第8話 人生を変えた1つの質問【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
私にとっては願ってもみない偶然だった!
ラッキーな事に、作家さんとふたりきりになれたのだ。
私たちはそのまま代々木公園の来た方へと歩いて行った。
代々木公園の入り口までは、結構距離がある。
歩きながら話していると、作家さんは急にこんなことを言い出した。
いやぁ、実は僕は人の悩みを10分も聞くと解決できるんだよ〜。
あまりにもキャッチーな文句に、最初は冗談で言ってるのかと思ってしまった。
しかしよく聞くと、その作家さんは本を書くかたわら”人の話しを聴く”という活動を、
ボランティアでやっているそうだった。
話しの内容はほとんどがその人自身の”悩み”で、
長い時は1日8時間ぶっ続けで人の悩みを聴くこともあるという。
その活動をずっと続けているうちに、段々と10分も人の話しを聞けば
その”悩み”の解決策が分かるようになった、というのだ。
そのとき、ふいに今朝のまさとのやりとりが浮かんだ。
自分はもう何もできませんー!って一旦手放すんだよ。神様に任せるんだ
なんとかなるから!
あの秘伝の「観念」の技は、本当だったんだ!
でもこんな出来過ぎたことってあるのだろうか。
これはまさからもらった前兆だ。
まだよく状況が飲み込めていないまま、作家さんに話してみることにした。
お母さんとわたし
私が悩んでいること、それは、お母さんのことだった。
簡単に言うと、お母さんから「旅に出る」ことを大反対されてしまったのだ。
だけど、私は分かっていた。
それはただ表面に出ただけの問題で
私にとっては、触りたくない、もっともっと根が深いものがあるということ。
もし旅に出るなら、奨学金も学校のために出したお金も全部返してほしいって....。
それはなっちゃんからの伝言だった。
お母さんと私は今世紀最大の「冷戦」へと突入していたのだ。
お母さんの言い分は、もっともで、当たり前のことだった。
私は学校へ行くために奨学金を借りていたし、
私のワガママで2回目の学校へ行くときは、生活費も工面してもらっていた。
お母さんが一生懸命お金を出してくれたのも知ってる。
お母さんに苦労かけてることも知ってる。感謝もしてる。わかってる。
頭ではそう思うのに、だけどこころが、どうしてもついていかない。
腹が立って悔しくて感情がふれて仕方なかった。
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