父と娘のお風呂トーク ~チンコがあれば男の子?~

ボクには3人の子供がいます。長女「娘ポン」8歳、長男「小僧」4歳、二女「末っ娘」2ヶ月。

娘ポンは小学校2年生ですが、まだボクとお風呂に入ってくれます。

ある日、体を洗っている最中に娘ポンが突然言いました。

「なんで男の子にはチンコが付いてるの? チンコが付いてるから、男の子なの?」

最近末っ娘が生まれ、妹が沐浴しているのを見たり、弟と一緒にお風呂に入ることもあるので、その違いを不思議に思ったみたいです。
小学校2年生でそこに興味を覚えるのは若干遅い気もしますが、普通はどうなんでしょう?

“うん。そうだよ”……と答えようとして、ハッと思い止まりました。これは重要な局面だと思ったんです。
男女の違いの説明は性教育の第一歩な訳です。ここで間違うと娘ポンの将来に何か良くない影響があるかも知れない。まして、今まさに「なんか違うな」と娘ポンが思っていたりしたら、ここでのボクの答えが彼女を悩ませる事になるかもしれません。
そうでなくても、これから成長する過程で友達やクラスメイトに性別の悩みを抱えている子に出会うかもしれません。そういう子にきちんと理解を示してあげられるようになってほしい。いじめの被害者にも加害者にもなってほしくない。
学校教育がどの辺りまで踏み込んでくれるかは分かりませんが、ここは父親として、しっかり伝えなければ!

そんなことを一瞬にして考えまして、ボクは意を決して話はじめました。

「そうだなぁ……生まれたばっかりの時は、チンコがあったら男の子、無かったら女の子、って事になるんだ。それは、男の子と女の子では役割が違うからなんだよ。母ちゃんはこの前、末っ娘を産んだよね? それは、女の子にしかできない事なんだ。同じように、男の子にしかできない事もある。それが、チンコがあるかないかでだいたい決まるんだ。」

「ふぅん……」娘ポンは何となく分かっているような、そうでないような返事を返してきます。

「でもね、大きくなるにつれて、体と心がちょっと違うなぁ……って思う事もあるみたい。チンコはあるけど、心は女の子だったり、その逆にチンコ無いけど男の子の心だったり。
 娘ポンはチンコ無いから体は女の子で、心も女の子だよね?」

「心が女の子……? どゆこと?」

!!!
なんという事でしょう。「心が女の子」を説明するには、“男の子を好きになる”という部分を説明せねばならず、それを説明するには“好き”という概念を説明せねばなりません。今、娘ポンが思う“好き”とは違う“好き”を8歳に解るように説明するのはボクには無理!!

「う……うーん。そうだなぁ……かわいくてヒラヒラしたお洋服が好きだったり、プリキュアとかアイカツが好きだったり……とか、かなぁ……」

「ふーん……。そうか」

ボクの無難な答えに、娘ポンは微妙な反応です。
というより、さっきから一生懸命何かやっているようです。
ボクは娘ポンの髪の毛を洗っていて、娘ポンはボクに背中を向けているので何をやっているのか分からなかったのですが……

「見て見て! 父ちゃん! うんち!」

……体をサッと避けて娘ポンが見せてくれたのは、体を洗うタオルをベースに、泡を盛って作ったウンコ型のオブジェでした……
あまり聞いてなかったのね。父ちゃんはお前がもし性別に違和感持ってたら……って頑張って考えてたのに。お気楽に泡で遊んでいたのね。そうだよね。8歳だもんね。心の事よりウンコの方が面白いよね。うん。

取り越し苦労だったようです……。

それにしてもウンコって……女の子ならソフトクリームとか言ってほしかったなあ。父ちゃん。

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