失恋を理由に15歳で留学を決意した話(15)

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   ※思い出した順に書いているので、時系列がめちゃくちゃであることをお許し下さい。

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  見ていないようで、見ている。
見ているようで、見ていない。
結局のところ、確かめるまで分からない。
他人の意識というのは。

  一口に体操着と言っても、色々なバリエーションがあると思う。
たまには変わったデザインがあっても不思議ではない。頭では分かっている。でも感覚的な部分が素直に受け付けてはくれなかった。
何故青みがかったショッキングピンクなのか。
女子が着る分には、さほどおかしいものではない。多少目がチカチカする程度で済む。
男子もそれだから問題なのだ。
彼らの選択は柔道か剣道ということになっていたけれど、剣道を選んだ同級生はかなり気の毒なことになっていた。
ショッキングピンクのハーフパンツに、面、胴、小手。
地下二階のダンスやストレッチをするホールから彼らのいる地下三階アリーナを見下ろした時、私は思わず呟いてしまった。

「…足軽みたいだね」

「そういうかわいそうなこと言わない」

「柔道の人はちゃんと道着来て道場でやらせて貰えるのに、剣道だとアリーナであのハーフパンツに防具って不公平だよね」

「本人たちはどう思ってるのか分からないけどね」

都心で校庭すらない校舎においては、屋内体育施設を確保するのも難しい。おそらく広さを確保するためにわざわざ地下を掘っており、地下2階と3階に体育館や道場、トレーニングジムがあった。更衣室も。

  授業が終わった後、更衣室の端で体操着を袋に詰め込んでいたら不意に名前を呼ばれた。

「鎌田さん」

見ると、普段はあまり話をしないクラスメートだった。

「ん、何?」

「私ね、鎌田さんだと思うの。デンマーク」

「へ?」

「私、Yとはいつも一緒にいるし、あの子のことはよく分かってるつもり。しっかり者でいつも結果出してるとこはほんと尊敬するけど、ああいうものはセンスだと思う」

「センス?」

みんなの読んで良かった!