失恋を理由に15歳で留学を決意した話 (5)

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 ※思い出した順に書いているので、時系列がめちゃくちゃであることをお許し下さい。

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  私の進路に関しては、早くも夏休み前から問題になっていた。
友人の間では、という話だけれど。

「どうしようかな。何か、もう一度受験しようって気にならないんだよね。2年から普通クラスに移ろうかな…」
「えっ、いいの?やめといた方がいいよ。鎌さん分かってないかも知れないけどさ…この学校ってそんな簡単に入れないんだよ。しかも特進で、8割以上が内部進学する学校なのに受験していいって言ってくれてるんだよ?」
「うん、分かってるんだけど。でも私、内部進学が嫌だから特進に来たわけじゃないんだよね。上の大学ない学部受けたくなっても平気なように入ったんだけど…何か、何の意味があるのかって思う。毎晩3時まで課題に追われて、そうじゃない日は小テストって」
「ええ〜!でもさぁ…確かに普通クラスからも外部受験できなくはないけどさ…はっきり言って、早慶とか国立は狙えなくなっちゃうよ」
「早慶か。ピンとこないな。国立…は…中学だけでもう沢山」

すると、中高一貫の女子校をドロップアウトしてやって来た友人が言った。

「私立もピンキリだよ。国立か私立かっていうより、学校をきちんと見て回らないと決められないよ。こういう問題は」
「ああ、すっごい分かる。そうだね」
「鎌ちゃんとあたし、そういう点では仲間だよね。3回も受験したくないってのもわかるよ。でもさ、とにかく今回は出すしかないじゃない?進路調査。内部でも何でもさ、書いときなよ」

  内部進学が嫌だからではない、というのは本当だった。
中学受験でさんざんな目に遭った私は、私立なら付属校がいいと希望したのだ。
通学圏内には色々な学校があったけれど、学部の選択肢が最も広く評判も平均的に良かったのがその大学だった。
しかしそれでも存在しない学部はあるし、うっかりそういう所への興味が湧いたらどうするのか。
悩んでいた所に発見したのが、進学先となったその学校だった。
共学化したばかりで校舎も新築され、ほぼ新設校と言って良かった私立高校。2000年以降はすっかり落ち着いているそうだけれど、私が受験した時にはまだ異常なほど筆記試験が難しかった。塾の先生にも止められた。
公表されている偏差値が中の上なのに、模擬試験で偏差値74だった生徒が落とされている。悪いことは言わない、やめておけと。

「今の環境が恵まれてるのは分かってるんだけどね。でもそれに流されていいのかって思うんだ。甘いのかも知れないけど」

結局その時は、内部進学希望と書いたような気がする。一部の学部学科は内部進学でも試験を受けなければいけなかったから、そちらを考えていると。

  緑が多い高輪の街と真裏の泉岳寺は美しかった。
夜になればライトアップされた高層ビル群や東京タワーが見えた。
だけど私の未来は全く見渡せなかった。
なりたい職業がない訳ではなかったけれど、同じ職業を志すクラスメートに比べると冷めていたと言わざるを得なかった。

「俺絶対TV番組のプロデューサーになるよ。んで、電波少年みたいな番組作るんだ。鎌田さんはもうちょっとほのぼのしてるバラエティだっけ?まあお互い頑張ろうや」

夏休みに入る直前、学校で話せばいいのに何故か電話で話した夜があった。
ワン切りの流行った頃だったから、何度かやりとりした末にどちらかか本当に電話をかけたのだったと思う。

「ケーイチロー(他の人はイニシャルだけれど、臨場感を出すためにあえて今回だけ仮名で)、私ケーイチローの情熱が羨ましい」

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