失恋を理由に15歳で留学を決意した話 (12)

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   ※思い出した順に書いているので、時系列がめちゃくちゃであることをお許し下さい。

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  私は奨学金で留学した。
奨学金の制度があるということは、正規の費用を払って入学する人もいるという意味だ。
そういった人達から見た私はどんな風だったのだろうと考えると、複雑な気持ちになる。
何故あいつが、と感じた人がいたとしても不思議ではない。
嫌味を言われたり意地悪をされたりしなかった分、恵まれていたのだろう。
いや、間違いなく恵まれていた。

  応募を決意した時は一人だったけれど、結果が発表された時は同じクラスのYちゃんと行くことになっていた。
さらに、出発まで1ヶ月を切った3月には顔見知りの先生もデンマーク校へ異動することを知らされた。
私とYちゃんは10組の生徒、その先生は2組の担任。
かなり離れたクラスだったけれど、毎日職員室へ出入りする私のことを何かと気にかけてくれた先生だった。

「うちの学校広いから、分からなくなったらまたおいで!」

入学したばかりの頃、そう声をかけてくれたのを覚えている。
母親には

「アンタ、保護者付きじゃないの!」

と茶化されたけれど、安心もしたようだった。

「監督する人がいないんじゃ、アンタはYちゃんて子に迷惑をかけるかも知れないからね」

 国立中学で落ちこぼれた私が、返済不要の奨学金を貰えるまでになった。
ここまでになれたのは、まず高校入学まで面倒を見てくれた塾の先生のおかげでもある。
ということで中学三年生の頃通っていた塾へ挨拶しに行くと、教務主任かつ私の担任でもあったH先生が事もなげに言った。

「T大デンマーク?おい、お前、そこ、スグルと同じ学校じゃないのか」

「スグル?Y高校に行ったスグル君ですよね?あーそういえば」

私は夏休みにも一度顔を出していた。その時に聞いたのだ。

「スグルがな、せっかく高校入ったのにすぐ転校になっちゃったんだよ。こないだ遊びに来てな、お父さんの仕事の都合で、確かベルギーだって言ったな」

「へえ、フランス語圏ですよね」

「うん、そうだよ。でな、アルザスのS学園かT大のデンマークって言ってたぞ。どっちも受かって…T大がいいって言ってた気がするけどな」

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