目ん玉を手術してみた
最初の針が打たれる。
い、痛ぇ…。
4回目くらいから、痛みの感覚は無くなってきたが、まだ目は見えてる。
『先生…まだバッチリ見えてるんだけど…?』
『あっそう。じゃあ麻酔追加して打つね~。あれ?何だろ?上手く入んないなぁ?眼球が人より小さいみたいだね。』
『痛かったりしたら言ってね。我慢すると大出血するかも知んないから。それと、くしゃみや何かも出をうになったら言ってね~。いきなり動くと危ないから。』
…。
最後の麻酔の後、目ん玉を薄いイソジンみたいな消毒液で、ジョーッと洗われたトコまでは見えた(笑)。後はいきなり見えなくなった。
でも、確かに何かしてんのは分かる。
レーザーで焼かれてる時は、スポットライトの点滅みたいなモンは見えた。
んでもって、ここはどうだあそこはどうだという、執刀医と助手の会話はもちろん丸ぎこえな訳(笑)。
しかも全編もれなく専門用語!まるで意味が分からん。
もちろん、どういう意味なのかは気になる。
だけど、ここで大事になってくるのが、最初に述べた
『まな板の鯉になりきれるかどうか』
だったりする。
『後で詳しく教えてくれんだろ。良いようにやってくれ( ` ・ω・´ )b』
俺がすべきは、とにかく動かない事だけだ。事実。生唾を飲んだ一瞬、本当に少しだけ体が動いたのだが、その程度ですら
『動かないで!』
と怒られてしまった。
麻酔を打たれて、1時間ほど経過した頃だろうか。
『もうすぐ終わりますが、これから1~2分、絶対に動かないでくださいね。眼球の膜を縫いますから。一番気を付けなきゃならないトコなんで』と言われた…。
動かずにじっとしてると…針と糸で何かやってるのが見える!
…縫ってる…。
…チクチクと縫い合わせてる…。
…目ん玉の表面を…。
…糸止めの玉とか結んでる(笑)…!
す…凄ぇ!
それから最後の処置をして、手術は終わった。
手術室に入って、2時間弱の時間が経っていた。
『予定通りに終わりました。動かずにいてくれたんで、順調に行きましたヨ!』
と、執刀医が声をかけてくれた。そこで
『今日の手術の様子を、レポートにしてFacebookに上げようかと思ってんのヨ。』
と、手術台に横たわりながら言ったら、スタッフ一同笑ってくれた(笑)。
何だか分からんけど…俺の勝ちだと思った(笑)。
手術の翌日である今日の時点で、右目は全く見えていない。明るさしか感じない。
退院する頃も、視力は回復してないだろうという事だった。
手術で治療が終わる訳ではない。むじろこれが治療の始まりだ。焦らずじっくり治していく事になる。
そう…『まな板の鯉』モードは、まだまだっ進行中なのだ。
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