失恋を理由に15歳で留学を決意した話 (2)

  留学なんて全く頭になかった、と言ったら嘘になる。

「具体的にどの手法を取るか」という点が定まっていなかっただけで、自分がどれほどの力を持っているのか試してみたい思いはあった。
当時は気がついていなかったけれど、失恋はきっかけに過ぎなかったのかも知れない。

  日本の高校は気に入っていた。
携帯電話を禁止する学校が多い中で何故か「早く買え!便利なものは使わないと時間が無駄になる!」と購入を強制され、校庭もプールもなく体育館だって狭いのにインターハイへ出場する運動部がある。
タテのものをヨコにすると、出来なかったことが出来るようになるかも知れないよ。
まるでそう言っているかのような校風は、私に自信を授けてくれた。
学校への不満なんて殆ど無かったけれど、しいて言うなら遠過ぎたことくらいか?でもそのことにしたって、片道一時間半かけてでも通いたいと希望した結果だった。だから不満のうちには入らないような気がする。

 中学受験をして入った学校で落ちこぼれ、退学し、転校先で息を潜めて生活していた私にとって”自信”は何より欲しいものの一つだった。
中途半端な時期の転入が災いして人より不利だった高校入試を経て、特進クラスへの入学。クラス委員への立候補、校内コンクールで入選した副賞として参加が認められた姉妹校とのセミナー、初めての男女交際…
中学校時代に欲していたもののほとんどは、半年足らずで手に入った。
夏休みが終わるあたりから少しずつ次の目標を探し始めていたし、その中には「親の力を借りずに○○を成し遂げる」ということも含まれていた。

○○、の部分には何を当てはめるか?

そこが問題だったし、彼にはすっかり惚れ込んでいたから、できれば離れたくないという気持ちもあった。

留学もいいんだけどなあ、そうすると捨てなければならないものも多いしなあ。

何もかも掴んだままでいるというのは無理で、結局は一番大事だったもの…恋愛が崩壊してしまったけれど。

ある友人へデンマーク行きが決まったことを伝えると、呆れられた。

「辛かったのは分かるけどさあ…逃げるの?わざわざ外国に?そんなちょっとの期間で振った奴のために?」

確かにそうだ。でも私は密かにこう思っていた。

そういう下らない男のために一年間の修行へ出ようとする自分は立派だ。
将来伝記になるかも知れない。

私はどこまでもバカだった。

頭の中では、Mr.Childrenの”星になれたら”がエンドレスで流れていた。

【参考】
星になれたら





みんなの読んで良かった!