母親が振り込め詐欺にあった。その時の電話の事。

1 / 3 ページ

一昨年の12月の話です。

その日は、朝からなんだか色々めんどくさかったので、会社をサボってパチンコ屋に行きました。
負けが続き、結構な額まで使ったところで、起死回生となり得るフラグを引き、取り返すぞ! と意気込んでいたところ、ケータイが振るえました。
画面をみると、親父の名前が。
ボクの親父は、めったに電話はしません。連絡の類いは絶対にオフクロを経由してきます。その親父から直接の電話にボクは激しく動揺しました。これからスロで出しまくってやる! という意気込みも忘れ、すぐさま席を立って店の外へ出て、電話にでました。

「おまえ! まだこの電話使ってんのか!?」

すぐに解りました。それはそれは激しくお怒りになられている事は。それにしても、質問の意味がわかりません。ボクが機種変更したのは1年くらい前だし、そもそもこちらの機種が何であれ電話は繋がるはずです。
電話の向こうでは激昂親父が続けて喚いています。

「てめぇ! やってくれたな! 明後日ちゃんと返すんだろうな!?」

ん? ますます分かりません。明後日?

「金だ! 明後日キッチリ返せるんだろうな!?」

お……おぉ。金の話ですか。
お恥ずかしい話ですが、24で東京に出てきてから、親のスネをかじりまくり、生活費に困ったら実家に電話してお金の無心を申し出る、という事を繰り返した過去がありまして、しかも「借りる」と言って都合してもらった全てを一切返済していないという状態だったので、お金に関する親父のお怒りは至極ごもっともでした。
思い当たる事が多すぎて、とっさに反応出来なかったのですが、それにしても明後日とは急すぎないっすか? と口ごもっていると、

「昨日、お母さんから金、借りたべ!?」

は? 最近はスロで結構勝ってるし、子供出来てから一度も金の無心はしてないけど? ってことで「いや、電話なんかしてないけど……」というと、オフクロが電話口に出ました。

「おまえ、そういう事言うのか? ついにそうやってしらばっくれるまでになったのか!?」

と、こちらもたいそう激昂していらっしゃる。でもね、ホントに身に覚えがないのよ。「電話なんんしてないじゃん」

「いつも使ってたヤツ無くして番号変わったって電話してきたっしょ! 川崎のナンダカ工業のお金無くしたって言って、ナンタカ先輩の口座に振り込めって!!!」

ん? いやいや、電話なんかしてないでしょうよ。「だから、電話なんかしてないじゃん! 大体その川崎のナンダカ工業ってのはどこの会社だよ? 叔父さんの関係の会社?」
オフクロの兄は川崎で鉄材関係の会社をやっているらしい。もう20年くらい会ってないけど。

「おまえは……とうとうソコまで来たか!! 嘘まで吐いて誤魔化そうってのか!?」

だーかーらー、嘘なんか吐いてないよ。「電話なんかしてないってば! 昨日話してないでしょ?」

「……わかった。あくまでしらばっくれるんだな? 180万だぞ! どうなるか分かってるだろうな!」

ひゃっ……180万!? 「え……?」

みんなの読んで良かった!