トラフィック・ロシアンルーレット

日本人の死亡理由。1位から3位は、いわゆる3大成人病。ガン、脳卒中、心臓病。そして4位は・・





それは、交通事故死です。

人の生命が尊重される現代において、日本人の亡くなる理由の4位は、人災です。


しかし、当然のことですが、車社会反対運動は起きません。中には、やっておられる方もいるかもしれませんが、盛り上がりません。

交通の利便性を捨てることが出来ないからです。



交通の利便性が捨てられないのは、交通システムの利用が社会に不可欠だからです。



電車がなくなれば、自分の家の場所からして、朝起きて会社の始業時刻に間に合うことは大変困難です。仕事で車を使うことは前提であって、約束の時刻は交通機関を利用しての時間が決められます。世界中の商品が鮮度を落とすことなく、スーパーに並べられるのは、正確な交通機関あってこそ。


その上にあって、日本人の生活はそれらしく成り立っています。




交通の利便性は、嫌がおうにも、私たちが私たちであるための存在前提で、今更捨てることなど論外なのです。だから、交通事故死がおきようが、起こした人の過失やセキュリティシステムの不備などは、槍玉に挙がっても、交通そのものの疑問・否定論は結びつきようもないのです。




私は、このことから、「まあ、便利なんだからしようがないでしょ」という社会の本音を感じます。「まあ、便利なんだから交通事故死が多くてもしようがないでしょ」という暗黙の了解の元、社会は回っている気がします。



それは装填数のとても多いマグナムを使ったロシアンルーレットを思い起こします。弾丸が、自分や身の回りの人に当たる確率はそれほど高くなく、ゲームをしている方が楽しいことが多いと考えられている社会。



私は想像してしまうのですが、世間の交通事故死を起こした加害者の多くが、そんなにひどい過失を犯した人ばかりなのでしょうか。確かに、注意深くカーブの向こうを見なかったかもしれないし、少し考え事をしていたかもしれない。でも、そんなことは普通の人間なら、よくあること。酒酔いとか、過度の睡眠不足だけとは思えません。


たまたま、ロシアンルーレットの弾丸に当たってしまっただけ。そんな加害者の隠された本音を、私は想像します。





怖いのは、個人はこのロシアンルーレットのゲームから降りることは出来ないことです。日本に生まれた限り、すでに出生届にはゲームの参加欄にチェックが刻印されています。このゲームに死ぬまで勝つことが出来るよう、私たちは少しゲームのコツを学んで、後は祈ることぐらいしかできません。


まあ、便利だからしようがない、のでしょうね。

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