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今日が、残りの人生の最初の1日。

採りたい気持ちをカタチにしたい 〜対話型AI面接サービス「SHaiN」誕生までのSTORY〜

著者: 株式会社タレントアンドアセスメント

HRテックの進化が目覚ましい中で、こと『採用』に関しては人間の知識や感覚で行われている部分がまだ多くある。そんな中で一歩先ゆく“AI面接”というサービスはどのように生まれたのか。SHaiN誕生までの物語を紡いでいく。

企業の人材課題がきっかけに

「商品が売れない」「営業ができない」「そもそも新しいマーケットとはどこにあるか」———これはタレントアンドアセスメントの前身となるT&Aパートナーズが、企業コンサルティング事業を通して多くの企業から聞かれた声だ。企業が抱える課題は数知れない。

しかしそれらを紐解いていくと“人材”というキーワードが必ず存在する。「企業がどのような人で成り立っているのか」をヒアリングしていくと、経営者が思い描くビジョン(理想)と現実にはギャップがあり、そのギャップを解決できる人材が不足しているのではないか?ということに行き着いた。

例えば企業が中途採用を行う際に注目するのは職務経験や業界経験。しかしながら実際に採用すると、その企業にマッチしないケースがある。これを検証していくと採用時には見えやすい部分(職歴・スキル)を重視しており、応募者の本質・資質を見抜けていない、ということがわかってくる。例えるなら「リーダーシップ経験あり=リーダーシップ資質がある」とは限らない。表面的な経歴では本当に行動・結果を出せるのかはわからない、ということだ。


臨床心理学におけるアセスメントのアプローチの一種として、古くからある『構造化面接手法』というものがある。面接の公平性が保たれ、本当にその職種に適した人物かどうかを客観的に見極めることができる面接手法の1つであるが、日本の企業ではまだまだ面接官や採用担当者の経験や勘に頼る採用選考が多い。この構造化面接を基にメソッドを構築し、関わる人が同じ定義・同じ共通言語を使って評価を定量化してはどうか?と考えた。そこで『採用に特化したコンサルティング事業』を行う会社として、2014年株式会社タレントアンドアセスメントを設立した。

<コーポレートロゴの氷山には「水面下の見えにくい人の資質を見極める」

という想いが込められている>


タレントアンドアセスメント設立当初は、構造化面接を日本企業向けに独自開発をした『戦略採用メソッド』を面接官向け研修プログラムとして提供していた。しかし、その研修にも課題も見えてきた。研修ではしっかりと内容を理解していただいたにもかかわらず、いざ選考現場に戻ると、研修通りの面接ができず「意欲的だから」「自社に合いそうだから」と感覚的な評価が残り、その根拠が示されないことがあった。そのため毎年、面接官研修を実施し、その参加者も同じメンバーという企業が多いのが現状だ。そもそも、人物の本質である資質を見極める面接に必要なことは「経験」ではなく「技術」の習得なのだ。

会話できるロボットがあれば、面接もできるのではないか?

色々と考えあぐねていた2016年。テレビを見ていると、ソフトバンクロボティクスの人型ロボット『Pepper』が、人と歩きながら会話している風景が目に留まり、大きな衝撃を受けた。そこで早速、この話題をアイデア会議にあげる。メンバーから「良いんじゃない。AIが面接ってありかもね」と軽い賛同から面接のAI化を模索しはじめていった。このSHaiNが芽吹いた瞬間である。

もしも面接のAI 化できれば、ロボットとの会話は夢物語ではなくなる。しかし、開発ベンダーとの打ち合わせでは「できそうだ」という感覚的な会話の域を脱しない。なぜなら今ほどAIが浸透している時代ではなく、理論上はできるはずだが誰も手掛けたことがなく、各社AIの取り組みを始めたばかりという状況だった。私たちは「前例がないからここで検討終了」というのも心残りだった。とは言いながら、まさかAIを使った面接システムの開発に数億も費やすことになるとは夢にも思っていなかったのだが(笑)。

AIを面接のシステムに組み込むには、「どの学習モデルを組み合わせて使うか」「どのデータをどのくらいの量学習させるか」など、検証時の結果を変動させる要素が多い。1人が開発に集中し、もう1人がテスターとして検証に専念。面接質問の言葉遣い・文章構成・単語、これらがどう作用してどう影響するかなどを検証・精査していく。ある程度形作った後は、実際の模擬面接のようなことも行い、どのような回答をするのかをデータ化し、それらをさらに新しい知識としてAIに積み込んでいく———この作業の繰り返しだ。 先が思いやられると感じながらも、今さら後戻りもできず、腹を括って開発を続けた結果、2017年3月にようやく面接システムへのAIの組み込みが完了した。

次のステップは、会話という部分だ。話し言葉をテキストに起こす、というところに着手した。しかし、ここでも問題が発生する。肝心要となる集音機能がPCやロボットなどの機種によってバラツキがあったからだ。音声認識はしっかり集音できなければ文字化することはできず、精度として到底使えるものではない。現在、SHaiNがスマートフォンの対応になっているのは、電話本来の機能である集音に優れているという背景があるのだ。

SHaiNは試行錯誤・紆余曲折しながらも2017年にようやく小さな果実になった。その根底には戦略採用メソッドがあり、そのメソッドの視点・理論があったからこそ、他社にはない新たなAIの活用方法が実現できたのだ。世界で初めて対話型AI面接というSHaiNの付加価値が生まれた瞬間だ。

ベンチャーながらの発想力とフットワークで、さらにその先へ

2017年6月、Pepperが面接官となったSHaiNをお披露目する。当時たった4名の会社が50名以上のメディアを集めた。「時代を動かした」と肌で感じ、「世の中に一石を投じる様な製品が開発できたのだ」という達成感を掴んだ。新聞や雑誌、テレビなどでも数多く取り上げられ、多くのお客様からお問い合わせをいただき、SHaiNへの期待感を感じると同時に「使いたいと思われるサービスを開発していかなければならない」といった使命感に震えた、と当時の担当者は言う。

<記者発表時にはPepperと対話しながら面接を進めていった>


問い合わせが絶え間なく続く一方で、初期導入いただいた企業様が継続利用いただくケースは少なかった。「SHaiNは現在のマーケットにプロダクトフィットしていないのではないか」と脳裏をよぎった。ここまで“新しい価値観をつくる”というところに製品開発の視点を置いていたため、ユーザーニーズ・マーケットニーズが掴み切れていなかったのかもしれない。同時に、これまでのコンサルティング事業の利益を超えていく開発資金への不安、製品が売れるのかといった恐怖心が生まれた瞬間でもある。今現在もそれら不安や恐怖が完全に払拭されてはいないが、開発スタンスはこれまでの経験を糧に、『ユーザビリティを焦点としたもの』へと変わっている。

2020年9月末時点で導入企業様は230社を超えた。昔も今も、ベンチャーながらの柔軟な発想とスピード感を持って、日夜チャレンジの連続だ。


これまで携帯やパソコンといったIT機器がない時代から、今や一人1台当たり前に所有するほどに様変わりした。当時は誰も想像できなかったことが、生活の一部になっている時代へと急速に変化した。きっとこれからの未来も、今では想像できないスピードであらゆるものが変化を遂げるであろう。

しかしそこにはAIというテクノロジーが必ず存在する。AIでできることはAIが行い、人は気持ちを動かすことや、クリエイティブなことにエネルギーを注ぐ———そんなハイブリッドな社会になっていくだろう。同時に、T&Aパートナーズの頃から掲げている「社会の根本的な問題を解決する」というスタンスは変えない。世の中や社会を動かす中心は、やはり人であるからだ。

タレントアンドアセスメントは、これまでに培ってきた知見やスキルを展開し、今後も人が持つ問題・課題を寄り添いながら一緒に解決していける企業であり、より豊かな社会を創造し続けていく会社でありたい。

<対話型AI面接サービス「SHaiN」>



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■対話型AI面接サービス「 SHaiN 」(https://shain-ai.jp/

■株式会社タレントアンドアセスメント(https://www.taleasse.co.jp/

所在地:東京都港区浜松町1-22-5 KDX浜松町センタービル5F

代表者:代表取締役 山崎俊明

設立:2014年10月

資本金:3億9,380万円(資本準備金を含む)

事業内容:AI面接サービスSHaiNを主軸とした採用コンサルティング事業の展開

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