失恋を理由に15歳で留学を決意した話 (16)

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   ※思い出した順に書いているので、時系列がめちゃくちゃであることをお許し下さい。

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  私は英語が話せない。
すごく驚かれるのだけれど、本当に話せない。正しくは、話せなくなってしまった。
外国へ出張したり旅行したりすると、どうしても英語を使わざるを得ない場面が出てくる。
そういう時に無理やり喋ってみると通じないことはないのだけれど、
「ならば普段からなるべく使うように心がけて語学力を落とさないようにしろ」
と言われると困ってしまう。
デンマークにはデンマーク語という公用語があるけれど、英語も殆どの場所で通じるから留学中は普通に話していた。
それなのに帰国して復学した高校の授業でまた話そうとしたら全くダメになっていたのだ。恐怖さえ感じる。

そこまでのことになるならもう外国へは出ない方がいいと思ったし、実際に今の会社を受けた時は正直に申し出た。

「英語は苦手です。性格的に、営業も無理だと思います」

…面接官が疲れていたのだろうか。輸出の営業部門、それも欧米担当に配属されて9年目になる。
かかってくる電話は毎日
「ハロー!」
勿論対応はしどろもどろになるけれど、開き直るしかない。
こういう人間も世の中にはいる。
語学に堪能で海外旅行も好き、イコール輸出の営業が向いているとは限らないらしい。
少なくとも私は英語が苦手だしさほど社交的でもなく、海外旅行は面倒だと思っている。
デンマークに行ってみて分かった。


自分の素直な気持ちが!


  16歳目前の私が書いた小論文は、校内での選考をくぐり抜けT大学本部へと送られた。
そこで次の審査が行われている間、各校の校長と応募者本人による一対一の面接が実施される。
何日間あったのかは分からないけれど、私はある日のトップバッターだった。
指定された時間に校長室の前まで行くと、私にデンマーク校の概要を教えてくれた先生が立っていた。

「鎌田、アンタいい子なんだから頑張るんだよ」

両手でしっかり肩を掴んで激励された。

「はい!」

ドアを2回ノックし、失礼しますと声をかけてから入室するとソファに校長先生が腰掛けていた。

みんなの読んで良かった!