持っているか持っていないかじゃなくて、研いだか研がなかったかだろ、という負け犬の話。

突然ですが、ボクには嫌いな人がいます。


何が嫌いって、仕事で絡んだ時の彼(Aさん)の仕事ぶりが嫌いです。
なんと言ったらイイんですかね。
柔道家が総合格闘技に転向して、柔道の技で勝ちまくる、というか。
居合の達人が剣道の大会に出場して、相手を瞬殺しまくる、というか。
ノンフィクション作家がフェイクフィクションの映画を撮ったら興収1位になっちゃった、というか。

対戦相手(現場)はやりにくい事この上ないんですが、外から見た評価はすこぶる高い。
そう。Aさんは優秀なんです。

対してボクは、平凡……いや、凡庸な男……もとい。ザコな訳です。
ボクがAさんを嫌いだと思う理由は、「Aさんは異質なのに強い。俺は馴染んでるのに弱い」という点。
簡単に言えば、嫉妬です。それは、認めざるを得ないです。

あ、一つ言っておかなければならないのは、ボクはAさんを人間的に嫌っている訳ではありません。

あくまで仕事上で絡みたくない、という意味で嫌いなのです。
ホントです。ホントですよ!


で、考えてみたんです。


なぜ、Aさんは異質なのに強いのか。なぜ、ボクは馴染んでるのに弱いのか。

前提として、Aさんとボクとは今の会社でのスタートラインが似通っていました。
・中途採用で入社
・同年代(Aさんはボクより2歳ほど年上)
・学歴も同等(Aさんは高卒、ボクも大学中退=高卒)※周りは大卒8割、院卒1割、専門卒1割程度です
・入社時期は1年ほどの違い(ボクが先でした)
・同じ部署に配属された

主に、学歴と年齢と部署。シンパシーを感じるには十分な条件ですよね?

でも、Aさんは入社後の仕事で異質な力を発揮して成果を上げ、高い評価を得ており、
ボクは周囲に溶け込んで無難に平凡に日々の業務をこなし、評価はそこそこ。
周りがどう思っているかは分かりませんが、ボクはその「差」を感じていました。

先に挙げた「前提」が、Aさんへの嫉妬の気持ちの根本にあるように思います。
「入社時点ではそれほど差がないハズ。しかも俺の方が近い業界に居て仕事には慣れている。
 それでもこんなに差があるのは、彼はきっと「持っている」人なんだ。
 思えば俺は、どこへ行っても何をしても「持っていない」人生だったなぁ。
 「持っている」ヤツはうらやましい…………」

Aさんは「持っている」、ボクは「持っていない」だから差が出るんだよね、という事で自分を慰めていました。


ところが、Aさんとボクの間には大きな違いがありました。

それは、今の会社に入社する前、それも直前じゃなくて入社する前の約15年間の使い方でした。


「どのように過ごしたか」がそのまま「差」になった

ボクは、どこかでも書きましたが、高校3年から女に溺れ、パチンコにハマり、大学入学後はロクに学校へも行かず、パチンコ屋とバイト先と彼女の家を行き来するような毎日を送っていました。ダラダラと、その時が楽しければいい、明日の事は明日考えればいいという感じで5年を浪費しました。
大学を中退して1年はバイト先で塾講師をし、一念発起して上京してからはゲーム業界のヒエラルキーの中段辺りの会社で7年間ひたすら右往左往し、疲れ果てて辞めた後はなぜかパチンコホールを運営する会社でデータ分析を1年くらいやって、今の会社にたどり着きました。
その間で得た物は……何でしょうね? あ、結婚はしました。

対してAさんですよ。
詳細は知らないですが、彼は労働条件が厳しいと今話題になっているアニメ業界で動画1枚いくらという世界で戦ってきたそうです。ボクがボケーっと何となく生きている間、Aさんはひたすら絵を描き、そのスキルを高めていました。アニメの世界では絵が上手ければ1枚当たりの単価は高くなるでしょうし、実力で自分の業界内でのポジションも上がっていくでしょう。聞けば、ボクらが知っているアニメのキャラクターデザインなどもやっていました。これは、ボクにはない「目に見える実績」です。
そんな実績を持って、Aさんは今の会社にやってきました。


非常に対照的ですよね。
何となくボケーっと過ごした15年と、ひたすらスキルを磨き続けた15年。
中途で入社する時点で、持っている物の質と量が全く違います。
それが理解できた時、ボクがAさんに対して思ったことは……特にありませんでしたw
やっぱり仕事では絡みたくないし、評価が高い事には強い嫉妬を覚えます。


埋まらない「差」は気づいた時点でもう埋まらない

この年齢になるとですね、例え「差」があるという事実とその「差」の質を理解できたとして、どんなに手足を動かし、頭を働かせても目の前にある「差」を埋める事は出来ません。
ではどうするか。  ……………………どうもしません。
差を認め、自分の手足の届く範囲でできる事をやるだけです。
自分で言うのもなんですが、「負け犬」ですね。良くわかっています。
でも、これは自分の「負け犬」っぷりを認めて受け入れるしかありません。
残りの会社員生活20年、家族のためにできる事をやるだけ、です。


もう少し若かったら……もう少し早く気づいていれば……と言ってもあとの祭り。
無駄に過ごした15年は、もう戻りません。


あぁ~~ぁ……

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