第7話 アルケミスト【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
その続きには、なんと、
アルケミスト の文字があったのだ!
そう、彼が読んでいたのはアルケミストだった!
こんなことがあるのだろうか?偶然にしてはできすぎている。
心臓がばくばくと音をたてる。
卒業式にあべちゃんにもらったアルケミスト。
つい何時間前に読み終わったばかりだ。
いつも私を助けてくれた画面の中のその出来事が、急に近くに感じた。
まさくんは原宿にいると書いていた。
自宅の恵比寿からは電車で2駅、たった5分だ。
こんなに近いのに、さっきまで”会いに行こう”なんて選択は、これっぽっちもなかった。
その重なりすぎる偶然に、思い切り背中を、ポーン、と押された気がした。
よし、会いに行こう。
いつも私が励ましてもらっているんだ。今度は私の番だ。
寝起きの身体はもうしっかり起きていた。
まだ暖かい布団をたたみ、急いで着替えをすませる。
そのまますぐ、家を出た。
目的地は原宿。自然と早足になる。
歩きながら、心臓がバクバク音を立てているのが分かる。
緊張なのか高揚しているのか、足の先まで熱かった。
さっきまで布団にいたのに、この展開に思考が追いつかない。
あたまではよく考えられなかった。
まだ物語の中にいるような、そんなフワフワとした変な気分だった。
「 アルケミスト 」が、ニヤリと笑っている気がした。
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このストーリーは2015年に書籍化となり、
2019年にベストセラーとなりました。
この話は【あーすじぷしー】という
奇妙な生き方を始めたきっかけを書いています。
「ワクワクだけで生きていけるか」という
600ドルと片道切符の219日の実験の旅から帰ってきました。
今は日本を旅しています。
旅で得たことやワクワクでどうやって旅したのかをシェアしています^^
*自分が変わると世界が変わる*
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