床材でもっと空間づくりを楽しんでもらうために。クッションフロアならではのデザインを追求した「2020-2022 Hフロア」開発秘話!
株式会社サンゲツは、住宅用クッションフロアを中心に、店舗用やペット対応など、暮らしの用途に合わせた機能性商品を掲載したクッションフロア新作見本帳「2020-2022 Hフロア」を9月24日(木)に発刊します。
クッションフロアは、お手入れのしやすさ、貼り替えのしやすさに加え、フローリングなどと比べてコストを抑えられるというメリットから、新築・リフォームを問わず住宅の水廻りや原状回復が必要な賃貸住宅などさまざまな場所で使われています。その中でも、特にベーシックで使いやすいオーク柄は、定番品として長年愛されてきました。新Hフロアでは、そのオーク柄を刷新した「ミラオーク」をはじめとする、木や石の素材本来の美しさを再現しつつも室内空間に使いやすくアレンジしたデザイン性の高い商品を拡充。その刷新のポイントやクッションフロアならではの商品開発の面白さについて、開発に携わったサンゲツ 床材事業部の山本拓磨が語ります。
床材事業部 商品開発課 担当課長 山本 拓磨
固定概念にとらわれないアイデアで新しいオーク柄を開発
私は2019年の春に商品開発課に着任したばかりで、初めて開発メンバーと共に商品開発に取り組んだのがこの「2020-2022 Hフロア」でした。フレッシュな状態だからこそ考えられる、固定概念にとらわれないアイデアを活かしたいとの意気込みを持って商品開発にあたりました。その想いを特に反映しているのが新しいオーク柄「ミラオーク」です。
長年続く定番品を刷新したオーク柄「ミラオーク HM-10011」
ベーシックで癖のない木目が特長のオーク柄は、日本でも長年床材の定番品として使われてきました。しかし、今まで25年以上定番品として活躍してきたオーク柄8色の出荷量を色ごとに比べてみると、群を抜いて売れているのは長期継続品という付加価値がついた3色のみ。これはもしかしたらもっと売れるオーク柄を創り出すことができるのではないか、という思いが強くなりました。定番品を刷新するというのは、かなり挑戦的なことなので、長年商品開発を続けている人間であればあるほど、手を出せない部分だと思います。だからこそ、今回のHフロアでは今の時代に合った新しいオーク柄を開発したいと開発チームメンバー全員が考えるようになりました。
ちなみにミラオークという名前は、イタリア語のMira(羨望・眺望)から名付けました。未来にわたって永く愛されてほしいという意味も込めています。
長年定番品として愛されてきたオーク柄「オーク HM-10069」
まずは、従来のオーク柄を分析するところから始めましたが、さすが長年定番品として活躍してきたデザインらしく、オーク特有の、主張しすぎず程よい板目や節が見事に表現されていて、見れば見るほど上手く作られていると感じました。その中で改良点として注目したのは、板巾のサイズと、板と板の間にある目地の表現、それからカラーバリエーションでした。
最近のフローリングは15㎝程度の幅広な板巾が人気ですが、従来のオーク柄は7.5㎝とややスリム。かといって賃貸物件など比較的狭い空間で使われることが多いクッションフロアを板巾15㎝にすると、限られたスペースの中で節など特徴的な柄が繰り返されることになり、違和感が生じます。クッションフロアを開発する上で一番苦労するのは、この同じ柄が繰り返し出てきてしまうリピートの問題です。製法上、ひと続きに印刷できるサイズは、国産では最大タテ125㎝、ヨコ182㎝と限られているため、その中で板巾などを調整し柄の繰り返しを自然に表現することが、クッションフロアが本物の木ではないという「違和感」を消すポイントになります。そこで、「ミラオーク」では、実際施工した床を想定したときに柄の繰り返しが気になりにくく、ゆったりとした印象を与えるちょうど良いラインとして、板巾を11.4㎝に調整しました。
次に、目地表現は、よりリアルに見えるようにラインを細くシャープに改良。さらに、ただ線を印刷するのではなく、目地のラインをグラデーションにして板と板の間の陰影を再現しました。
また、従来は全体的に温かみのあるカラーバリエーションでしたが、最近のトレンドではよりグレイッシュなカラーが求められるようになってきています。とはいえ、グレイッシュトーンに偏り過ぎるとモダンなイメージを与えてしまうので、幅広いインテリアスタイルに合わせやすい、温かみのあるグレイッシュトーンを中心に8色を厳選しました。
最後まで悩んだホワイトカラー。
最終的には少し温かみのある左のカラーに決定
クッションフロアだからこそできること
ミラオークだけに限らないのですが、クッションフロアの商品開発を始めた当初は、本物の木を再現すれば良い商品になるはずだと思っていました。しかし、木と塩ビの素材の違いやリピートという制限がある中、本物を目指せば目指すほど、どこか嘘っぽくなってしまう。そこで、本物の木とは違うクッションフロアだからこそできることとは何かを考えた時、本物の木ではできない繊細な色の濃淡表現や節を調整することで本物以上に美しい板目を作りだせることだと思い至りました。手を加えることで本物以上に綺麗に表現できることが、クッションフロアならではの面白みだと思います。
巻頭企画の「Have a Good Weekend」掲載商品も、クッションフロアだからこそできるアイデアを詰め込んでいます。新しいHフロアは全体を通して「生活者への共感」を意識し、プロ目線の商品開発ではなく、一般の生活者の目線を大切にしています。そのため、「Have a Good Weekend」では、休日に蚤の市で見つけたアンティークやレトロな雰囲気の喫茶店、芝生が気持ちのいい公園など、ありふれた日常の中で心地よいと感じたものや好きなものをお部屋の中に取り入れる楽しさを提案しています。
アンティークラグをイメージソースに開発した
「パッチワークラグ HM-10001」
デザインソースとなっているアンティークや芝生を、クッションフロアとして使いやすいデザインにアレンジすることにはとても苦労しました。ちなみに芝生の柄は、実際の芝生を撮影したものからデザインを作成しています。実寸よりもあえて少し縮小することで、芝生の土っぽさを消して、お部屋の中に馴染みやすくする工夫をしています。一年の中で青々とした芝生が撮影できる期間は限られているので、開発時は時間との戦いもありました(笑)
床材でもっと空間づくりを楽しんでほしい
Hフロア新見本帳には、ミラオークや「Have a Good Weekend」掲載商品以外にも、新しいデザインを多く収録しているので、普段の空間とはちょっと違った空間づくりや、お気に入りの家具とのコーディネートを楽しんでいただきたいと思います。リビングだから木目を使用するといった固定概念にとらわれず、リビングのちょっとしたワークスペースにタイル柄を使ってみたり、芝生柄と木目柄を組み合わせて自然を感じるコーディネートにしてみるなど、今までにないような使い方にぜひ挑戦してほしいと思います。
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