム「Qualap」により、業務の効率化が可能に
現在は、当社の創業当時からの強みである、基板実装におけるはんだ不良解析、特にはんだ中のボイドやクラックの定量評価手法の開発に注力しております。
大量の画像検査データをクラウド上に蓄積することで、AIを構築し、画像中の不良箇所を自動検出するシステム「Qualap」の開発をしております。このシステムは、自社での受託測定のみの利用ではなく、はんだ品質保証を担当されている他社様にもご利用いただいております。
はんだ接合部の検査では、はんだボイドやはんだクラックを人手で一つ一つ検査している場合が少なくありません。また、はんだボイドの陰影が異なっていて、従来のソフトを用いた閾値による2値化処理では、一度に自動検出できず使い物になりませんでした。
それらの課題を解決するため、Deep Learning(深層学習)の技術を用いることにより、従来のソフトでは自動検出できなかったはんだボイドを高精度に自動検出することが可能になり、従来の人手による検査時間(1枚あたり)と比較して、約67%の時間短縮が可能となりました(当社調べ)。さらに、アプリを使えば使うほど、検出性能が高まっていき効率アップにもつながります。
ボイドやクラックを自動検出、検査時間を大幅短縮
Qualapは、はんだボイドやはんだクラックをAIが自動検出し、検査時間を大幅に短縮することができるAI画像検査プラットフォームです。今なら無料トライアル実施中です。
「誰でも簡単に使える、画像解析の専門知識は不要、初めてでも使いやすい」を実現し、障がいをもつ方の雇用を創出
最近では、不良解析をしてくれるAIを、お客様自身でも簡単に作ることはできないか、ということで、「Human-in-the-loop」を実現する新しいシステムを、住友電気工業株式会社様と共同開発しております。
住友電気工業株式会社様では、知的障がいを持つ方たちと一緒に、AI開発をする取り組みを実施されており、人工知能学会より表彰されております。AI開発を通して、より多くの障がいを持つ方たちが活躍できる環境づくりを積極的に推進しており、それを実現するシステム開発を進めております。エンジニアでなくても、誰でも不良解析をしてくれるAIを作って使えるようになれば、その現場毎に最適なAIが誕生し、その現場毎で品質課題を解決できることになると考えております。
-お客様の課題をAIを通じて解決をしていくことで、多くの「笑顔」が生まれると良いですね。今後もAIを活用した好循環を生み出す社会になることを願いますが、将来のAI活用はどのように進化していくと思いますか。
植木:
「将来は、AIが人の仕事を奪う怖い世界ではなく、ドラえもんのようなAIと協調して仕事をする楽しい世界になると思います。人とAIでお互い得意なところを補い合いながら、協力し合って答えを導き出す必要があると思います。そのためには、両方向のコミュニケーションが必要で、AI自身にも人と同じようなコミュニケーション能力、感情、意識、創造性のようなものが必要になってくると思います。」
牛尾:
「AIという言葉が世に知れ渡りシンギュラリティを危惧する雰囲気もありますが、将来のAIは人間との協働や、人間自身の機能拡張がメインになるのではないかと考えています。
人の代替をして楽して暮らしたいのは山々ですが、AIは人間のサポートとして、仕事や生活における負担を下げた方がヒトらしく幸せに生きられそうな気がします。
AIとの協働で私たちにできることが増え、今まで諦めていたことにチャレンジできるようになり生きる喜びが得られる、将来はそんな社会になってほしいと思います。」
-当社の品質技術サービスとAIの融合が実現するまでに、様々な研究課題に取り組まれてきたと思います。最後に、研究開発部長からAIチームへ応援メッセージをお願いします。
新子:
当社の研究開発テーマの可能性を広げるために、AIの技術は非常に役に立っています。
現在のAIチームでは社内保有技術との融合を目標に、信頼性改善に大きく寄与するはんだ接合部の画像解析や、研磨事業を助けるシステム開発、お客様との共同開発を通じた汎用性の高いUI開発をなどに積極的に取組んでいたただいており、社外の方々からも高い評価を得られるようになってきました。
今後は更に発展・向上していただけるように全力でサポートして行きたいと考えています。
<会社概要>
■株式会社クオルテック
代表取締役社長:山口友宏
本社所在地:大阪府堺市堺区三宝町4丁230番地
事業内容:
・半導体、電子部品の不良解析・信頼性試験の受託および新技術の開発
・品質管理を中心とした工場経営、実装技術に関するコンサルタント
・レーザ加工・表面処理(めっき)技術を中心とした微細加工
・試験装置の設計・開発・製造・販売
【本件に関する報道関係者からのお問合せ先】
株式会社クオルテック 広報IR課
電話:072-226-7185
メールアドレス:communications_hq@qualtec.co.jp
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