失恋を留学に15歳で留学を決意した話 (7)

1 / 3 ページ

 ※思い出した順に書いているので、時系列がめちゃくちゃであることをお許し下さい。

---

  国語部門のセミナーは、主にラウンジを使って行われた。
場所は、大学が所有する群馬県吾妻郡嬬恋村の研修センター。
研修センターという地味な名称の割に豪華過ぎたような気もするけれど、学費が高いと有名な大学だったから特段おかしなことではない。
むしろ、学費が高いのにショボイ設備しか無かったら何かを疑わねばならないと思う。
などということは置いておくとして。

5泊6日のうち、2日目だっただろうか。うん、2日目だ。間違いない。
私が一人でラウンジに降りて行ってて座っていると、左側から声をかけられた。

「隣、いい?」

見ると、細身で長身の男性がいた。
確か、自己紹介ではこう言っていた。
神奈川県内にある付属高校から来た2年生。
私よりも1学年上だ。
事前に配られた予選の作品集には、彼の書いた小説が載っていた。
私がハイとだけ答えると、彼は静かに椅子を引いて座った。

「鎌田さん、だよね。S高のTです。って、自己紹介でも言ったけど。鎌田さん、家、横浜なんだね」

その当時は、参加者名簿が住所録も兼ねていた。個人情報の保護が叫ばれる昨今では考えられないことだと思う。

「はい、端っこの方です。S高の方がずっと近いんです」

「そうだよね。友達がそのあたりに住んでるから、あれっ?と思って。そこから高輪って、遠いよね。何であえて高輪にしたの?」

「S高は難しくて、入れそうになかったんです」

「そうなの?僕は中学から入っちゃってるから、そういうことに疎くて」 

「うちの大学面白そうなこと色々やってるし、高校生でも結構何でもやらせてくれるから、付属のどこかには行きたかったんです。でもS高は内申点の基準が高くて無理そうで、そうしたら高輪は筆記試験がよくできれば入れてくれるっていうので、それで」

「そっか、そういうことがあるんだな…。いや、うん。その…同じ学校だったら良かったのにって思ったんだけど」

「えっ?」

「面白かったよ、鎌田さんの作品」

私は彼の顔をまじまじと見てしまった。

みんなの読んで良かった!