高校の同級生のさっちゃんとぼく

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そして、ジョンやアリアたちがアメリカに帰り、いつもの日常がはじまりました。



そしてふと思い出しました。


彼は女だよ。


もしかしたらぼくはさっちゃんを傷つけてしまったかもしれない。
あの時のさっちゃんはどんな気持ちだったんだろう。


ぼくは一人の友達になんてことをしてしまったんだ。


もし逆の立場だったとして、友達だと思ってた人が 女だと他の人に言っていたら きっと傷ついただろう。


たとえ身体が女だったとしてもなんで男だって自分は言い切らなかったんだろう。



さっちゃんはぼくのことを友達だって思ってくれたから メールで本当のことを言ってくれたのに。
ぼくは友達を裏切ってしまったかもしれない。



身体は女でも、心は男なんだから、男だ。

さっちゃんは男だよ。


女なわけない。


なんで自分は軽々しく 女だ なんて言ってしまったんだろう。


ごめん。


ごめんさっちゃん。



さっちゃんは立派な男だよ。


サッカーでつくったすり傷。あれは男の傷だよ。


そうだよ、さっちゃんは男さ。


そこらへんの男より、よっぽど男さ。さっちゃん。


さっちゃんは男さ。


さっちゃんは男さ。


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あのとき 彼は女だ と言ってしまったことを謝りたい。
そう思ってから、結局そのことを言えずに 5年ほどたちました。
さっちゃんの連絡先はもうわかりません。
成人式で会った日


同窓会で会った日


結局 言えないままです。


たくまにはこのことを打ち明け、さっちゃんには直接 自分のタイミングで言いたいからさっちゃんにまだ言わないでと伝えました。


なあ さっちゃん。


もうさっちゃんはそのことを忘れてしまったかもしれないけど。


次会ったとき、ちゃんと話すから。


これは世間的にはちっちゃなことかもしれないけど、ぼくにとっては本当に大きなことなんだ。


さっちゃんあのときはごめん。



さっちゃんは立派な男さ。


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最近 さっちゃんと同じく、身体は女性、心は男性である方と知り合いまして、
学校生活どうだったか、どう過ごしていたか。どこが辛かったか。
などいろいろ話す機会がありました。
それを機に、小さなことかもしれないですが、自分の心のわだかまりを、文にする一方で、性同一性障害について身近に感じてほしいと思い、書きました。
最後まで読んでいただきありがとうございました。





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